Ring Written by 羽純 様 [06.12.15] |
幼馴染、恋人。それ以上の、二人の絆は強いとわかっているけれど、形になるものも欲しくて、 補給のためにと降りた街中で手に入れたそれを、キラの指にそっと嵌める。 「アスラン……、これ……?」 驚いて目を見開いているキラに笑いかける。 「誕生日だろ」 「そうだけど、でも。だってこれ、高いものでしょっ?!」 相変わらず的外れな驚き方をしてくれる。 苦笑して、指輪を嵌めたキラの指を掲げて、その場所にキスを落した。 「俺のキラへの気持ちには敵わないけどな」 値段なんて比べようもない。 そう言葉にすると、キラは真っ赤になった顔で、もう、と拗ねるように視線を泳がせる。その耳元に唇を寄せて、囁いた。 「嬉しくなかったか?」 一瞬、間があって、少しだけ怒ったように強い光が宿る目が向けられた。 「そんなわけないっ!」 何を言ってるの、と否定される言葉に嬉しくなる。 指輪に小さく埋まっているエメラルドの宝石にそっと触れて、微笑みながらキラが言った。 「これでどんなに離れていても、アスランを感じられるね」 スッと、キラの顎をすくいあげる。 「離れるなよ。ずっと、傍にいろ」 とんでもない言葉を口にするキラに、思わず命令口調で言ってしまう。離れていても、なんて冗談でも嫌だ。 キラにふっと左手を取られた。その指に嵌っているキラの指輪と同じ形で、紫に煌く宝石が嵌っている指輪にそっとキスを落とされる。 「 ――― 誓うよ」 互いの指に嵌めた瞳の色を込めた宝石が輝く指輪は、誓いになって確かな絆の形になった。 ... fin ... .
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