朝陽が昇る前に、自然と目が醒める。




それは習慣であって、苦にはならない。
どんな真冬でも、一日の始まりは鍛錬をするのが日課だ。


・・・・・・なのに、どうしてだろう・・・・・・
今日は・・・やた、ら・・・布団が温かくて、目覚めに、く・・・


「 ・・・ん、んー・・・ 」










超 高 速 ☆ 覚 醒 ! !










「 ふあぁ、ぁあ・・・あ、おはよ〜、神田 」
「 な・・・何、し、てん、だっ!?おま・・・!! 」
「 何って・・・寝てたの 」


池の鯉か金魚のように、俺も酸素を求めてパクパク口を動かす。
衣擦れの音をさせて、ベッドの中から這い出してきた彼女。
えへへ、と未だ寝ぼけた様子で微笑った姿を、改めて見てみれば
薄地のTシャツに、し、下着なのか洋服なのか、オトコの俺には
見当もつかない( ラビの野郎なら詳しいのかも )ショートパンツ。


「 任務から帰ったばかりで、疲れちゃってさー・・・ 」
「 じ、じじ自分の部屋で寝れば、いいだろうがっっ!! 」
「 やー・・・辿り着く前に、神田の部屋が見えたから・・・つい 」


何の『つい』だ、何の!!!( 天然にも程がある )
・・・と・・・にかく!この場を逃げなければ!!
回れ右!で、ベッドを出ようとした俺の腰に、慌てて彼女がしがみつく。


「 は、はな、・・・っ、離せ、馬鹿っっっ!!! 」
「 神田〜っ!ごめん、怒らないでよー!! 」


怒っていると思ったのか( いや怒っているけれど )
謝罪の言葉を、手当たり次第に並べる彼女。


「 ちょ・・・、っ! 」


それはわかったから、もう充分わかったからっ!
俺が耐えられないのは、腰にしがみついた彼女の・・・
む、むむむムネ、が、おお俺の腰下の部分、にぃっ!
・・・あ、朝は、マズイんだ、よ・・・っっ!!( 習性上とはいえ )


「 神田ぁ・・・ちゃんと謝るから、コッチ見て! 」


つ、と長い指が、俺の両頬に添えられる。
情けないほど悲しい顔をした彼女が、俺を見上げる。


「 ごめんね、神田 」


上気した頬。潤んだ瞳。濡れた唇。息の上がった白い喉元。
どれもこれもが、俺の理性を刺激して・・・・・・。
柔らかそうな胸の谷間に挟まれたものを見て、目を覆いたくなる。
( こういうのに疎い彼女は、全く気付いていない様子だとしても )
これじゃ・・・何だか、謝らなきゃいけないのは、俺の方みたいだ。






・・・だな。先に謝っておくか






「 ・・・俺の方こそ、悪いな 」


意地の悪い笑いが零れたのを、自覚する。


「 かん、・・・ぅ、んんっ!? 」


胸を撫で下ろした彼女の唇を、荒々しく奪う。
目を丸くし、頬を朱色に染め( 器用な奴 )共にベッドへ逆戻り。












わからないなら、教えてやるよ




お前の身体に染み付くまで、それこそずっと・・・
後悔したって、もう遅い。火をつけたのは、お前自身なんだから












・・・覚悟、しとけよ?






02:俺だって男なんだよ



( オトコはいつだって腹を減らせたオオカミだってことを )

1141より



拍手、有難うございました。


01 一人前に恋してる 02 俺だって男なんだよ 03 こども扱いのキスはやめて

04 早くおとなになりたい 05 俺を予約してみない?