あとがき


最後まで読んで下さった皆様、ありがとうございました。
そして、あとがきまでおつきあいいただき、大変恐縮です・・・。

開始から5年以上の月日が流れた『呪縛』ですが、その間多忙が重なったとは言え、数年に渡る停滞期があり、大変な時間がかかってしまいました。
ヴァンパイアシリーズとして括ってしまえば、現在もまだ連載が滞っているものがあるのがなんとも・・・(汗)

それでも、時々無性に書きたくなるダークものに手をつけ、シリーズのひとつに過ぎなくとも完結出来たことで今はホッと胸を撫で下ろしているところです。
もし、この話は自分の趣向に合っていた! という方がいらっしゃいましたら感激至極でございます。


皆様の中でも、シリーズとしての繋がりが見えてきた方、まだぼんやり程度の方、全く見えてないという方、『呪縛』しか読んでない方、そもそもシリーズものだったと知らなかった方v、それぞれおられるとは思いますが、単独品として読める構成になってますので、どうか気楽に御覧下さいね・・・でも、深読み大歓迎ですw



では、主な登場人物についてもお話を。


無難な辺りから・・・ということで、まずは乾と巽、伊予について。

多摩は美濃が絡まないと全くアクティブに動かないので、そう言う意味でも特に乾の存在は大きく・・・彼がいなければ、多摩が自分の置かれている立場に疑問を持つまでに更に時間がかかったことは間違い有りません。
一人でぼんやり月を見て美濃を思い出すだけの日々・・・それはそれでピュアで可愛らしいもんですが・・・(笑)
また、意外にも情に厚い乾のことは書いていて楽しかったです。
女好きって所は変わらないんでしょうねぇ。。。

それに引き替え巽の真面目さ。
彼が多摩に次いで人気があるのはそのあたりなんでしょうか??
最終話の多摩の命令に彼が従っていたら・・・違う終わりとなった事は確実です。
ですが、かつての王を殺さずにいた理由が、支配されているとはいえ、主となった多摩に対しても当てはまるのは巽にとっては当然の事です。
巽はそんな自分自身に誓いを立てていたのでしょうから・・・。

伊予は・・・乾とあんな事になってどんだけ経つんでしょう。
互いに嫌っているわけではないのですが、二人に進展があるわけでもなく。
・・・でも、現在他作品にも出ているので、詳しいことはあまり言えないのです・・・。


それから、クラウザー。
彼に関しても他ストーリーに出演中なので詳しいことは差し控えますが、「Promised Love」を御覧になった方がこの話に登場した当初の彼を見た時は、あまりの性格の違いに別人ではないか? と思われたのではないかと・・・。
クラウザーは『呪縛』後、日々歪んだものへと変化していく自分を止めようと人知れず藻掻きつつも、表面的には平静を装いながら祖国へ戻っていきます。
つまり、彼にとっての終着駅はこの話ではないということですね・・・。


そして主役の二人、多摩と美濃。

・・・・・・ ホントに私の中で、史上最高にくっつかなくて大変な二人でした・・・

絶対に赦せない相手を受け入れた美濃の決断は、簡単ではないはずです。
桜井(あ、作者です)は美濃にすぐには受け入れて欲しく有りませんでした。
好きだと頭のどこかで気づいていても、ギリギリまで抵抗して欲しかったのです。

彼が葛藤して藻掻き続けなければ、そのうえで美濃が受け入れる事を決断するのでなければ、二人の未来を作っても容易く壊れてしまうと想像したからです。
ちょっと考えれば、まだまだ乗り越えなければならないものは山ほどありますしね。
だからこの先も紆余曲折があり、多摩が時々暴走しては美濃を泣かせ、その度に自己嫌悪に陥って・・・
あらゆる考え方の違いに互いが戸惑いつつも、それでも何とか歩いていく二人の姿があるのだと思いたい。

一見美濃が不利に見える関係ですが、結局多摩は美濃に弱いのですよ・・・。
どうしようもなく不器用でも、優しくしたいという想いはあるのです。

それに、多摩は自分に懐いてくる相手に割と寛容です。
乾には結構甘いですし、巽は支配中なのでアレですが彼の言葉には割と耳を傾けようとしますし、伊予には告白されても冷たくあしらったりはせず(昔は触れるだけで厭がったものですが)・・・本人は無自覚でしょうが、色んな所で変化は生まれていくものです。


それから・・・多摩が神子として今後『必要とされた時』神託をバアルにて行うと約束したことで、シリーズの他の話に何らかの影響を与えるフラグが立ったということだけ、ここに付け加えておきます。




そしてそして。

何だかもう、ここまで桜井の独白を単に読んでもらうだけではホントにホントに申し訳ないので、ひとつおまけのお知らせを。

もう少し二人のラブが見たいよ〜、ギブミ〜、とお望みの方は以下のリンクからどうぞ。
2010.7.3〜2010.9.23の期間にウェブ拍手として置いていたものです)

ちょっとした後日話があるかも?


それでは、長くなりましたが語りはこれくらいで。
ここまでお付き合いいただきまして、ありがとうございました。


次のお話で、また出会えることを祈って・・・。





桜井さくや 拝





書き下ろし「秘密」を読む


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