んー・・・あー・・・・・・いい風呂だった・・・。






なあ、風呂に入れるってすごく贅沢なことだと思わないか？
『　水　』が豊富にあるからこそ、出来る行為だと思うんだよな。
水は、飲めば身体の中から、身体を浸せば外側から癒してくれるんだ。
贅沢なことだなと思う。だから、その有り難さを忘れてはいけないな。






・・・、お前、それはひょっとして仕事か？自宅にまで持ち込まないと終わらないのか？
今夜だって随分遅かったじゃねえかよ・・・心配したんだぜ、内心、さ。
・・・フッ、礼はいらない。その分、今夜啼かせ・・・・・・はっ！？まだ寝、ないのか！？
独りで寝ろなんて、一緒に住んでるのにそりゃねえだろ！？
同棲する意味のひとつとして、無差別な触れ合いが・・・い、痛、わか、わかった、よ。
まったく照れるなよ、今さ・・・っ、だから叩くなっつーの！！


ふう・・・仕方ねえ、じゃあ頼みがある。
せめて寝かしつけてくれ。が隣にいないと、正直眠れねえんだ・・・。
・・・うっ、わかった。触れるのは我慢、する・・・出来るだけ。


あのなあ、お前はそう言うけど俺だって辛いんだぜ？
好きな相手を目の前にして、襲わないようにするのって、すごく、な。
言っておくが、これは男としての本能そのものだ！
だが俺はお前が好きだから。お前のために我慢するんだ。
３０分とはいわない、１５分、いや１０分でいいから、傍にいてくれ。


・・・ああ、サンキュ。手、握っててくれるのか？
温かいな・・・お前の温度、好きだ。が傍にいてくれていることを、より強く感じられるから。






今日は、どんなことがあったんだ？いや、仕事なのはわかってるけどさ。
そうだな・・・じゃあ『　いいこと　』はあったか？ひとつでいい、なんでも構わないから。
ふうん、ランチのデザートが美味しかったのか。何だったんだ？
抹茶ロールケーキか。確かにお前がすきそうなデザートだな。
がそこまで美味しいというなら、俺も食べてみたい気はする。
・・・そうだな。今度、一緒に寄ってみようか。デートの途中にでもな。


ん、どうした？・・・何で、そんなことを聞くのかって？？
一日にひとつでも『　いいこと　』があると『　今日も頑張ってよかった　』って気になるだろう。


だから、だよ。『　いいこと　』が積もれば、自分の中に余裕が生まれて、心は豊かになる。
心が豊かになれば、いつも見ている風景に色が足されて、世界が鮮やかに見えてくる。
自分を追い込んだって、何も得になることは無い。
物の見方一つで、人生観ってなやつは変わるんだ。
どうせ『　生きる　』なら、彩りある道のりの方が楽しいだろ。


・・・・・・俺？


俺は・・・今こうして、お前といる時間が一番幸せだ。
と一緒に過ごし始めて、日々、少しずつ見える景色が変わっているぜ。
逆に聞くが、お前は違うのか？・・・違わないだろ。
今日のお前は『　いいこと　』が２つあったんだな。デザートと、俺。
俺も２つ。デザート情報と、お前、だ。
と一緒に過ごしている、この幸せな時間を共有できることこそ、俺にとって最高の『　いいこと　』だから。
ふっ、何だよ。だから照れるなって・・・照れたって、俺には余計可愛く見えるだけだぜ？






ふ、あ・・・・・・ああ、欠伸が出てきた。
今なら寝れるかもしれねえな。しばらく、目を瞑ってみるか。


・・・やっぱり、仕事してからじゃないと眠れねえのか・・・？
い、いや、寂しいとかそういうんじゃ・・・違う！違うって言ってるだろうが・・・はあ。
一緒寝れたらいいなと思っただけだ。女々しいとお前は笑うかもしれないがな。
え・・・ああ、笑わないか。フッ、ありがとうよ。


そういうが・・・俺は、好きなんだって、今、改めて実感してる。






なあ・・・さっきさ、水の話をしたろ？






水は身体の中も外も満たしてくれるが・・・心という見えない部分を満たしてくれるのは、お前だよ。
不器用で、人一倍照れ屋で、頑固な部分もあるが、お前以上に頑張ってる奴を俺は見たことがない。
だからこそ愛してる。という存在を。お前の頑張る姿が、俺に活力をくれるんだ。


仕事が終わったら、また手を握って眠ってくれるか？夢の中でも、逢えるようにさ。
ああ、約束。約束な・・・。












・・・・・・ん、眠く、なって、きた・・・。




ああ、このまま寝る、かな・・・・・・おやす、み・・・・・・。

添寝夜話



（　夢の中でも、ずっとずっと一緒にいたい。それは愛する貴女だから、こそ　）