Brand new love Written by 潮崎 とあ 様 [2004.2.8] |
「月に還ろう」 告げられた言葉たちはどれも何より衝撃的だった。 驚きに声はもう、出なくて。 ただ、相手を見つめた。 アスランはただ、優しく微笑むだけだった。 そして、一言。 「キラの傍にいたいんだ」 どうしようもなく、胸が震えた。 気付いてしまった。 アスランの瞳に浮かぶ、色に…キラは思う。 自分のことを『必要』とされないなんて決め付けていたのだと。 自分のことだって、相手のことだって判断の仕様などなかったのだ。 けれど、今、自分に途方も無く優しい笑みを見せてくれる『彼』の傍にいたいと思った。 素直に、そう…想う。 だって、今…どうしてこうも、自分は素直になれるのだろう。 同じだと、キラは感じた。 結局、自分も駄目だと思う。 アスランがいないと…『自分』にさえ、なれない。 どうして、こうも簡単なことに気付かなかったのだろう。 「ばか…だよね」 苦笑いとともに一言だけ洩らして、キラは背を向けた。 このままアスランを見ていたら、込み上げる熱い水に気付かれてしまうから。 今、彼にそれを見せるのは、とてもはずかしくて。 「ほんと、ばか」 くやしくて。 でも、ばかなのは自分だと、思う。 「ばかって、キーラ?」 アスランが自分の腕を掴んだ。 顔を覗き込もうとする相手に、キラは笑った。 「だって、ばかでしょ?」 さらりと返す。 彼は歩を進めた。 「キーラ」 呆れたように、アスランが後ろから呼びかけた。 キラは構わず、先を行く。 彼は多分仕方ないと溜息をついたのだろう。 気配でわかって、しようがないと、キラは振り返った。 アスランが言う。 「答え、聞いてないんだけど?」 変わらずの笑顔で。 答えなんて、わかりきっているはずなのに。 それでも強請る相手に、キラはにっこりと笑って。 「還るんでしょ?」 はっきりと応えを返した。 今、はっきりとみつけた。 君が、僕が僕であれる場所。 I'm home! |
潮崎 とあ様のサイトFatal fateのクリススマス企画に参加して頂いた創作です!
転載自由となっていましたので、またお持ち帰りさせて頂きました!
最後の近くのアスランのセリフがですね、またツボだったのですよ!
『キラが居ないと自分になれない』とか『月に還ろう』とかあたりのアスランのセリフが!
相手が居ないと自分になれないってのは私も思っていた事だったので私的クリティカルヒット!!
ど真ん中!って感じでした!(><)
後、この創作を読ませて頂いた時B'zのCallingを聴いていたのですが、いやーまーピッタリ!
久しぶりに聴いた時アスキラソングだよなーとは思っていたんですが、
ココまで当てはまる創作にこのタイミングで出会えるとは!(笑)
聴いたことある人多いと思いますが、この創作、読まれる時には是非BGMにCallingを!(今ココで言ってもさ…)
アスキラだと思って聴くと当てはまりまくるのでオススメです。(笑)
そそ、バックの写真に乗っかっていた文字はこの創作のタイトル部分に書かれていた物です。
転載するさい消えてしまうので、勿体ないので壁紙に載せさせて頂いちゃいました。
タイトルの部分も創作の一部ですものね!
潮崎 とあ様、素敵なクリスマス創作ありがとうございました!
参加出来てホント良かったです(><)
本当にありがとうございました。