日本の神話では、草薙剣(くさなぎのつるぎ)、八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)、そして八咫鏡(やたのかがみ)が三種の神器として語り継がれています。
また、小さいミラーを布に織り込む民芸品がある国もあります。
鏡は昔から各地で不思議な道具として伝えられてきました。


鏡はその中に決して存在しない世界を映し出し、現実では見えないものを映し出したり、時には異世界への扉ともなります。
鏡を見ると自分の顔や後ろの景色が映りますよね?
しかし、それは私達が暮らす世界と同じものであって違うものでもあります。
なにしろ、鏡に映った世界は全てが反対向きになっていて、しかもその鏡の後ろには、そこに映っている空間など存在しないのですから・・・。




★いろいろな鏡


あなたも手鏡や洗面台の鏡など、日常的によく鏡を目にするでしょう。
しかし、日常的に使えるものだけが鏡とは限りません。
例えばパソコンのちょっと光沢のあるところ、暗い夜闇の時の窓ガラス、波の立っていない水面。
それらも物を映せば十分に鏡と言うことができます。

また、太陽の光を映す月も、満月ともなれば立派に丸い手鏡を思わせます。
何気なく見ているテレビも、実際そこに映るのはテレビの向こうではなく、まったく別の空間です。
こういう点から見れば、月やテレビも鏡の仲間と考えられるかもしれませんね。

魔術において、神を宿すものに紙を使う御幣など、見立てというのは非常に重要です。
夜は太陽が落ち、月が支配する世界だからこそ、異界のモノが出やすいのかもしれません。


「ソロモンの小さな鍵」(ゲーティアとも呼ばれる)という魔導書では、悪魔を呼び出す時に鏡面が真っ黒に塗りつぶされた鏡が用いられます。
真っ黒に塗られているのは必要以上のものを映さず、術者のイメージを映しやすくするためです。
この悪魔の召還術では鏡の中に悪魔を呼び出し、用事を終わらせたら再び悪魔を鏡の中へと帰します。
周りを全て映す必要はないので、この鏡は平らなツルツルしたものに黒いスプレーを吹きかけるか、墨汁の水面でも理想的な鏡として機能します。


合わせ鏡にすると、また面白い現象が見られます。
お互いの鏡にお互いの鏡像が映り込み現れる無限の鏡の回廊、これも鏡の神秘性に拍車をかけているのでしょう。
また、鏡が割れると不吉だとされ、使わない時は蓋を被せる風習もありますが、この風習には、合わせ鏡を不用意に作ってしまわないようにとの事もあるのではないかと思います。




★鏡の呪術


鏡にまつわる噂や怪談は数多く存在しますが、その中の一部をご紹介します。


洗面器に水を張り、夜中の十二時にカミソリを口にくわえて覗き込むと、将来の結婚相手の顔が水に映る。
しかし、もしそこでカミソリが水に落としてしまったら・・・水は一瞬で血のような赤色に染まり、将来の結婚相手の顔に一生消えないカミソリの傷がつく。


夜中の2時に合わせ鏡の間に立つと、鏡の世界へ引き込まれる。


「紫の鏡」という言葉を未成年が20歳まで覚えていると、20歳の時に死ぬ。
しかし、その言葉を忘れるか、忘れなくても「白い水晶玉」という言葉も覚えていれば助かる。




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