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双影記


固有名詞一覧


王家   王・皇太子  名・生母の家名<王統侯家直系女子に限る>・レハ・カイアード

      王妃     名・生家の家名・レヌ・カイアード

      王女     名・レサ・カイアード      既婚  名・レサ・婚家の家名

      王子     名・生母の家名・レフ・カイアード  公式の結婚は認められず、子は全て庶子として生母の姓を名乗る。王統侯家も同様。

      側室     名・生家の家名  王統侯家も同様。

王統侯家  当主     名・ドム・家名

        女継嗣    名・デア・家名         養嗣子当主  名・デル・家名

        正室     名・生家の家名・婚家の家名

        子女     名・家名

王統七家  建国王ベイレスの弟妹を祖とする三家セディア、スウォードン、メネムと庶子を祖とする四家キリア、デイア、エイリー、グランからなる。

王統第八家 ラデール。  アルザロ戦役の勲功と辺境防御の為、ローデンの父ドルファスによって起こされる。祖ツーリ。



★数字は年齢



アージェ : キシュマ南方の城砦、騎士団所在地



アテコント : チワの清流の西岸を領するオルテリーの辺境伯爵シャブワ・アテコント



アピネーラ : ヨレイル南部を領して東西に横たわる大山脈



アフォラ : 60、テシャの名医、カイワンの臣



アデラタ・ルアーム : 45、シリンの母。リクセル州カルセンの北辺の荘園領主。郷士。数年前に寡婦となり、女主人として荘園をまもり、シリンを育てた。リフ ァンの乳母



アルウェル・ハドイー : 40、ラデール騎士団第二騎士団長、雄偉な体躯を持つ、菫色の双眸、金褐色の髪、



アルザロ : その王都をグーツという、ニルデアの南東に国境を接する、その国土の大半を広大な沃野におおわれた ニルデアと拮抗する国力を持つ国



アルデ : 21、少年から男へと移行する前のしなやかに引き締まった長身、艶やかな漆黒の髪を肩で切りそろえた、 その姿には気品さえただよう 面立ち自体は、高い額、くっきりと描かれた眉、漆黒の双眸。硬質の美貌、 男には白すぎる肌、聡明そうな額、涼やかな目鼻立ちを持つ。双子の弟として生まれ、亡国の予兆とされ生後すぐに異国に捨てられる。泉の女神アルディタの祠に捨てられていたことから、その名を得る。



アルディタ : 泉の女神



イアキン : ゲルク・51、リクセルの家宰



イルバシェル : ニルデア領。アルザロとの境をなすこの沃地をめぐって過去、幾度、戦いが繰り広げられてきた



ウーサ : ハソルシャの村、オーコール公邸の下働きナミアの郷里



ウード : カルセンの猟師、若いときにハルツァ大山脈を越えてスオミルドへ行ったことがある、トールの祖父、


ウォリファ・ラデール : 24、ルデスの末弟、その容姿、祖父セイカーに最も似ているとされる、多分に幼さの残る才走った性格の主



ヴォルド : ドワル・33、豊かに波打つ褐色の髪にふちどられた浅黒く精悍な顔、傲慢なまでの矜持をその緑灰色の双眸に宿す、身長でこそルデスに劣りはしたが、魁偉 とさえ言える厚く引き締まった体躯を持つ中流貴族


エイゼル : 19、王の近従、柔らかな枯れ草色の髪。灰青色の双眸。思索的な顔の青年



エイリー : 王統八家の第六家、創王の第四王子をその祖とする



エク・エラン : ヒタンの王エリに親率される戦士、雛の導者となるとき以外、聖地を離れれば常に単独で行動する



エクの雛 : エランの中から選ばれたもの、導者によってエク・エランとなる



エサリア : オーコールとアルザロ国境との間にある山地



エディック : 27、カイラム・スウォードンの息女。漆黒の髪と闇の双眸、死者を思わせる蒼白の肌、血塗れ たような朱唇。どこか現王ソルスを彷彿させる妖婉な美貌の主、ルデスの正室



エラン : ヒタンの戦士。森の~。ある歳に達し、長に選ばれた若者は群れを離れ、伝えられる聖地におもむき、鍛えられ、やがて、エリの名 のもとに統べられる戦士として、送り出される。生まれた群れに依らず、人の世に混じりながらエリの頤使に従い、同胞たるヒタンの群れを守 る。二、三人で組をつくる



