阿倍野に処女を刺し貫かれ、絶望のどん底で恥辱の極みに追い込まれた南が
愛しい男に助けを求めて絶叫していたその時、当の達也は自らのベッドの上で
輾転と寝返りを打ちながら眠れない夜を過ごしていた。
昼間、南を抱き締めた時のあの柔らかい感触、鼻腔をついた香しい「女」の匂いが
思い出され、さらに先ほど別れ際に目にした彼女の白いうなじが脳裏にちらついて
眠気がいっこうにやってこない。
枕元の時計に目をやると0時半を回っていた。外はまさにバケツをひっくり返したような
土砂降りで、屋根をたたく雨音が喧しく、雷も頻繁に轟いている。それが達也にある記憶を
思い出させた。

「(そういえばあの夜もこんな土砂降りだったけな)」

それは2年前の梅雨。今晩同様に雷鳴轟く土砂降りの夜だったが、あの日は妙に蒸し暑かった。

                  ※

達也は深夜に妙な気配を感じて目覚めた。二段ベッドの下で寝ている和也が荒い息遣いで
何かをつぶやきながらがさごそと動いている。
その様子に尋常ならざるものを感じ、心配になって声を掛けようとした達也の耳に
聞こえてきたのは・・・・

「み・・・・ 南、南、南っ・・・・」

和也のやや苦しげにも聞こえる呻き声とそこに微かに混じる卑猥な響き。そして・・・・

「ううっ、ううっ!」

小さな叫びとともに、ティッシュを箱から何枚も引っ張り出す音が聞こえた。

「(和也・・・・)」

下を見ずとも彼が何をしているのかは明らかだった。さすがにこの状況では声を掛けられる
わけもなく、達也はそのままじっと息をひそめた。
和也はまさか達也に己の行為の様子をひそかに聞かれていることなど気づいてもいないようで、
しばらくすると部屋を出ていった。おそらくトイレにでもいって後始末をしているのだろう。
その隙に達也が下のベッドをのぞいてみた。

「(あれは・・・・)」

そこには達也自身がひそかに買い求めて自分の机の引き出しの奥に隠しておいたはずの
エロ漫画が開かれていた。
はからずも弟の自慰行為を盗み聞きしてしまったことは衝撃であったが、その行為自体は
達也にさほどの驚きを与えなかった。
和也が南に好意以上の感情を抱いているのは知っていたし、周囲から見たら文武両道・
品行方正でまさしく絵にかいたような優等生の和也だって16歳の若い男であることには
違いない。
そんな若い男が好意を寄せる異性に性的関心を抱くのも、その相手を対象に淫らな妄想に
ふけって自ら慰めるのも普通にあることだろう。そして何より、今の和也の行為は達也にも
身に覚えがあるものだったからだ。
和也はいったいどんな妄想で南を穢していたのだろう?
どうやって南の服を脱がし、下着を剥ぎ、一糸まとわぬ姿の南の身体を弄び、そしてその身を
刺し貫いていたのだろうか?
いや、それもおおよそ想像がついた。なぜなら漫画の開かれていたページには南に容姿が
よく似たヒロイン──それこそ達也がその漫画を買い求めた理由だった──が自宅で複数の
暴漢に襲われてレイプされるシーンが描かれていたからだ。
和也が部屋に戻ってくる気配を感じ、慌てて達也は寝たふりをした。
和也が何事もなかったかのようにそのエロ漫画を達也が元々隠しておいた場所に戻したのを見て、
はっと気づいたことがあった。
和也はあの漫画が達也の物であることを知っている。ならば当然、達也がそれを買い求めた
理由も、そしてそれを使って行っていることにも想像がついているはずだ。
それはすなわち、自身同様に達也が南を淫らな欲望の対象として自慰行為に及んでいることを
知っているということだ。それを知りつつ、和也はいったいどんな気持ちで南を穢し、
それを糧に自慰行為に及んでいるのだろうか。
しばらくすると下のベッドからは安らかな寝息の音が聞こえてきたが、達也は明け方近くまで
眠ることができなかったのをよく覚えている。

