俺は、ラビ。


 黒の教団のエクソシストとして、次期ブックマンとして。
 日夜、AKUMAに立ち向かうナイスガーイ☆さっ!!
 チャームポイントはタレ目だけど、右目だけ眼帯に覆われている。
 これは『 チラリズム 』ってヤツで、見えそーで見えない、
 そのヤキモキさが、乙女のはぁとをくすぐるんさ・・・ってぇ!!!


 コムイー、なんかこの原稿おかしくね!?何、言わせるんさ!










「 神田ってさぁ・・・いいよねぇ 」






 事件は、ちょっと遅めの昼食をとる為に3人で寄った、人の少ない食堂で起きた。






 唐突な台詞に、思わずスプーンが手から落ちた。
 床へとダイブしたスプーンは、食堂にけたたましい音を響かせる。
 周りに謝りながら拾い、席に戻ると、改めて彼女と向き合う。


「 ・・・今、何て? 」
「 だから、神田ってそそるよねって言ったの 」
「 台詞がさっきと違うさ 」
「 わかってんなら、聞き返さないでよね 」


 ・・・いや、そういう話じゃないだろ・・・。
 これはジョークなんか?笑うところなんさ??
 俺は一人、冷や汗かいてんのに、彼女はにっこりと隣のユウへと熱視線を向ける。
 当の本人は涼しい顔で、相変わらずヌードルを、ちゅるるるんっ、とすすっていた。
 ( これだけ猛烈なアピールを受けても、顔が変わらないってのがスゲェ・・・ )


 ふいに、ユウが箸を合わせた。


「 ・・・阿呆らしい、俺は部屋に戻る 」
「 待ってよー、神田!!アタシも行くっ 」
「 おま、部屋まで押しかける気なんさっ!? 」
「 だって、さすがに食堂じゃ襲えないしさ 」
「 おおお襲う!? 」
「 そ、えっちなことするのー 」


 両手で赤くなった頬を包んで、ニッコリ微笑んだ。
 ( 照れるくらいなら、あからさまに言うなっての! )
 対称的に俺は青くなっていて、食堂を出ようとしている彼女を引き止める。


「 ちょ、待つさっ! 」


 マッハで食器を返却口に戻し、マッハで彼女を追う!
 ユウの奴は、とっくに廊下から姿が消えていて( ・・・逃げた? )
 俺の視界から、彼と同じように消えてしまいそうだった彼女の肩を、掴んだ。
 走ってた勢いに任せて手をかけたから、セーブも効かない。






「 きゃ・・・っ!? 」






 鞘に納まる刀のように、すっぽりとその身体が俺の胸ん中に飛び込んできた。
 ふわりと香った彼女の甘い匂いに・・・あ、やっぱ駄目だ、って思ったんさ。
 くうーっ、俺はユウより、こっちの方がそそるっての!!( 当然だけど )













 片想いだとわかってても・・・この気持ちに、逆らえそうにない
 ( それは、とってもとっても!悔しいけれど!! )






 目の前の泥棒ごと、俺を蝕む熱をきつく抱き締めた













03: 「大変です!俺のハートが



盗まれました!」



( このキスが、恋の始まりになりますように )

嗚呼-argh






拍手、有難うございました。






  01 「いい加減気づけ!愛してるよ!」   02 「これに触っていいのは俺だけだ!」
  03 「大変です!俺のハートが盗まれました!」