本気の境界線 written by せら様 |
いつも冗談ばかり口にする。 どれが本気かわからなくて、私も真剣になれないわ。 「ナミさぁ〜〜〜んっ!」 聞き慣れた明るい声が船内に響く。 読んでいた本から視線を外して声のした方に向けると、いつのまにかサンジが傍に来ていた。 「なによ、どうしたの?」 「ハイ。冷たいジュースです♪ 読書にはかかせないっしょ?」 にっこりと笑ってサイドテーブルにグラスを置いた。 「あら、ありがと。気が効くわね」 くすり、と笑みを見せながらからかうように言うと、サンジは照れたように頭をかきながら応えた。 「そりゃ、俺はいつだってナミさんを見つめていますからね! そろそろ喉が乾く頃だと思ったんですよ」 「サンジ君ったら」 苦笑いを浮かべて、グラスを手に取り用意周到に添えられているストローに口をつける。 ふわり、と薫る甘い臭いと、喉を通る冷たい感触をナミを感じた。 「んっ、おいしい!」 ジュースの味を堪能するナミはふと、サンジがにこにこと嬉しそうに笑っているのに気づいて、首を傾ける。 「なに?」と、目線で促す。 「いや・・、ナミさんってほんっと、可愛いなあ―って思って!」 「ぶっ、、ばっ、ばかじゃない!? そんなこと、あたりまえでしょ!」 不意をつかれた言葉に、ナミは慌てて言った。 そんな彼女にくすくすと笑って、サンジは「ハイハイ」と言いながら、海の方に視線を向ける。 ナミはふと、真面目な表情になった彼の横顔を見つめながらぽつり、と呟いた。 「サンジ君って・・、ほんとわからないわ」 「え? なんっすか、ナミさん?」 小さな呟きに、海の方に気を取られていたサンジはポケットから煙草を取り出して火をつけながら聞き返す。 「本気の境界線よ、」 ナミはもう一度、飲み物に口をつける。 「? どういう意味っすか?」 「冗談を言ってるかと思えば、すぐマジな顔になる。 その境界線はどこにあるのかなって」 ナミの言葉に一瞬、驚いたような表情を見せたサンジはすぐに困惑した顔になって頭をかいた。 「オレはいつでも本気なんだけどなぁー・・・」 サンジのため息混じりの言葉に、今度はナミが「ハイハイ、」と笑って、仕返しとばかりに肩をすくめた。 まいったなあ・・、とサンジは空を見上げる。 不意に、なにかを思いついたように口を開いた。 「でも、ナミさん?」 やり返したことに、得意げな表情をしながらナミは、すっかりコップの中を空にして、 椅子から立ち上がり「なぁーによ?」と、サンジの方に視線を向ける。 「それって、オレに興味を持ったってこと?」 嬉しそうなサンジの瞳と目が合って、ナミはふいっと顔を背けた。 「 ―――― さあね?」 一瞬の間の後、そう言い残してナミは船室の方へと歩いて行った。 その頬が僅かに赤くなっていたような気がするのは、サンジの見間違いではなかったろう。 本気の境界線、か。 「ナミさんのためなら、オレはいつだって越えるよ」 どこまでも続く青い海を眺めながら、サンジはそう言葉にした。 End.
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呪い呪われ友達(?)のせら様から頂きました!
サンナミです!!(><)
ワンピのノーマルでは一番好きなカップリングなんですよ!
無理矢理言って書いて貰いました。(笑)
すまぬ、貴方はオリジナルのお人なのに…(遠い目)
でも、私はかなり幸せですvv
ホントありがとね〜〜〜〜〜!!
このお返しはいつか忘れた頃にこっそり返します。(笑)