                   ※

あの時・・・・ 和也はおそらく南を妄想の中でレイプしていたのだろう。
そう、自分の兄もまたそうして彼女を犯しているであろうことを承知しながら。
「(和也も南のことを・・・・)」
そう改めて思い至った時、達也の股間の一物が急激に充血して、隆々とそそり立ち始めた。
「はあ・・・・」
小さくため息をつく達也。どうせ今夜はこの悶々とした気持ちのままでは眠れそうにない。
達也は身を起こすとベッドの上であぐらを組みパジャマとトランクスを脱いで下半身を
露わにし、己の一物をしごき始めた。
もちろん欲望の対象は浅倉南。そしてその妄想は昼間の出来事と結びついて達也があの時、
一瞬脳裏に思い浮かべたシチュエーションへと進んでいった。

南を組み伏せた達也は、セーターの裾から手を侵入させて南の柔肌に触れる。
――ちょ、ちょっと、タッっちゃん! なっ、何をするのっ! 冗談はやめてっ!
抗議の声を上げる南にかまわず、カーディガンとセーターの裾を一緒に鷲掴んで
一気に首筋までたくし上げれば、純白のブラジャーにやや窮屈そうに包まれた
美しい形のバストが顔を出した。
──いやっ! やめてっ、タッちゃん! どうしてこんなことするのよっ!
さらに懸命にもがき暴れる南を右手で押さえ付けながら、左手でスカートのサイドを
探ってホックを外し、ファスナーを緩めて一気にひざ下まで引き下ろせば、ブラ同様に
純白のショーツが露わとなって達也の目を射た。
――やめてっ、タッちゃんっ! こ、こんなの、いやぁぁぁっ!
再びのしかかってきた達也を懸命に両手を突っ張って押し返そうとする南。
だが突然その手が別の男に掴まれ、その相手を見て彼女の目が大きく見開かれた。
――カッちゃん!
和也はたくし上げられていたカーティガンとセーターを引っ掴んでまとめて南の両手から
引き抜き、さらに彼女の両手首を掴んで大きく左右に広げて床に押さえつける。
そして達也が南の両脚を割り裂いてその空間に身を躍らせ、露わになった大腿部を抱え込む
ようにして彼女の股間に陣取った。
半裸姿にひん剥いた南を組み敷いて上から見下ろす達也と和也。
その4つの瞳には暗くよどんだ光が宿り、明らかに情欲の炎を滾らせた歪んだ表情をしている。
双子の兄弟は眼下で打ち震える南の全身に舐めるような視線を這わせ、まるでハーモニーを
奏でるように声がそろえて言った。
──きれいだ・・・・ 南。
そしておもむろに達也が南に覆いかぶさり、彼女の頬を両手で挟んで固定するとその花のような
唇を奪った。口内に侵入した達也の舌が彼女のそれを絡め取る濃厚なフレンチキス。
──ううっ、ううっ!
一分以上は貪っていただろうか。たっぷりと南の唇を堪能した達也がようやく顔を上げ、
改めて南を見下して言った。
──南、俺はお前を愛・・・・
そこで言葉を切り、言い直した。
──上杉達也と和也は浅倉南を愛している。世界中の誰よりも、な。
だからお前は・・・・ 俺達2人のものなんだ。言ってる意味は分かるよな、南?
──な、何を言っているのっ! 分からないっ! 分からないよっ! タッちゃん、カッちゃんっ!
こ、こんなの絶対にいやぁっぁぁ!
その南の絶叫を合図にして達也と和也の目が合い、無言でアイコンタクトを交わした。
「(犯るぞ、和也!)」
「(うん、兄貴)」
和也は南の両手を改めて一つにまとめて手拭いで縛り上げると左手で押さえつけ、
空いた右手でブラジャーのカップを掴んで力任せに引き千切る。
一方達也はショーツのサイドを握りしめるや、間、髪を入れずに引きずりおろして剥ぎ取り、
あっという間に南からすべての着衣が剥ぎ取られ、野獣と化した双子の兄弟の前にその見事な
全裸姿を晒す。
──いやぁぁっっ! タッちゃん、カッちゃん、やだっ、やだっ、やめてぇぇぇぇっ!
一糸まとわぬ姿となった南の身体を和也が背後から起こし、乳房に手を回して鷲掴み、
乱暴に揉み砕きつつうなじに舌を這わせれば、達也は無防備に晒された彼女の股間に顔を埋めて
未だ穢されざる淫裂に舌を挿し入れる。
──いやぁぁっぁっ! タッちゃん! カッちゃん! 2人ともやめてっ!
こ、こんなのひどいっ、ひどすぎるよっ!
そんな悲痛な絶叫すら楽しむかのように双子の兄弟は交互にその位置を変えながら
彼女の身体を貪りつくす。そして・・・・
――あうっ! だっ、だめっ・・・・ タッちゃん、カッちゃん・・・・ ど、どうして・・・・
あっ、ああんっ!
2人の徹底的な責めに陥落した南の悲鳴が色っぽい喘ぎ混じりの嬌声へと変わった頃を見計らい、
達也は彼女の両大腿部を抱え込むようにして腰を落とし、その花園に極限まで怒張しきった
己の一物をあてがうと、南に逆向きに覆いかぶさって乳房にむしゃぶりついていた和也が顔を上げた。
――和也、先に南はもらうぞ
小さくうなずく和也。そして達也は南の処女孔に己の分身を無理やり埋め込んでいく。
──あぐっ! いっ、痛いっ、痛いよっ、タッちゃん、やめてぇぇっぇ!
破瓜の凄まじいばかりの衝撃と激痛に泣き叫ぶ南。だがかまわず達也は激しく腰を振るって
打ち込んでいく。
――南っ、南っ、南っ、南っ!
そして・・・・

