「 マイ・スウィートッ!ハニー!!I LOVE YOUー! 」
「 ・・・は? 」




差し出された薔薇の花束と、オレの顔を見比べているマイ・スウィーットハニーvvv
( あれ、なんかさっきと違うさ!? )




「 えーっと、今日はあたし、誕生日だっけ? 」
「 いや、この前終わったばっかさ! 」
「 ・・・薔薇の花束を貰う理由が無いんですけれど 」
「 あるさ!オレの告白がOKなら、受け取ってハニー☆ 」




ああ、そーいうコトね。
やっと気づいたように、彼女は頷いて・・・・・・踵を返した!




「 残念ですけど、これからリナリーんとこに行かなきゃいけないんで。
  そんな大きな花束持って行ったら、邪魔になるだけでしょ 」
「 え、と、とりあえず、告白の返事、は・・・ 」
「 あー・・・今はラビと付き合う気、ないから。ごめんね 」




さらり、と吐いた彼女の言葉は、ぐさり、とオレの胸をえぐった!!( アウチ☆ )
ヒールの音を立てて、彼女はその場を立ち去る。
オレはそんないけずな ( 死語? ) 彼女の背中を見つめていたが、
遠く、消え去ったのを確認して・・・とうとう膝を突いた。
それをどこからか見ていたのか、アレンが廊下の柱から顔を出した ( 悪趣味さ )




「 いやー・・・ラビって執念深いですねー 」
「 せめて打たれ強い、って言って欲しいさ・・・ 」




アレンは口の中で「打たれ強い、ねぇ・・・」と零しながら、
床に突っ伏したままのオレの肩を叩いた。




「 いい加減、諦めたらどうですか?ラビならすぐ新しい彼女ができますよ 」
「 ・・・アレン 」
「 ね♪だから、僕に譲って下さいよ 」




にっこり笑顔で優しい口調だったが、言ってることは結構凄い内容さ ( 相変わらず・・・ )
オレは、床に打ち付けた握り拳を見つめた。








・・・諦、める・・・か・・・。


彼女に出逢って、もう一年。
大人ぶって見せているけれど、子供のようにクルクルと表情を変えて。
笑顔なんか、どんな女優にも負けないくらいの可憐さなんさ。
人生最大のストライク☆ゾーンに、来る日も来る日もアタックし続けてきたけれど。
・・・ここが、潮時、なんか?








「 今はラビと付き合う気、ないから 」








がばあっ!!と飛び起きたオレに、隣のアレンが悲鳴を上げる。




「 な・・・ラビ!? 」
「 サンキューな、アレン。気づかせてくれて!! 」
「 はァ!? 」




首を傾げたアレンをその場に放り出して、オレはリナリーの部屋へと向かった。
全速力で追いかければ、まだ彼女に追いつくハズ。
・・・そして、予想通り!( なんせブックマンですから )
キュキューッ!とブレーキをかけて曲がった廊下の先に、彼女がいた。
驚いた様子の彼女に、もう一度アタック!







『 ・・・貴方みたいな軽いヒト、本当に軽蔑しちゃう 』


初めて告白した時 ( っていうか出逢った瞬間だったけど ) 彼女は、そう拒絶した。
そんな彼女が次第にオレに心を開き、任務で一緒になり、微笑ってくれるようになった。


諦めちゃダメなんさ。
きっと・・・今、彼女の中でも少しずつ『 オレ 』が変化している時なんさ。
だから、だから。
オレは君が開花する時まで、叫び続けるさ!!







「 好きなんさ!! 」







どうか、この切ないほどの想いが・・・
・・・いつか、彼女に届きますように











届いた瞬間、オレは。







01: 空も飛べるはず


シリアス5のお題








拍手、有難うございました。








  01 空も飛べるはず   02 窓辺   03 嵐の夜   04 If...   05 刻印