恋の足音 since 2011.11.05 ※TOPへ戻る際は←のサイト名をクリックして下さい。


深く暗い海底のような空間に沈んでいた意識の遥か上で、眼鏡が落ちる乾いた音が薄く響く。
揺らぐ視界に戸惑った那月が俺に怯えたように抱きつき、受け止めくるりと体を反転させる。
那月と交代してすぐに見たのは、俺を覗き込んでいたAクラスの同級生らしい騒がしい男。

「やっほー砂月!AV観ようぜっ」

にこっ、と笑顔だけ見れば那月と変わらないくらいの純粋さで音也が言う。
口から滑り出たのは年相応の下品な発言だが。
床に落ちたままの眼鏡を拾い上げテーブルに置き、音也は俺の返事など聞かずにソファーに座り込んでいる。
こういう事態は初めてじゃない。今まで何度か目が覚めると目の前に音也、手にはAV、奴は満面の笑み。
という事が何度もあった。
わざわざ自分の部屋に那月を連れ込んでから眼鏡を外して俺を呼び出す。
「今日はねぇ、女教師モノ!」
また俺の趣味じゃねぇ。
俺だって嗜好は普通の男子高校生と同じだ。女の裸を見りゃ興奮するし勃起だってする。
AVを観る事自体には反対しないが音也はいつも自分が好きなAVばかり持ってくる。
「お前、たまには俺が好きそうなの借りて来いよな…」
「えー砂月が好きなのってフェチ系ばっかじゃん。飽きる」
てめぇ付き合ってやってんのに何だその言い草は!
と怒鳴りつけてやりたいのを堪えてソファーにどかりと座り込む。音也との口論は時間の無駄だ。
スプリングがぎしぎしと悲鳴をあげたが知ったことか。どうせ音也の部屋のもんだしな。
足を組んで背もたれに深く体を預けていると、準備が終わったのかリモコンを手に音也が隣に座る。
相変わらずパーソナルスペースを考慮しないやつだ。
服の上からでも熱が伝わってくるくらい密着してくる。
こいつはAVの途中でも平気で眠り、挙句に俺の肩にもたれかかって涎まで垂らしやがる。
「今日は寝るなよ」
「内容によるー」
悪びれず言い放った音也の頭を強めに叩くが、けらけらと笑うだけで怒りも反省もしない。
この手のタイプが一番面倒なんだ…突き放さずに一緒に居る俺も大概気が長い。
大きな液晶の画面には肉付きの良い体をした女が生徒役の男優と何やら二者面談のような事をしている。
下着のような短さのタイトスカートを履いた女が足を組みかえるたび、男優と音也がごくりと生唾を飲み込む。
お前この程度で良いのか、安上がりだな。
AVの内容はありきたりで、生徒役の性の悩みも進路と一緒に解決しちゃいましょうというお粗末なものだ。
椅子に座ったままの男優の股間に女が顔を埋めフェラをし始めたあたりで、隣の音也がもぞもぞと動き始めた。
「うあー…凄い音立ててる…」
画面の向こうでは女がちんこに唾液をたっぷりと垂らし、男優を挑発的に見つめながら手コキをしている。
我慢汁と混ざって卑猥な水音を立てるたび、音也はそわそわと足を擦り合わせた。
部屋の電気は付けっぱなしのままだから、音也の表情の変化が良く分かる。
熱に浮かされてぼんやりした瞳、荒くなっていく吐息、乾いた唇を舐める舌の動き。
ふと魔が差して、音也の腰を抱きこむとびくりと固まった。
「え、何っ?」
「同じ事してやろうか?」
ズボンの布地を押し上げている熱を指でなぞり、耳元にそう吹き込む。
音也は目を白黒させ、視線を行ったり来たりさせている。
AVの方はすでに手コキパートは終わり、女がちんこを頬張っている姿が延々と映し出されいた。
音也がごくりと生唾を飲み込む。今日何度目だろうな、それ。
ズボンをずり下げると勢い良く飛び出してきた。サービスで唾液くらい垂らしてやろうと思ったが
必要無いくらいの量の我慢汁で塗れている。
「そんなに興奮する内容だったか?」
「俺にとってはそーなの!」
からかわれた事に不満そうに言い返す音也にいつもの勢いは無い。
これから俺にされる事に期待しているんだろう、くたりと体を預けてぼんやりしている。
軽く握りこんで上下に擦ってやると息を飲む気配が伝わってくる。
「っは…砂月ぃ…」
甘ったるく俺の名を呼ぶ。ねだられるままに更に強く擦り上げ、時折尿道を抉るように刺激してやると
音也は喉を反らして声を上げた。
「んぁッ…ね、先っぽもっと…」
竿を握りこんだまま親指で円を描くように亀頭を刺激する。
音也はゆらゆらと腰を揺らして押し付け、強い快楽を貪ろうとしていた。
ふと耳に入り込んできた甲高い嬌声に視線を向けると、画面の向こうで女がでかい乳を男優に吸わせて
わざとらしく声をあげているところだった。
「なぁ音也、あれもやってやろうか?」
「んっ、ふぅ…ぁ、何…?」
音也が画面に気を取られている隙に素早くソファーへ体を引き倒し、邪魔なズボンを剥ぎ取る。
きょとんとしたままの音也が着ているシャツを捲り上げ、ぱくりと乳首を口に含む。
「ッあ、」
ようやく何をされるか理解した音也の頬が真っ赤に染まる。