「ううっ、ううっ!」
激しく扱かれたペニスが一段と滾りを増して一気に頂点へと達しようとしていた。
達也は右手で己の剛直をしごきながら左手で手元のティッシュを何枚もまとめて掴み、
くしゃくしゃに丸めて亀頭をくるむようにあてがった。
その瞬間、達也はしとど自らの樹液を一気に噴き上げ、それはたちまちティッシュを変色させ、
濡らしていく。
「うおっ!」
達也は、背徳的な恍惚感の中で全てを吐き出し、己の歪んだ欲望を処理した。
だがその背徳的なるが故により強烈な恍惚感が一段落すると、それにも増した罪悪感と
自己嫌悪に襲われた。
こんな形で南を穢しながら、明日は何事もなかったかのように彼女と自然に会話出来る
自分に嫌気がさす。もちろん南だって男の自慰行為についての知識はあるだろうし、
達也がそれを行っていることだっておそらく承知の上だろう。
だがもし達也が彼女自身を欲望の対象とし、さらに妄想の中とはいえこんな風に彼女を
犯し貫いて己の欲望を処理しているのを知ったらどう思うだろうか?
南をレイプするシチュエーションの妄想で自らを慰めたことは初めてではないし、
そしてあの和也の行為を目撃した夜以来、今のように和也と協力して南をレイプする
パターンを思い描くことしばしばあった。それはおそらく南を犯したいと思っている
自分の背徳的欲望のうしろめたさを、それは自分だけでなく和也もだと思い込んで
緩和したいだけからかも知れない。
南は達也にとって本当に心から愛し、世界で最も大切な女(ひと)だ。
だがそれでも、『南をレイプしたい』──ただセックスしたいのではない、今の妄想のように
着ている服を全て剥ぎ取って全裸にひん剥いた南の身体を弄び、泣き叫んで抵抗する彼女の
処女を無理やり犯し、刺し貫きたい。
そんな背反した歪んだ欲望が自分の心の奥底にあることに戸惑いながらも否定はできなかった。

「(これが男のレイプ願望ってやつか・・・・)」

だがそれはあくまで彼の頭の中だけのこと、現実にはありえないことは分かっている。
それにそんな乱暴な手段に訴えなくても、それほど遠くない将来、南と身体を重ね、
身も心も愛し合い、その処女を奪える日はきっと来る。
南と結ばれるのは自分か和也しかいないはずだ。そして和也は・・・・ もうこの世にはいない。
突然、暗闇の中に和也が姿を現し、達也はその幻視の和也に向かって宣言した。

「和也・・・・ 南は俺がもらうぞ。いいよな」

和也は少し困ったような表情をしたがすぐに微笑み、そして消えていった。

だが・・・・ 達也の思い込みはある意味間違いではなかった。
確かに男のレイプ願望は存在するのだろう。そして和也も南を犯したいと思っていたかもしれない。
だがそんな淫らな願望を持っていたのは彼ら双子の兄弟だけではなかったのだ。
いま幻の和也とともに達也が南を穢していたまさにその時、その歪んだ黒い欲望に憑かれてしまった
ケダモノ達の手によって、達也の最も大切で愛しい女(ひと)は、くしくも達也と和也が彼女を
弄んだのと同様の方法でその身体を弄ばれ、そして近い将来達也が奪うはずだった処女を無惨に
散らされて凌辱地獄へと叩き込まれていたのだから。

