「 おはよう!いい朝だぞーッ!!・・・ど・・・どうした。
朝からそんな泣きそうな顔をして。え、うるさかった? 」
「 貴様の大声が、彼女の二日酔いに響いているのだろうが。今すぐ去ね! 」
「 そりゃあないだろ、三成。大体、わしの声の大きさは今に始まったことじゃあ・・・ 」
「 いいから去ねと言ってるだろうがァァア!!・・・・・・あ、 」
「 す・・・すまん。ここからはちゃんと小さな声で喋るから、そう邪険にしないでくれ。
大好きなお前に拒絶されることほど、辛いことはないからな 」
「 フン、いいぞ。もっとやれ 」
「 三成・・・悪口はもっと控えめに、だ。聞こえないように言うのが、陰口の極意だぞ 」
「 何の極意だ!!・・・・・・あ・・・す、す・・・ 」
「 すまんな、ほんと、以後は気をつけるからな。ちなみにここで潔く謝るのも、好かれる極意だ 」
「 ・・・き、っ・・・貴様・・・ッッ!! 」
「 それで?二日酔いはどの程度だ?身体も起こせぬ程なら、対策が必要だな。
どれ、南蛮から届いたばかりの『 ぐれいぷふるうつ 』という果物がある。
この果汁が二日酔いにいいと聞いたからな、今絞りたてを持って来よう。ちょっと待ってろ 」
「 彼女がこれだけ酷く苦しんでいるのに、得体の知らないものを飲ませて更に苦しめる気か!
貢物の中に、西から届いた蜜柑があったはずだ。すぐに私が絞って飲ませてやるぞ! 」
「 なあ三成、すぐにそうやって対抗するのは、お前の悪い癖だぞ 」
「 貴様が彼女のことも考えず行動するからだッ!俺が、俺こそが彼女のために・・・あ、ッ!? 」
「 ・・・・・・あーあ・・・とうとう泣き出してしまったぞ、三成 」
「 私のせいだと言うのかッ!?・・・すっ、す、すまない・・・な、泣かないでくれ。
お前が泣くと、私も・・・何故か、辛い。私はその涙を拭う術を知らぬのだ・・・ 」
「 うーん・・・そうか。頭にガンガン響いたんだな、三成の声が。そうかそうか、辛かったな。
止められなかったわしが悪い。責めるのならば三成ではなく、このわしを恨んでくれてもいいぞ 」
「 ・・・家、康・・・貴様ぁぁああ!! 」
「 よぉっし、待っていろ!!今すぐにこの熱き拳で『 ぐれいぷふるうつ 』を絞ってくる!!
それを飲めばたちまちに治る!そして・・・俺と、結婚してくれ!! 」
「 貴様はどうしてそう脈絡のない台詞が吐けるのだ、家康ぅうう!!跪け、斬滅するッッ!! 」
「 はっはっは!それじゃあ待ってろ!愛してるぞ!! 」
「 待てッ・・・お、の、れぇぇえええ!!!家康ゥウウウッ!! 」
添寝朝話
( 「「 ・・・で、実のところ、お前はどちらが好きなのだ?? 」」 )
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