エリ・フリギル・エリ : 34、灰褐色の髪、灰色の双眸、長身とはいえルデスほどではない、その痩躯は、どこといって目立つところのない、全身が土埃にまみれた といった印象の残るだけの、変哲もない男、リクセルの傭兵、オーコールの情人、浅黒い痩躯は、着衣の上からは思いつかぬ、鋼線を 撚り合せたような筋肉に被われ、とらえ所ない灰色の双眸、無表情に収まり返った顔は太々しいまでの男の顔、くるくると跳ね返る灰褐色の髪を首の後で束ね背に垂らしている。痩せた男、夜行性の大型獣を思わせる力をたわめた動き、森の王の名を持つ男 既に滅び 世にその形骸をさえ止めぬ王国ではあっても、ヒタンはその王国に住み、自らを統べるものをエリと呼び、民として絶対の忠誠を捧げる。エリとは古の王の呼称。紫金の瞳を持つ森の民の王



エルヴァス・ドム・キリア : 56、王統八家キリア家当主。ルデスの生母ベルファの実兄。20年前、ルデス暗殺を指嗾。初老の域を超えたであろうその相貌はいまだ鋭角的に整い、相手を揶揄するよう な目の輝きとともに、油断のならぬ印象で対するものを脅かす。 八家当主の中では最年長であり、ローデンの第一王女を生母に持つ、第一王位継承者



オーコール : ニルデア王都



オキル・ローダラム : 39、ルデスの侍医 苦行者に似た痩躯 謹直そうな相貌、肉の薄い顔を持つ



オダン・ハザム : 57、カラフの騎士として戦友として数多の戦いを共にし、その股肱とまでいわれた、人生の半ば以上を、戦場で、生死の間に生きてきた、 往年の武勇の名残りをいまだ色濃くとどめる褐色の逞しい顔の、さして大柄とはいえぬ初老(40)もとうにすぎた半白の髪の主、往年を忍ばせる逞しい体躯、地方貴族の当主でありトエスの地に広大な領地を有する、鉄灰色の双眸を持つ




オドー・マグデル : 50、ラデール家公邸の家宰



オルガラ : イルバシェルの要衝、その丘に城を築いたのがかのグレン・セディアでありその領有するところを王家となしたことでツーリの子セイカーとの間に根深い確執の種をまくこととなった



オルテリー : ニルデア南西の隣国、アピネーラ山脈の北麓にあり、その国土はニルデアに匹敵し眠れる羆とも称される。国土の大半を山林に占められ、人口は少ない ながら兵は強悍、もし国境にテミンの樹海がなくばオルテリーの矛先はニルデアに向かっていたであろうといわれている



カイアード : ニルデア王家、ローデン、シイール、ソルス、


カイラム・ドム・スウォードン : 52、デルーデンとの国境に接し所領を有する、エディックの父、キリア公エルヴァスよりわずかに若年でありながら、ともすればより年長 に見られる謹厳な相貌の主



カイワン : 39、テシャの交易商、老成した思索的な光を湛えた双眸、なめらかに引き締まった精悍な相貌



カヴェス : オルテリー、デルーデン、サーロキアに隣接する山間の小国。デルーデン王の第二王女が摂生母后として国政を壟断、



カラフ・ドム・ラデール : 享年54、ニルデア王シイールの股肱たる顧問官にしてニルデア屈指の大貴族、王妃の妹をその母とする。ルデスの父。故人



カルセン : ハソルシャの北にある高原地帯、リファンの乳母アデラタ・ルアームの所領がある



キシュマ : ラデール家の城館から半日、ハソルシャの中心をなす町



キリア : 王統八家の第四家、創王の第二王子をその祖とする



グーツ : ニルデアの王都オーコールから騎行七日、アルザロの王都、ゼオルドのもとにあって、グーツは生新の気に満ちた都であった



クライル河 : オリュド河の支流。キシュマの下流でオリュド河に合する



グラン : 王統八家の第七家、創王の第五王子をその祖とする



クリーグ・デュワズ : 享年31、20年前、オダンの留守中にカラフより使わされたルデスの守り役、何者かに指嗾された刺客、ルデスを陵辱し殺される。故人



グレッセン : アルザロ王家、ゼオルド、ランベート、ローグ



グレン・セディア : 享年30、ローデンの長子であり、庶出であったがその英明勇武の資質ゆえに多くの信望を集め、ために、正嫡の弟によって弑逆の罪状で 処刑される。故人



