洗い物を片づけてパパと一緒にテレビを観る。
これはいつも通りの過ごし方だ。
けど、今日はあんまり好きな番組が無くて、お風呂に入っちゃおうと立ち上がった。
一方隣に座っていたパパは私とは対照的にテレビに釘付けって感じ。
恐竜時代の特番なんだけど、パパってこういうの大好きなんだよね。
私はどっちかって言うとそう言うのは映画とかの方が好きかな。ジュラシック○ークとか。
「パパ、お風呂行ってくるね」
「うん」
「恐竜すきだね」
「うん、昔はこ〜んなおっきいのが地球にいたんだよ! わくわくしちゃう!!」
「ふぅん」
すごい夢中。
目をキラキラさせて子供みたいだ。
私はそのまま部屋を出て先にお風呂に入った。
それほど長湯をしない私は大体30分前後でお風呂からあがる。
だから、出てきた時もパパは全く同じ格好でテレビに釘付けで。
私は水を飲みながら、ソファに座ってテレビを観ているパパの後ろ姿を何となく眺めていた。
・・・・・・なんか・・・あの後ろ頭・・・かわいいかも
変かもしれないけど、一生懸命テレビを観ているパパの後ろ頭が妙にかわいいと思った。
私はコップを置き、ソファに近づいていく。
側まで来るとパパのつむじが目に入った。
───パパのつむじ・・・っ、・・・っ!
念のために言うけど、パパのつむじは別に変わった形をしているわけでもなくて、至って普通だと思う。
けど、けど・・・っ、つついてみたい衝動に駆られてしまうのだ・・・っ
私はその誘惑には勝てなくて、つん・・・、軽くつついてしまった。
けど、パパはそれに気づかないほどテレビに夢中。
・・・やだっ、コレって快感〜っ!!
妙な快感を覚えてしまった。
パパは恐竜に夢中だけど、私はパパのつむじに夢中だよ。
よし・・・っ、じゃあ今度は・・・
パパの頭にそ〜っと近づいて。
その妙にそそられてしまうつむじに顔を近づけ・・・
ちゅっ、てキスをした。
あ〜、胸がキュンてしちゃう。
パパは、
「・・・・・・? あれ?」
きょとんとした顔で、後ろを振り返る。
これ、何があったか分かってない顔だよね。
「お風呂あがったんだ?」
「うん」
「これ観たら僕も入るからね」
「うん」
にっこり。
お互い上機嫌で笑顔を交わす。
そうして、パパの意識は再びテレビに戻った。
後ろ頭が目に入ってどうしようもない。
もう一度してみたい・・・っ、ウズウズしてしまう。
私はつむじフェチだったのかな?
どうやらツボにはまってしまったみたいで、テレビが終わるまで私はパパのつむじに夢中だった。
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