半兵衛と、今夜はゆっくり語り合いたいの!
と、鼻息を荒くしていたのは彼女の方なのに。
眠りの海へと沈みそうな泥舟に乗っているのは・・・本人のほうだ。
落ちてしまいそうな瞼に、僕は見兼ねて声をかける。
「 もういいから、寝なよ 」
「 う・・・や、やだ。もうちょっと、起きてたいんだもん・・・ 」
「 往生際の悪いお嬢さんだ 」
眠たいのなら、寝てしまえばいいのに。どうしてそんなに意地を張るんだか。
わざとらしく・・・大きな溜め息を吐けば。
眠気に機嫌の悪くなっている彼女が、むっとした表情で僕を睨む。
その睨んだ顔を無理矢理引き寄せて、自分の左腕にとん、と乗せてやった。
腕枕の上で、彼女は少し身じろぎしたが・・・眠気が急に襲ってきたのだろう。
あっという間におとなしくなって、またがく、ん・・・と頭が揺れた。
「 ・・・はん、べ・・・ 」
「 ここにいるよ。抱いていてあげるから、今夜は休むこと 」
「 うん・・・あの、ね・・・・・・ 」
頷くことも億劫なのか。眠りの淵にある彼女の双眸は、もう固く閉ざされている。
それでもなお、紡ごうとしている言葉は、きっとどうしても『 伝えたいこと 』なのだろう。
少し強めに抱き寄せて、彼女の唇を自分の耳元に寄せる。
・・・そして・・・。
「 好き 」
耳たぶに感じた吐息。ふ・・・と彼女の笑う気配がして・・・。
同時に、左腕に体重がかかる。胸の中の彼女が、堕ちるように眠りについた。
しばらく呆気にとられていたが・・・。
起こさないように、細心の注意を払いながら。眠っている彼女の表情を覗き込む。
「 ( 天使のようだ、とは・・・まさに、このことかもしれないな ) 」
静かで、穏やかな寝息。
少しだけ微笑んだまま、満足そうに眠っているのは、彼女が幸せな毎日を送っているからだろうか。
「 ( ・・・そうだといいな ) 」
幸せであれば良い、と願わずにいられない。
彼女が、僕と結婚したことを『 幸せ 』だと思ってくれていますように。
2人で過ごす『 毎日 』が、君にとって光に満ち足りたものでありますように。
ベッドサイドに置いてある感知機能搭載のランプに触れれば、ふ、と灯りが弱まって、消えた。
・・・だんだん、目が暗闇に慣れてくる。
彼女の柔らかい頬を撫でてやれば、くすぐったそうに寄ってきて。
僕の胸元をきゅ、と軽く握って、嬉しそうに頬を寄せた。
願わずにいられないのは・・・僕自身の『 幸せ 』も、だ。
幸せそうな君を見て、僕も幸せになれる。
魔法のような、相乗効果。手をつないでいれば・・・僕は、空をも飛べそうな気分なんだ。
だから、君の傍にいさせて。ずっと君の手をつないでいても、いいかな。
幸せな君の傍で・・・僕も『 幸せ 』になりたいんだ。
胸元を握ったままの手を握り返して、そっと額にキスを落とす。
愛に震える心を落ち着かせるように・・・僕は、一度深呼吸を繰り返してから
溶け合う2人の温度に・・・心地良い、眠りを迎えた
エンドレス・ラヴストーリー
05.Night( 竹中半兵衛 )
( 半兵衛くん・・・ずっと隣にいてくれる? )
( それは僕のせりふだよ。君こそ、永遠に僕の隣で・・・微笑んでいてくれるかい? )
泪と砂糖水
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01.Morning( 真田幸村 )02.Daytime( 伊達政宗 )03.Afternoon( 前田慶次 )
04.Evening( 猿飛佐助 )05.Night( 竹中半兵衛 )
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10.Midnight( ? )
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