阿倍野に処女を刺し貫かれ、絶望のどん底で恥辱の極みに追い込まれた南が
愛しい男に助けを求めて絶叫していたその時、当の達也は自らのベッドの上で
輾転と寝返りを打ちながら眠れない夜を過ごしていた。
昼間、南を抱き締めた時のあの柔らかい感触、鼻腔をついた香しい「女」の匂いが
思い出され、さらに先ほど別れ際に目にした彼女の白いうなじが脳裏にちらついて
眠気がいっこうにやってこない。
枕元の時計に目をやると0時半を回っていた。外はまさにバケツをひっくり返したような
土砂降りで、屋根をたたく雨音が喧しく、雷も頻繁に轟いている。それが達也にある記憶を
思い出させた。

「(そういえばあの夜もこんな土砂降りだったけな)」

それは2年前の梅雨。今晩同様に雷鳴轟く土砂降りの夜だったが、あの日は妙に蒸し暑かった。

                  ※

達也は深夜に妙な気配を感じて目覚めた。二段ベッドの下で寝ている和也が荒い息遣いで
何かをつぶやきながらがさごそと動いている。
その様子に尋常ならざるものを感じ、心配になって声を掛けようとした達也の耳に
聞こえてきたのは・・・・

「み・・・・ 南、南、南っ・・・・」

和也のやや苦しげにも聞こえる呻き声とそこに微かに混じる卑猥な響き。そして・・・・

「ううっ、ううっ!」

小さな叫びとともに、ティッシュを箱から何枚も引っ張り出す音が聞こえた。

「(和也・・・・)」

下を見ずとも彼が何をしているのかは明らかだった。さすがにこの状況では声を掛けられる
わけもなく、達也はそのままじっと息をひそめた。
和也はまさか達也に己の行為の様子をひそかに聞かれていることなど気づいてもいないようで、
しばらくすると部屋を出ていった。おそらくトイレにでもいって後始末をしているのだろう。
その隙に達也が下のベッドをのぞいてみた。

「(あれは・・・・)」

そこには達也自身がひそかに買い求めて自分の机の引き出しの奥に隠しておいたはずの
エロ漫画が開かれていた。
はからずも弟の自慰行為を盗み聞きしてしまったことは衝撃であったが、その行為自体は
達也にさほどの驚きを与えなかった。
和也が南に好意以上の感情を抱いているのは知っていたし、周囲から見たら文武両道・
品行方正でまさしく絵にかいたような優等生の和也だって16歳の若い男であることには
違いない。
そんな若い男が好意を寄せる異性に性的関心を抱くのも、その相手を対象に淫らな妄想に
ふけって自ら慰めるのも普通にあることだろう。そして何より、今の和也の行為は達也にも
身に覚えがあるものだったからだ。
和也はいったいどんな妄想で南を穢していたのだろう?
どうやって南の服を脱がし、下着を剥ぎ、一糸まとわぬ姿の南の身体を弄び、そしてその身を
刺し貫いていたのだろうか?
いや、それもおおよそ想像がついた。なぜなら漫画の開かれていたページには南に容姿が
よく似たヒロイン──それこそ達也がその漫画を買い求めた理由だった──が自宅で複数の
暴漢に襲われてレイプされるシーンが描かれていたからだ。
和也が部屋に戻ってくる気配を感じ、慌てて達也は寝たふりをした。
和也が何事もなかったかのようにそのエロ漫画を達也が元々隠しておいた場所に戻したのを見て、
はっと気づいたことがあった。
和也はあの漫画が達也の物であることを知っている。ならば当然、達也がそれを買い求めた
理由も、そしてそれを使って行っていることにも想像がついているはずだ。
それはすなわち、自身同様に達也が南を淫らな欲望の対象として自慰行為に及んでいることを
知っているということだ。それを知りつつ、和也はいったいどんな気持ちで南を穢し、
それを糧に自慰行為に及んでいるのだろうか。
しばらくすると下のベッドからは安らかな寝息の音が聞こえてきたが、達也は明け方近くまで
眠ることができなかったのをよく覚えている。