片方を舌で捏ねながらもう片方を指で引っ掻くようにしてやると、くすぐったいのか身を捩る。
同時に再び亀頭への刺激を再開すると何処が気持ち良いのか分からなくなったんだろう、
音也が首を振って俺を引き剥がそうと肩に手をかけた。
「砂月、やだ…」
「嘘つけよ、萎えて無いだろうが」
「でも…ッんあ!」
「んじゃこっちな」
「え、え?、いッ!!」
焦る音也の視線の先には、尻に埋まった俺の指。
散々粘ついたちんこを擦っていたおかげで特にローションの類を用意しなくてもすんなり入った。
乳首はさすがにちゃんと育てないと気持ちよくなれないだろうが、此処は別だろう。
強烈な射精感をもよおさせる箇所が男にはある事くらい音也は知っているはずだ。
その証拠に、目が迷っている。期待半分、戸惑い半分。
「ちんこの裏、中から押してやると気持ち良いの知ってんだろ?」
「ぁひっや、やだ砂月っ…!」
「あんま嫌嫌言ってっとほんとにやめんぞ」
途端に音也が黙った。分かりやすい反応につい笑いが込み上げて喉を震わせる。
望みとおりにコリコリとしたその箇所を指で押しつぶしてやると、びくびくと内股が痙攣した。
下半身丸出しの間抜けな格好で、クラスメイトに尻を弄られてひぃひぃ喘いでいる音也。
ちょっと可愛いような気もする。あくまでちょっとだけ。
すっかり柔らかくなった穴に二本目の指を差し込んでそのまま左右に広げると、
外気に晒された中がひくひくと震える。
「遊ぶなよ…」
「はいはい、早く弄って欲しいんだな」
指を揃えて強く抉ると、きつく締め付けられた。
音也の尿道からはだらだらと粘ついた我慢汁が伝い落ち、俺の指に絡まって中へと塗りこまれる。
「砂月、ねぇ、イきたい…」
おずおずと言う音也の声は甘ったるく、中は蕩けきって熱い。
このままイかせてやっても良いが、俺だってこいつ程じゃないが興奮してるんだ。
ちゃんと気持ちよくさせてやったお礼はもらわないとな。
「イかせてやるよ、これでな」
「!やだっ…ッ」
言葉とは裏腹に、音也の中は随分と喜んで俺を迎え入れた。
元から素質があるんじゃねぇか。奥にいくにしたがってぎちぎちと肉に締め付けられる。
「や、や、やぁあ…ッ」
めそめそ泣いている音也の腰を掴んで、浅い所を揺すってやる。
さっきまで散々指で捏ねくりまわしてやったところだ、中押し広げられながら擦られるってのも良いだろ?
「あー…ッ!」
びくびくと音也の背が反り返り、止める間も無く射精してしまう。
おい、俺まだイってねぇのに先に出すなよ。一緒に出そうなんてロマンティックな考えは持っちゃいないが
いくらなんでも早すぎだ。
「この早漏が。俺がイくまでやめねぇからな」
「ひぅッ!ちょ、ちょっと待って俺まだっ…!」
「イったばっかで敏感だってんだろ?良いだろ、楽しめよ」
「ばかぁあ!!」
ガキくさい罵倒とともに殴りかかってきた音也をあしらい、覆いかぶさって腰を打ち付ける。
音也は突き上げるたびに小刻みに声を上げ、支えを求めて足を絡ませてきた。
腹に散った白濁が日に焼けた肌に映えて、思いのほか扇情的に見える。
どっからどう見たって男なんだけどなぁ、何で今日に限ってヤっちまおうなんて思ったんだが。
思いながら、せり上がってきた射精感を高めるように腰を強く打ちつけ、
直前で引き抜いて腹へとぶちまける。
中で出さないように配慮してやったつもりだが、音也の腹にかけちまってんだから同じようなもんだな。
「もー…砂月勢いで色々ヤりすぎ…」
額に浮かんだ汗をぬぐいながら音也が呆れたように言う。
何言ってんだ、お前もしっかり楽しんだだろうが。
「あ、AV終わっちゃってる…」
言われて見ると、すでに向こうも事を終えて男優が女の顔に大量にぶっかけてるところだった。
そうだ、どうせなら顔射してやれば良かった。
「…さすがにアレはやんないからな」
俺が思っていたことを察したのか、音也が盛大に顔をしかめて首を振る。
そう言われるとやってみたくなる俺の性格を知らないわけじゃ無いのにな。次はやってくださいって事か。
「トキヤが帰ってくる前に換気しておかないと…あ、砂月シャワー入ってく?」
「良い、那月が不思議がるだろ。部屋に戻る」
「そっか。またね〜」
ひらひらと手を振る音也に見送られて、眼鏡を片手に部屋を後にする。
面倒が無くて良いが自分を(無理矢理では無いが)犯した相手に随分と呑気な対応だ。
スポーツ感覚でSEXするのは神宮寺の坊ちゃんくらいのモンだと思ってたが音也も以外とそのタイプなのかもしれない。
どうせまたしばらくしたら俺の趣味じゃないAVを鑑賞させられるんだ、
その時が来たらまた美味しく頂いてやれば良い。
久しぶりの浮ついた感情をくすぐったく思いながら、俺は那月へと交代するため眼鏡に手をかけた。
プリンスたちの間で、AV観そうなのが音也と砂月しか居ないなぁって思って…たら、こんな結果に。音也かわいいよ音也ぁ!