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「 ラビ!ねぇ、貴方、ラビでしょっ!? 」
 
 
 
 俺の背中に向かってかけられたと思われる、少し甲高い声。
 反射的に、それが少女級(クラス)のものだと判断した俺は
 大した期待も込めずに( とりあえず )振り向く。
 ( 嫌でもそう判断してしまうのは、オトコの性だと思っている )
 
 
 タタ、と嬉しそうに走ってくるのは・・・あれ、コイツ・・・
 
 
 「 久しぶりね 」
 「 ・・・お、おう!久しぶりさ!! 」
 
 
 最後に逢ったのは、3年前。教団の廊下で。
 あの頃と変わらないのは、幼いと思われた声だけで
 黒い団服のラインは、年頃のオンナのそれだった。
 
 
 「 任務途中?私はちょーど終えて、今からホームに帰るところなんだ 」
 
 
 彼女は口元に手を添えて、嬉しそうにうふふ、と微笑んだ。
 洗練された笑顔に、昔の面影が徐々に折り重なる。
 
 
 「 ・・・ラビ?? 」
 「 え、あ!そうなんさ!いいなー、俺も早く帰りたいなー 」
 
 
 
 
 
 
 あ・・・危う、く・・・・・・見惚れるところだったさーっっっ!!
 
 
 
 
 オンナノコの成長は早い、というけれど、目の当たりにしたのは初めてさ
 ・・・ああ、どうしよう。思いっきり抱き締めたい
 
 
 
 
 
 
 きょとん、とした彼女とは逆に、顔が赤くなっている( であろう )俺。
 ・・・( 実は )只でさえ・・・立っているのが、やっとなのに
 何かをひらめいたような表情(かお)の彼女が、俺の前に立ちはだかる!
 
 
 「 昔、ラビがしてくれたおまじないを、今返すわ 」
 「 へ!? 」
 「 3年間、効き目はバッチリ☆だった。有難う 」
 
 
 俺・・・なんか( 悪いこと )したっけ・・・っ!?
 少しだけ意地悪そうな顔をした彼女の顔が、近づく・・・。
 
 
 
 
 
 
 
 
 ちゅ
 
 
 
 
 
 
 
 
 「 んなーぁぁぁぁっっっ!!! 」
 
 悲鳴にも似た歓喜の声が( いや、でも悲鳴だったかも )街に響く。
 柔らかい刺激を受けた右の頬を、両手で押さえる。
 左頬だったら、キスする時の彼女の表情(かお)が見れたのかも・・・と思うと
 心底悔しい!右頬が憎い!!・・・って、そうじゃなくって、俺!!
 
 
 「 それじゃあ、また教団でねーっ! 」
 
 
 大きく手を振って、やって来た時と同じように軽やかに去っていく。
 取り残された俺は・・・ただ、呆然。
 叫声に飛んできた探索部隊の視線なんか、全然気にならない。
 
 
 3年前。教団の廊下で。
 
 
 死地に赴く彼女に捧げた『おまじない』が・・・
 まさか、こんなカタチで返って来るなんて!!!
 頭を抱えてしゃがみ込んだ俺を、心配そうに探索部隊が見守っている。
 
 
 
 
 「 ・・・やば 」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 ・・・悪リィけれど、もう少しだけほっといてくれ
 
 
 立ち直ったら・・・この動揺から、立ち直ったら
 急いでAKUMAを叩いて、任務を終わらせて( そりゃもー高速で☆ )
 ホームでにいる( ハズの )彼女ともう一度・・・
 
 
 
 
 『 再会 』のシーンからやり直すんさっ!!
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 そして、今度こそ
 
 
 
 
 
 
 
 
03:こども扱いのキスはやめて
 
 
 ( 俺が欲しいのは、オトナになった君の証 )
 
 1141より
 
 拍手、有難うございました。
 
 
 01 一人前に恋してる 02 俺だって男なんだよ 03 こども扱いのキスはやめて
 
 04 早くおとなになりたい 05 俺を予約してみない?
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