・・・・・・おや、ようやくお目覚めですか。


おはようございます、眠り姫・・・なんて、言うと思ったら大間違いですよ。
さっさと起きなさい!いつまで呆けているつもりですか!?






・・・はあ、本当に貴女という人は・・・油断しているから、そうやって牀榻から転げ落ちるんですよ。
全く・・・ほら、手くらいは貸してやりましょう。立てますか?
もっと肝が据わっているかと思ったのに、このくらいの檄で驚くのなんてまだまだですね。
戦場に出た時に困りますよ・・・・・・えっ、戦場にはさすがに出ない??
確かに・・・『 今 』は必要ありませんが。
女性である貴女が必要になる『 策 』を発動することも、あるかもしれませんよ。


そうですね・・・例えば、こんなのはどうでしょう。
この陸伯言が、夢中になっているという噂の貴女を、とうとう戦場にまで連れて来た。
昼も夜も忘れて貴女に酔いしれ、戦を蔑ろにしているとします。
見兼ねた味方の一人を敵中へと走らせれば、敵方は油断するかもしれませんよね。


ただ、それは貴女が『 策 』に見合うだけの美姫であることが前提ですので。
『 今 』は必要ない、というか無理な・・・いたッ、折角手を貸したのに抓るのは卑怯です!






・・・まあ・・・恋人でもない貴女に『 上官 』として行き過ぎた行為をした、ということは謝ります。


貴女に・・・こんなことを言っても仕方ないのですが、昨夜は自分でも驚くくらい眠れましたよ。
仮眠をとっても、寝つきが悪いことが多いのですが・・・貴女の傍で眠るのは、心地良かった。
抱き締めた身体から伝わる鼓動と貴女の呼吸が、信じられないほど心を落ち着かせてくれました。
匂い立つ芳しい香に魂が震え、そのまま心地良い眠りの世界へと導かれたような気がします。
どんな女性相手でも、こんなこと今までなかったから・・・起きた時、本当は酷く動揺しました。


だからでしょうか・・・昨夜が『 夢 』だと言われても、納得してしまいそうな自分が居ます。


・・・ふふっ、そんな複雑な表情、しないでください。
言ったでしょう、私は『 部下 』には手を出しません、ってね。






『 貴女 』という個人を尊重し、大切にしたいと心底思っている証拠・・・なんです。






さ、奥で顔を洗ってきてください。
眠気を追い払ったら、朝から山積みになっている竹簡の整理をお願いします。


・・・っと、その前に厨房で何か摘めるものを貰ってきてください、ええ、私の分も。














目が覚めたらいっぱい働いてもらう、と言いましたが。
『 夢 』が『 幻 』と錯覚する前に、共に過ごして確かめたい・・・『 気持ち 』があります。






だから少しの間でいい・・・もう少しだけ、貴女の隣に居させてはくれませんか。














添寝朝話



( この気持ちを形にするには、もう一寸だけ時間が必要なんです )

拍手、有難うございました。貴方の拍手が、私の元気の源です。

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