堕ちた味は甘く それを見た瞬間、露伴は思わず目を疑った。 まだ中学生だと言われてもおかしくはない、幼さの残る顔立ちと痩せた身体。そんな少年の股間でそそり立っている性器は、外見の雰囲気からは想像できないほど逞しく、 大きかった。素肌に制服のシャツを羽織っただけの露伴を目の前にして、赤黒い亀頭からは透明な粘液があふれ出している。浮き出している血管のせいで、余計に生々しく見えた。 「こいつ、岸辺のことが好きなんだってさ。いつもお前をネタにしてオナってるらしいぜ」 顔を真っ赤にして俯いている少年の背後で、露伴の同級生達がにやにやと笑っている。 数十分前まで露伴は彼らに輪姦されていた。原稿の締め切りが近いので早めに帰宅しようとしたところで捕まり、この体育倉庫に連れて行かれたのだ。薄汚れた分厚いマットの上で、 勃起した性器を次々に挿入され、数人分の精液を直腸に注ぎ込まれてしまった。 最初は激しく抵抗していたが、大切なスケッチブックにまで射精された途端に完全に心が折れた。 心を込めた絵が精液にまみれ、汚れた性器を擦りつけられる残酷な光景に、露伴は言葉も出なかった。人前で涙を流したくないというプライドも、あっけなく崩れそうだった。 もし自分がもっと歳を重ねた大人なら、ここまで傷付くことはなかっただろうか。しかし自分で描いたものへの思い入れの強さは、何歳になっても変わらないものだと思う。 拡げられた穴から精液をこぼしながらぐったりとしていた露伴の前に、いつの間にか立っていたのがこの少年だ。下着まで脱いで、全裸になっている。 「おれ、岸辺君の隣のクラスの……って言っても分からないよね。話もしたことないし。でもずっと気になってたんだ、君が雑誌で連載持ってる漫画家だからじゃない、 ひとりの人間として、本気で好きなんだ」 恥ずかしくなるほど真剣な告白に、周りの同級生達は大げさに冷やかす。汗や体液で濡れたマットからようやく身を起こした太腿の奥に、こちらを見下ろしている少年の 視線をはっきりと感じる。先ほどまで、絶え間なく同級生達の性器を受け入れていた部分に。 「でも岸辺君はセックスの経験豊富で、おれなんかのじゃ物足りなくてイケないだろうって聞いて」 覚えのない話を聞かされて、露伴は呆然とした。経験豊富も何も、他人に身体を晒したのは今日が初めてだ。 「それで、この人達に勧められて手術を」 「……手術?」 「淫乱な岸辺がイキまくっておかしくなるくらいの、デカチンになるための手術だよ」 同級生のひとりが口を挟み、少年の性器と露伴を交互に眺める。混乱していて話が見えなかったが、しばらくして何となく分かってきた。露伴に惚れているというこの少年は、 嘘を吹きこまれた挙句に未成熟な身体の一部を醜い形に造り変えられた。しかも強引にではなく、自分の意思で踏み込んだのだ。 いくら好奇心旺盛な自分でも、そこにたどり着くまでの経緯を聞いてしまうとただ苦しいだけだった。お前は騙されているんだ、などと言えるはずがない。 こちらに近づいてきたふたりの同級生が露伴の両足を掴み、大きく開く。真正面にいる少年が目を見開いて息を飲んだ。不自然な改造をされた彼の性器は大きさも色も、大人しそうな 外見とは釣り合わないほどグロテスクだった。AVに出てきた黒人のものよりも、遥かにインパクトがある。割れ目からだらだらと流れる先走りは止まる気配がなかった。 また犯されるのか。危機を感じた露伴が後ずさりしようとしても、身体を押さえつけられているので上手くいかない。 「これもお前の大好きな漫画を描くための、いい経験になるんじゃねえの?」 「岸辺のために、こーんなに立派なブツになったのに未だに童貞って可哀想だろ? ちゃんと卒業させてやれよ」 少年が息を荒げながら露伴に覆い被さり、性器の形に開いたままの穴に亀頭を埋める。 今までの同級生達のとは比べ物にならないほど太いものの圧迫感に、露伴は口を半開きにして身体を震わせていた。裂けてしまうのではないかと、強烈な恐怖が襲ってくる。 「ごめんね、岸辺君……!」 少年は本当に余裕がないのか、焦らしもせずに根元まで一気に露伴を貫く。行為の直後なので拡がっていたものの、こちらは一回り以上も大きい。失神しそうなほど の痛みで、快感を得るどころではなかった。 「か、はっ……!」 「すごい、岸辺君の中きつくて気持ちいいよ!」 夢中で腰を振る少年の動きに合わせて揺さぶられている最中、彼の背後からビデオカメラがまわされていた。全身から血の気が引いていく。 「このビデオ、ジャンプの編集部に送ってやるからな」 「新人漫画家・岸辺露伴、巨根の童貞と熱いセックス一部始終! 面白れえー!」 「連載も打ち切られて、漫画描けなくなるかもな。ご愁傷様」 投げつけられる言葉に打ちのめされながらも、露伴はいつの間にか少年の性器が身体に馴染んできていることに気付いた。太い亀頭に腸壁を擦られていると、たまらなく気持ちいい。 「ねえ岸辺君、こんな大きいの入れられたことある?」 「こん、なの……はじめ、て……!」 涙を浮かべてうわ言のように答えると、近くの同級生が笑いながら「エロっ」と呟いた。周りを喜ばせるつもりはなかったが、今更どうしようもない。 露伴の中を犯す少年の性器に腸液が絡みつき、動くたびにぐちゅぐちゅと卑猥な音を立てる。感じていた苦痛が快感に変わり、突かれながら無意識に短く喘いでしまう。 更に刺激を求めて、露伴は自身の性器を握って扱く。それまで結合部をアップで映していたビデオカメラが、露伴の手元に向けられた。多分、濡れた音まで拾われている。 「そろそろ出すよ! 女の子じゃないからいいよね!」 「ぼくも……すごいの、くる、とまらなあ、っ……!」 露伴が腹の上に精液を散らした直後に、少年は腰を震わせながら射精した。この時のために何日も溜めていたのか、露伴の中で熱く大量の精液をどくどくと注ぎ込む。 射精が終わっても繋がったままで、少年は露伴から離れようとしない。まるで恋人のように肌を合わせて、露伴にくちづけてくる。ビデオカメラに撮られている状況も忘れて、 雰囲気に流されるままに舌を絡ませた。 「君とするの、気持ちいい」 「岸辺君……!?」 「今度はぼくが、上に乗ってあげる」 周りに聞こえないように囁くと、少年は再び頬を赤く染める。 自分にとって、何よりも大切なものの存在を忘れたわけではない。それでも今だけは、覚えたばかりのアナルセックスの快感と余韻に溺れていたかった。 |