寒くなってきたな・・・肩、冷やすぞ。
こっちへおいで。ほら・・・うん、やっぱり冷たくなっている。
ちゃんと肩まで毛布をかけてくれ。でないと、私が心配で眠れないよ。






貴女を抱いて眠るなんて、すごく久しぶりだな。
今回の戦は場所も成都から離れていたし、何より長期間だった。
劉備殿や馬超をはじめ、蜀の兵士は勇敢に戦ったが、陥落させるまでに時間が必要な戦だったんだ。
五虎将軍の一人としてよく活躍してくれた、とお褒めの言葉をいただいたよ。有難いことだな。


でも・・・そのおかげで、貴女には寂しい思いをさせたね、すまなかった・・・いや、私が謝りたいんだ。
私のせいでなくても、貴女に家を任せきりにしたのは事実だ。
だから、ごめん・・・なあ、大丈夫だと言ってくれるのも嬉しいけれど。
寂しかったなら、寂しかったんだと、私にぶつけてもいいんだよ?


・・・うん、そうだね。一人にして、すまない。愛してる。
どんなに戦に出ても、帰る場所は貴女の居る場所だから。それを忘れないで。






戦の間も、貴女のことを思い出したよ。
本当のことだ。といっても・・・さすがに戦闘中は無理だから、夜営の時だけど。
今、こうして貴女は私の右腕を枕にして、いつも寝ているだろう?
だからかな・・・思い出した途端、腕の軽さにとても切ない気分になった。
早く逢いたい、早く逢って・・・こうして貴女をかき抱きたいと、そればかり想っていた。






ねえ・・・口づけても、いいか?






・・・・・・やっぱり、いつ吸っても貴女の唇は甘いな。
うん、酔ってるよ。でもそれは、もうずっと前からだ。貴女に出逢った、あの瞬間から。














私も戦から帰って来たばかりだし、貴女も疲れているのは承知の上だけど。


優しい夜には、してやれない。だから、先に謝っておくとしよう。














今夜は私のために・・・夜通し、啼いてはくれまいか。














添寝夜話



( その美しく、愛らしい声音を、小夜啼鳥のように響かせてくれ )

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10.?( secret )