クローセン : エサリア山地の東の野、アルザロ追撃戦の舞台。この地でアルザロ王ゼオルドが落命する。



クワ : ニルデアの港町



ケナブ : スオミルドの街、旧アルザロ領



ゲルク・イアキン : 51、リクセルの家宰、初老の地方貴族の首長、褐色の双眸をもつ、ダルディの傅人



ケルセック : スオミルド王都



ゴシュ・ローダラム : 享年61、ルデスの侍医、オキルの父、めったに思いを表わさない謹厳な顔の主



コルザート : スオミルドの傭兵、交易商マカルティの配下



サーロキア : 王国、デルーデンの南、オルテリーの西に国境を接する。カヴェスを挟んでデルーデンと開戦する。



シイール・グラン・レハ・カイアード : 享年42、ニルデアの王、アルデ、ソルスの父、故人



シグリー : 16、波打つ金褐色の髪に縁取られた顔は幼さを止めながらも、くっきりとした目鼻立ちに意地の強さを表わしている、リーギンの弟、エクの雛



シャブワ : シャブワ・アテコント、チワの清流の西岸を領するオルテリーの辺境伯爵



シャルト : 王の近従



シュタッファル : デルーデン国王家、ドーク、


シリン : アデラタ・ルアームの息子。リファンの乳兄弟。リクセル州カルセンの北辺の荘園領主ルアーム家の嫡子。



スウォードン :  王統八家の第二家、祖王の第3子を祖とする。エディックの生家



スオミルド : ワラシャの西の領袖として覇を唱える。王をもたず、一つの血脈から別れた七つの氏族、七人の首長による合議制のなかで選出された盟主のも とに支配の翼を広げようとしていた。その脅威がアルザロ一国に止まった背後には隣接する他の部族国家との間においてのみか、いまだ統一さ れきらぬスオミルド内部の支配権をめぐる七氏族の暗闘があった。



セイカー・ドム・ラデール : 享年54、カラフの父。ローデン王妃リスアの妹をその正室とする。王家との絆は他の王統八家をこえて強大なものとなっ た。新王の即位を機に、その絶ちがたさを世に見せつけるように、その顧問官として傍近く仕え、さらにはその地位を世襲と なしていった、ローデン王の弟ツーリの長子、ラデール家K当主。故人



聖地 : オルテリーの南、アピネーラ大山脈の山峡にある秘都。ヨレイルの地を覆う深く広大な森、その森の奥深く隠され、王族の巫女ヨギがいまなお古の神を祀るヒタンの地、十一人の長老によって統べられる。長老によってエリの意思はエランたちに伝えられる。エリの意思のもとにヨレイルの地を経巡るエランにとって、聖地とは年に一度翼を休 めに帰るねぐらとも言える



ゼオルド・グレッセン : 享年46、獅子王と異名をとるアルザロ中興の王、魁偉とさえ言える厚く引き締まった体躯、燃えるような赤髪、エサリア戦で戦死、その野望のためと いえ他国と結ぶを潔しとしないほどに高い矜持を持つ。故人



セディア : 王統八家の第一家、祖王の第2子を祖とする。グレン、



祖王 : ニルデア創王の父、王統八家の第一家から第三家は祖王の子女と姻戚を結んだ建国の功臣の家系

創王 : 建国の王、初代ニルデア王ベイレス



ソルス・キリア・レハ・カイアード : 21、<輝ける太陽の子>の名を持つニルデア王。凛乎とした声、自信に充ちて誇りかな声、豊かに、深い声、双眸はあくまで明澄な光を宿し、寛容で公正な 王、若さを周囲の者に感じさせない英明さで、常に、王として君臨していた



タミル : 37、カイワンの臣



ダルディ・ラデール : 29、ルデスの庶腹の弟。ルデスによってラデール家の嗣子に定められる。高い――だがルデスほどではない。胸の厚みはルデスに勝ろう。ルデスによく似た、より逞しい実直そうな相貌



チワ : テミンの樹海を抜けたゆるやかな丘陵地帯の次第にまばらになる樹間を縫う細い流れ。浅く細いそのたよりないほどの流れが、アルザロとオル テリーの国境の北辺をなしてから、幾世代を経たか、チワを挟んで小競り合いは絶えない



ツーリ・メネム・レフ・カイアード : 享年49、ラデール家の祖、兄王ローデンの即位に時をあわせ、ハソルシャに封じられた。イルバシェルで戦死。故人



デイア : 王統八家の第五家、創王の第三王子をその祖とする



テシャ : 遙か南方の大国



デナ : レカル中部の宿場町、この近隣の荘園にアルデは捨てられる。



テミン : 樹海の名であるとともに、ニルデア、オルテリー、アルザロの三国を画する山脈の名。峻険とは言えぬ山並みは、だが複雑に入り組む無数の谷 と山脈全体を覆う鬱蒼とした樹林によってヒタンだけは我がもののごとく行き交うという広大な迷宮と化していた



