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「 幸せそうね 」
 
 え、そう??と、彼女は微笑む。
 ほんのりと染まった頬が、幸福度を示す。
 照れたように口元を緩めて、銀のスプーンでアイスを掬った。
 
 
 「 んんーっ!!ジェリーさんのアイスクリーム絶品ーっっ 」
 
 
 きゅ、と瞳を閉じて、手足をバタつかせる。
 ・・・そんな少し子供っぽいトコロも可愛いんだ、と
 ついこの間、告白されたらしい。
 ずっとずっと、それこそ初めて逢った時から
 彼女もその相手に思いを寄せていて。
 同行した任務の帰り道、彼からの思わぬ告白に
 AKUMAと対峙するよりビックリした!!・・・らしい(彼女談)
 
 
 二人はいわば、晴れて両想い。
 親友としては・・・大いに喜ぶべきコトなんだけれど・・・
 
 
 私は、彼女に見えないようこっそりと溜息を吐く。
 彼女の笑顔を見るのは嬉しい。
 ハニかんだ顔なんて、簡単には見られないと思うし。
 何より、誰よりも、世界で一番幸せそうだから。
 
 
 
 
 
 
 けれど
 
 
 
 
 
 
 彼女の瞳に映るのは、私じゃない
 彼女の瞳が映すのは、想い人の姿
 
 
 誰よりも幸せになって欲しいのに
 誰よりも彼女を愛しているのに
 誰よりも彼女を欲しているのに
 
 
 ・・・こんな想い
 迷惑になるだけだって・・・わかってるのに
 捨てられない、私は、とても弱いオンナだわ・・・
 
 
 
 
 
 
 「 ね、リナリー 」
 「 ・・・なぁ、に? 」
 
 
 無理矢理作った笑顔は、ぎこちなくなかっただろうか。
 スプーンで掬った、ひとくち分のアイスクリーム。
 顔を上げた私の口に、彼女はひょいっと差し込んだ。
 甘い、甘い、口の中でとろけて広がる彼女の優しさ。
 
 
 「 オトコの人なら彼が一番好きだけど、
 それでもやっぱりリナリーが一番大好きよ!! 」
 
 
 だって、二人で大好きなものを分け合えるもの。
 と、笑った彼女に・・・・・・私はどんな表情をすればいい?
 
 
 
 
 
 
 ・・・いいの?このまま、傍にいても
 
 
 
 
 
 
 嬉し涙さえ込み上げてきた私は、こっそり神様に君の幸せをお願いする
 
 
 
 
 
 
 
01:アイスのように
 
 溶けてしまいたかった
 
 
 chirpyより
 
 
 
 
 
 
 拍手、有難うございました。
 
 
 
 
 
 
 
 
 01 アイスのように溶けてしまいたかった
  02 赤い糸の上はわたれない
 03 生まれ変わって裸足で跳んで
  04 芽生えた心は浮かんで消えて
  05 君の毒に虜になって
 
 
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