                   ※

あの時・・・・ 和也はおそらく南を妄想の中でレイプしていたのだろう。
そう、自分の兄もまたそうして彼女を犯しているであろうことを承知しながら。
「(和也も南のことを・・・・)」
そう改めて思い至った時、達也の股間の一物が急激に充血して、隆々とそそり立ち始めた。
「はあ・・・・」
小さくため息をつく達也。どうせ今夜はこの悶々とした気持ちのままでは眠れそうにない。
達也は身を起こすとベッドの上であぐらを組みパジャマとトランクスを脱いで下半身を
露わにし、己の一物をしごき始めた。
もちろん欲望の対象は浅倉南。そしてその妄想は昼間の出来事と結びついて達也があの時、
一瞬脳裏に思い浮かべたシチュエーションへと進んでいった。

南を組み伏せた達也は、セーターの裾から手を侵入させて南の柔肌に触れる。
――ちょ、ちょっと、タッっちゃん! なっ、何をするのっ! 冗談はやめてっ!
抗議の声を上げる南にかまわず、カーディガンとセーターの裾を一緒に鷲掴んで
一気に首筋までたくし上げれば、純白のブラジャーにやや窮屈そうに包まれた
美しい形のバストが顔を出した。
──いやっ! やめてっ、タッちゃん! どうしてこんなことするのよっ!
さらに懸命にもがき暴れる南を右手で押さえ付けながら、左手でスカートのサイドを
探ってホックを外し、ファスナーを緩めて一気にひざ下まで引き下ろせば、ブラ同様に
純白のショーツが露わとなって達也の目を射た。
――やめてっ、タッちゃんっ! こ、こんなの、いやぁぁぁっ!
再びのしかかってきた達也を懸命に両手を突っ張って押し返そうとする南。
だが突然その手が別の男に掴まれ、その相手を見て彼女の目が大きく見開かれた。
――カッちゃん!
和也はたくし上げられていたカーティガンとセーターを引っ掴んでまとめて南の両手から
引き抜き、さらに彼女の両手首を掴んで大きく左右に広げて床に押さえつける。
そして達也が南の両脚を割り裂いてその空間に身を躍らせ、露わになった大腿部を抱え込む
ようにして彼女の股間に陣取った。
半裸姿にひん剥いた南を組み敷いて上から見下ろす達也と和也。
その4つの瞳には暗くよどんだ光が宿り、明らかに情欲の炎を滾らせた歪んだ表情をしている。
双子の兄弟は眼下で打ち震える南の全身に舐めるような視線を這わせ、まるでハーモニーを
奏でるように声がそろえて言った。
──きれいだ・・・・ 南。
そしておもむろに達也が南に覆いかぶさり、彼女の頬を両手で挟んで固定するとその花のような
唇を奪った。口内に侵入した達也の舌が彼女のそれを絡め取る濃厚なフレンチキス。
──ううっ、ううっ!
一分以上は貪っていただろうか。たっぷりと南の唇を堪能した達也がようやく顔を上げ、
改めて南を見下して言った。
──南、俺はお前を愛・・・・
そこで言葉を切り、言い直した。
──上杉達也と和也は浅倉南を愛している。世界中の誰よりも、な。
だからお前は・・・・ 俺達2人のものなんだ。言ってる意味は分かるよな、南?
──な、何を言っているのっ! 分からないっ! 分からないよっ! タッちゃん、カッちゃんっ!
こ、こんなの絶対にいやぁっぁぁ!
その南の絶叫を合図にして達也と和也の目が合い、無言でアイコンタクトを交わした。
「(犯るぞ、和也!)」
「(うん、兄貴)」
和也は南の両手を改めて一つにまとめて手拭いで縛り上げると左手で押さえつけ、
空いた右手でブラジャーのカップを掴んで力任せに引き千切る。
一方達也はショーツのサイドを握りしめるや、間、髪を入れずに引きずりおろして剥ぎ取り、
あっという間に南からすべての着衣が剥ぎ取られ、野獣と化した双子の兄弟の前にその見事な
全裸姿を晒す。
──いやぁぁっっ! タッちゃん、カッちゃん、やだっ、やだっ、やめてぇぇぇぇっ!
一糸まとわぬ姿となった南の身体を和也が背後から起こし、乳房に手を回して鷲掴み、
乱暴に揉み砕きつつうなじに舌を這わせれば、達也は無防備に晒された彼女の股間に顔を埋めて
未だ穢されざる淫裂に舌を挿し入れる。
──いやぁぁっぁっ! タッちゃん! カッちゃん! 2人ともやめてっ!
こ、こんなのひどいっ、ひどすぎるよっ!
そんな悲痛な絶叫すら楽しむかのように双子の兄弟は交互にその位置を変えながら
彼女の身体を貪りつくす。そして・・・・
――あうっ! だっ、だめっ・・・・ タッちゃん、カッちゃん・・・・ ど、どうして・・・・
あっ、ああんっ!
2人の徹底的な責めに陥落した南の悲鳴が色っぽい喘ぎ混じりの嬌声へと変わった頃を見計らい、
達也は彼女の両大腿部を抱え込むようにして腰を落とし、その花園に極限まで怒張しきった
己の一物をあてがうと、南に逆向きに覆いかぶさって乳房にむしゃぶりついていた和也が顔を上げた。
――和也、先に南はもらうぞ
小さくうなずく和也。そして達也は南の処女孔に己の分身を無理やり埋め込んでいく。
──あぐっ! いっ、痛いっ、痛いよっ、タッちゃん、やめてぇぇっぇ!
破瓜の凄まじいばかりの衝撃と激痛に泣き叫ぶ南。だがかまわず達也は激しく腰を振るって
打ち込んでいく。
――南っ、南っ、南っ、南っ!
そして・・・・