デュワズ : クリーグ・デュワズ、享年31 オダンの留守中にカラフより使わされたルデスの守り役、何者かに指嗾された刺客、ルデスを陵辱し殺される。故人



デルーデン : ニルデアの西の隣国。王都レルタン。



導師エクル : ヒタン、エクの雛の導者の長たる者



ドーク・シュタッファル : 58、デルーデン国王、老獪なまでの外交手腕と内治の才を有しこれまで大過なく国を治めてきた、既に成人し補弼の一翼を担う二人の王子 と、三人の姫の親であり、即位して三十年余、求めて‥‥他国と争うことをしない‥‥温厚な?、彼我の力を見極め、時を待つを厭わ ず、機を逃さぬ――強かな王



トール : 13、カルセンの猟師ウードの孫、スオミルドへの案内人となる



ドーレ : リファン



導者 : ヒタン、エクの雛の導者



トルコル : レカルの港町



ドワル・ヴォルド : 33、豊かに波打つ褐色の髪にふちどられた浅黒く精悍な顔、傲慢なまでの矜持をその緑灰色の双眸に宿す、身長でこそルデスに劣りはしたが、魁偉 とさえ言える厚く引き締まった体躯を持つ中流貴族



ナタン : ハルツァの峰クライル河の上流に位置する



ナミア : オーコール公邸の下働き、オキルの知り人、枯草色の髪



ニルデア : 王国、東方から来た黒髪、黒瞳のカイアード一族により建国。創王ベイレス・カイアード一世。



ノジャン : 35、ベール・交易商、ルデスの手下の諜者、ローグ・グレッセンを王都に伴う



ハザム : オダン・ハザム



ハソルシャ : ニルデア東部州、ラデール家所領。州都キシュマ。森のハソルシャとして知られる。



ハドイー : アルウェル・40、ラデール騎士団第二騎士団長



ハトル : ヨレイルの北岸に接する海



ハルツァ : ワラシャの西端、ヨレイルとの境をなして横たわる大山脈、スオミルドとニルデアの国境ともなっている峻険なる山岳地帯



ヒタン : 金褐色の肌と髪を持ち自らを森の民と称するヒタンは、国を持たず、定まった住処さえ持たぬ流浪の民。小さな群れをなして森に棲み、人里に出 ては芸を売り占いをして糧を稼ぐ。国境を越えて森から森へと流れ歩き、祭礼や市が立てば寄り集い、果てれば各地に散っていく。人は家さえ持た ぬ、この漂泊の民に畏れの綯い交ぜられた蔑みの目を向ける。それを嘲りをもって見返す、ヒタンはまた、自らを、古の民の末裔と称する。既に滅び、世にその形骸をさえ止めぬ王国ではあっても、ヒタンはその王国に住み、自らを統べるものをエリと呼び、民として絶対の忠誠を捧げていた。人はヒタ ンを蔑みながらも畏れる。ヒタンに害を為したものは必ずや報復を受けるという。ヒタンとは、森の神に守られた、触れてはならぬ民であった。



ピテース : 享年57、ハソルシャ城館の守備隊長。故人



雛の導者 : 導者となることは、エク・エランとして完全に自立したことを認められた証



ファダット : テシャの名族、代々学者、名医を輩出。アフォラ・ファダット



フェセ : ヒタン、エク・エランの族外子



ブリュセン : 36、親衛隊士官、実直な武人



ベール・ノジャン : 35、交易商、ルデスの手下の諜者、ローグ・グレッセンを王都に伴う



ベイレス : 創王ベイレス・カイアードJ

ベイレス : ベイレス・デイア・レハ・カイアードP、グレン・セディアの弟、正嫡、ソルス、アルデの祖父



ベルファ : 50、ルデスの生母。ベルファ・キリア・ラデール。ソルスの生母王妃ルフィスの姉。すらりと高い姿は冷たい気品をたたえ、見るものを凍らせる、肩にとき流した漆黒の髪、白蝋の肌、優美な弧を描く豊かな眉、切れの長い双眸、類い稀な――美貌、だが、それは硬質の玉石の輝きに似た美しさ、優しさ、たおやかさというものを片鱗も感じさせてはくれぬ



