Sweet Summer written by 悠衣様 |
暑い夏のある日。 突然『カキ氷が食いてぇ〜!!』と叫びだした太一の為に、ヤマトは物置代わりの戸棚からなんだか間抜けな顔をしたペンギン型のカキ氷製造機を引っ張り出してきた。 父が飲み会のビンゴ大会で当たったとかで、貰ってきたものだったが結局、ためしに一回使っただけで奥にしまい込まれていたのだ。 「へ〜〜ヤマトん家、いいものあるじゃん」
「やっぱイチゴミルクが基本だよな♪」
そんな会話を交わしながらゴリゴリと氷を削ること十数分。
「く〜〜冷て〜〜っ!!」
にぎやかに巨大カキ氷を食べてゆく太一を少し目を細めて見つめるヤマトは、ゆっくりと氷をすくって口へと運んだ。
「オレ、夏って好きだ」 「俺は、夏が好きだって笑う太一が、好きだ」
ヤマトはそう言うと、とっさに言葉を選べないでいる太一に微笑んで、また氷を一口、口へと運んだ。
「……何やってるんだ?」 その仕草がなんだか色っぽい感じがして、無意識のうちに両手を軽く握り締めた。
「お前、俺の二倍は食べてたからな…」 太一のその言葉に、ヤマトは何か思いついたようで。 「そうか、あっためればいいよな…」
この時のヤマトの顔を太一が見ていたなら、何を思いついたかに気付いただろう。 「太一」
上から降ってきた声に顔を上げれば、言葉も出せずに唇をふさがれて。 「…んっ……ふ…」
文字通りの熱い口付けに息も出来ない。 「温まった?」 からかうように耳元でささやくと、太一は一瞬きょとん、とした顔をして、でもすぐにその意味を悟ったらしく頬に血を上らせる。
「冷たくて気持ちよかったぜ?…それに」 「甘かったし」
むくれてそっぽを向いた太一が 恨めしそうにつぶやいた。 「お前のせいで余計暑くなっただろ」
ぐで〜〜っとだらしなくソファに沈み込んで、目線だけあげてにらんでくる太一の髪の間からのぞく、柔らかそうな耳たぶはまだちょっぴり赤いままで。ふてくされたように軽く突き出した唇に、もう一度触れたいとヤマトは思った。 笑いながら手を伸ばして太一の額にかかっていた前髪を一房つまむ。
「お代は、先払いで」
そう言いながらも、太一は素直に目を閉じて優しい口付けが降ってくるのを待った。 ●END●
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悠衣様の携帯HP『空の飛び方』のキリ番を踏んでゲットさせて頂きました!
ヤマ太夏の1コマです!(><)
ヤマトさんの行動も太一さんのセリフも全てがツボです。
ヤマトがさり気に強きだし、かっこいいし!!
もうもう、最後の太一のセリフがかなりツボですよーーーーー
愛があるセリフだわ!!(>▽<)
読んだ後、顔がにやけてたまりませんでした。(笑)
こんな素敵なお話もらえるとは…
キリ番踏めて良かったv
様素敵なお話、本当に有り難うございました。