「ううっ、ううっ!」
激しく扱かれたペニスが一段と滾りを増して一気に頂点へと達しようとしていた。
達也は右手で己の剛直をしごきながら左手で手元のティッシュを何枚もまとめて掴み、
くしゃくしゃに丸めて亀頭をくるむようにあてがった。
その瞬間、達也はしとど自らの樹液を一気に噴き上げ、それはたちまちティッシュを変色させ、
濡らしていく。
「うおっ!」
達也は、背徳的な恍惚感の中で全てを吐き出し、己の歪んだ欲望を処理した。
だがその背徳的なるが故により強烈な恍惚感が一段落すると、それにも増した罪悪感と
自己嫌悪に襲われた。
こんな形で南を穢しながら、明日は何事もなかったかのように彼女と自然に会話出来る
自分に嫌気がさす。もちろん南だって男の自慰行為についての知識はあるだろうし、
達也がそれを行っていることだっておそらく承知の上だろう。
だがもし達也が彼女自身を欲望の対象とし、さらに妄想の中とはいえこんな風に彼女を
犯し貫いて己の欲望を処理しているのを知ったらどう思うだろうか?
南をレイプするシチュエーションの妄想で自らを慰めたことは初めてではないし、
そしてあの和也の行為を目撃した夜以来、今のように和也と協力して南をレイプする
パターンを思い描くことしばしばあった。それはおそらく南を犯したいと思っている
自分の背徳的欲望のうしろめたさを、それは自分だけでなく和也もだと思い込んで
緩和したいだけからかも知れない。
南は達也にとって本当に心から愛し、世界で最も大切な女(ひと)だ。
だがそれでも、『南をレイプしたい』──ただセックスしたいのではない、今の妄想のように
着ている服を全て剥ぎ取って全裸にひん剥いた南の身体を弄び、泣き叫んで抵抗する彼女の
処女を無理やり犯し、刺し貫きたい。
そんな背反した歪んだ欲望が自分の心の奥底にあることに戸惑いながらも否定はできなかった。

「(これが男のレイプ願望ってやつか・・・・)」

だがそれはあくまで彼の頭の中だけのこと、現実にはありえないことは分かっている。
それにそんな乱暴な手段に訴えなくても、それほど遠くない将来、南と身体を重ね、
身も心も愛し合い、その処女を奪える日はきっと来る。
南と結ばれるのは自分か和也しかいないはずだ。そして和也は・・・・ もうこの世にはいない。
突然、暗闇の中に和也が姿を現し、達也はその幻視の和也に向かって宣言した。

「和也・・・・ 南は俺がもらうぞ。いいよな」

和也は少し困ったような表情をしたがすぐに微笑み、そして消えていった。

だが・・・・ 達也の思い込みはある意味間違いではなかった。
確かに男のレイプ願望は存在するのだろう。そして和也も南を犯したいと思っていたかもしれない。
だがそんな淫らな願望を持っていたのは彼ら双子の兄弟だけではなかったのだ。
いま幻の和也とともに達也が南を穢していたまさにその時、その歪んだ黒い欲望に憑かれてしまった
ケダモノ達の手によって、達也の最も大切で愛しい女(ひと)は、くしくも達也と和也が彼女を
弄んだのと同様の方法でその身体を弄ばれ、そして近い将来達也が奪うはずだった処女を無惨に
散らされて凌辱地獄へと叩き込まれていたのだから。


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