マーハルマ : テシャの名医。大部の医書を表す。医書



マカルティ : スオミルドの交易商



マグデル : オドー・50、ラデール家公邸の家宰



メドク : 30、ルデスの臣、テシャに留学



メネム : 王統八家の第三家、創王ベイレスの妹によりその血に連なる



メルネー : オーコールの東部平野。ニルデア屈指の穀倉地帯



ヨギ : 63、ヒタンの王統に連なる最高位の巫女の尊称を名乗る、灰色の双眸、心を吸われるような不思議な輝きを宿し人を呪縛する、かつては聖地にあり類無き星読みの巫女として、巫女たちの頂点に立ち一族の尊崇を一身に集めていた、童女のようにも、老婆のようにも見える、歳の知れぬ不思議な顔を持つ



ラデール : 王統八家の第八家 ローデンの弟、先王の第二王子ツーリをその祖とする。ルデス、ダルディ、ウォリファ、セイカー、カラフ



ランベート・グレッセン : 35、アルザロ王、小人、宿怨に捕われ、あるいは目先の功利に走り、スオミルドを呼び入れる、ゼオルドの長兄の嗣子。ゼオルド没後、スオミルドの力を背景に、王位を継ぐ。



リーギン : 25、ヒタンの王直属の戦士、エク・エラン。波打つ金褐色の長髪にふちどられた細面、ほっそりと引き締まった裸身は彼のものとは異なる優美さをそなえていた。たとえて言うなら、それ は陽光を受けて躍動する健やかな若鹿の美しさだった。ゆるやかにうねる筋肉におおわれたしなやかな肢体、エリの情人



リクセル : イルバシェル奪還の功績によりラデール家の所領に加えられる。ハソルシャの北西に接する。州都リクセル



リスア : 享年68、皇太后、Oローデン妃、Pベイレス、ベルファの母となるリティスの生母、グレン刑殺の黒幕。故人



リナ ニルデアの貨幣単位、最小単価


リファン・レン・ドーレ : 23、ルデスの寵うけた美貌の若者、艶やかな黄金の巻毛、男にしては色白の小振りな細面にくっきりと描かれた目鼻立ち、その鉄灰色の双 眸が意地の強さを表す



ルアーム : アデラタ。シリン。リファンの乳母、乳兄弟。カルセン北辺の荘園領主。郷士。



ルアルド・ドム・エイリー : 31、王統八家の当主の中では最年少、ルデスと同年、ダルディの妹を正室とする、好人物



ルード : 大陸



ルゴート : 41、親衛隊長



ルダ : 月神。ルデスの名の由来



ルデス・ドム・ラデール : 31、王統八家の当主。淡い、それ故なおのことに鷹を思わせる鋭い双眸、長身が、鋼の強靭さを秘めて、清冽なその姿、肩に流れ落ちる白金の髪ゆえに、か つて、白の公子――と異名をとった、二十代の半ばで先王シイールの顧問官となり、それを機に妻を迎え、城下の公邸に居を移す、内奥までを貫かずにはおかぬ淡い金の双眸、光を含んだ淡い双眸は、無機的なまでに自らの心の内を韜晦しさって、対するものを突放す

気品に満ちた鋭い顔貌 は艶やかに金属的に輝く銀糸のような髪、面立ちの思わぬ優しさ、なだらかな弧を描く豊かな眉、ほっそりし た輪郭、今にも笑みこぼれそうな唇、優美でありながら、微塵の弱々しさも感じさせない、清冽な姿



レウキー : 交易商マカルティの隊商の傭兵



レカル : ヨレイル西端の王国。アルデの捨てられた国



レルタン : デルーデンの王都



ローグ・グレッセン : 17、ゼオルドの遺子。明るい褐色の髪に縁取られた顔は初々しい、そのしなやかな肢体と供に、かれがまだ十代に過ぎぬことを物語る。それにしても、魁偉とさえ言えた厚く引き締まった体躯、燃えるような赤髪で獅子王と異名をとった父親の面影をほとんどとどめぬ、際だつ所のないその容姿だった。しいて言うなら歳に似ぬその双眸の強さが、わずかにその血の来たる所を彷彿させた。



ローダラム : ルデスの侍医オキル、ゴシュ



ローデン・グラン・レハ・カイアード : 享年60、現王ソルスの曾祖父、故人



ロセム : メルネーの野の宿駅。リクセル街道の分岐点



ロッカ : ハソルシャの森の西端にある砦。使われていない。空砦



ワラシャ : 大陸ルードの中央を占める広大な草原地帯



ワルベク : 66、ハソルシャの城館の家宰、老僕。身分もない家僕とはいえ、ハソルシャの城館の奥の宰領を一身に任されるほどにルデスの信頼は厚い









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