誘惑のアンダー 「オレ、露伴の下の毛初めて見た」 「……おれもだ」 家を訪ねてきた仗助と承太郎に、露わになった下半身を凝視されている露伴は、密かに息を飲んだ。恐怖や恥ずかしさではなく、ふたりの視線に身体は明らかに感じ始めている。 まだ若かった頃、大胆な服装ばかりしていた露伴は常に身体の手入れを怠らなかった。アンダーヘアを始め、脇や脛などの無駄な毛は全て処理をして、体型を維持するために食事の量や質にも気を配り、もちろん身体を鍛えることも忘れていない。 しかし三十路を目の前にした現在、体型維持は続けているが服装が前より落ち着いたせいもあり、他の部分はともかくアンダーヘアの処理はいつの間にかしなくなっていた。 そして詳しい事情は省くが、仗助や承太郎とは昔からこうして3人でセックスを楽しむという爛れた関係で、簡単に言えばセフレだった。仗助はともかく、既婚者である承太郎に対しても重苦しい罪悪感などは一切存在しない。恋愛感情のかけらもない、遊びなのだから。 セックスをする時は3人揃った時、という決まりがあったため、同じ町で暮らしていた仗助に肌を見せるのもかなり久し振りだった。承太郎が約1年ぶりにアメリカから杜王町を訪れ、それを機会に再び遊ぶことになり、今に至る。 寝室にふたりを招き入れ、交互に深いキスをした後で1番先に服を全て脱がされたのは露伴だった。誰かが要求したわけではなく、自然な流れでそうなった。 「じろじろ見ないでくださいよ」 「いつから伸ばし始めたんだ?」 「さあ、いつだったか……もう剃らなくてもいいかなと」 承太郎との会話中に仗助の指が、露伴のアンダーヘアに触れる。オレのより柔らかい、という呟きの後で、承太郎も一緒にそこを愛撫し始めた。その指に露伴のアンダーヘアが絡まる様子を、ベッドに仰向けになりながら眺める。 深く息をついた仗助はジーンズの前を開け、下着から取り出した性器を扱きながら露伴の唇を奪う。舌を絡ませていると、仗助の手元からぬちぬちと濡れた音が聞こえてきた。 この状況で大人しくしているわけがない承太郎も性器を出し、露伴の両足を開かせると彼は勃起し始めている性器を露伴のアンダーヘアの部分に擦りつけてきた。未経験の感覚に最初は驚いたが、かすかに聞こえるぞりぞりという音と、承太郎の亀頭がはっきりと張り出していく経緯をそこで感じて、露伴も次第に興奮が高まっていた。 「あ、承太郎さん……ずるいっスよ」 「お前も楽しんでいるんだから、いいだろう」 「じゃあ、オレも気持ち良くさせてもらいますよ」 ベッドに乗り上げてきた仗助の、血管の浮いた太い性器が露伴の唇に押し付けられた。漏れている先走りを舌先で舐め取ると、昂ったらしい仗助は性器を喉奥までねじ込んでくる。突然の行為に息が詰まった露伴は眉根を寄せたが、久し振りに感じた欲望の味がたまらなかった。露伴の喉奥に向けて腰を前後させる仗助と、アンダーヘアに性器を擦りつけてくる承太郎。まるでふたりに、自慰の道具として扱われているようだ。それでも身体の関係でしかない相手なので、それでも悪い気はしない。とにかく皆で気持ち良く遊べれば充分だ。 やがて仗助が呻きと共に、露伴の口内で射精した。粘りのある濃い精液をたっぷりと吐き出され、露伴はそれを夢中で飲み干す。最後は亀頭を浅く咥え込み、残った精液を吸い取るのも忘れない。 承太郎が行為を中断した頃、露伴の性器も腹に付くほど反り返っていた。 「こっちはおれがもらってもいいな?」 そう言いながら、承太郎は指で露伴の尻の穴を丁寧に解していく。聞くまでもなく、すっかりその気になっているのが面白い。そんなところも昔と全然変わっていない。 「次はオレも入れますね」 「お前、出したばかりじゃねえのか」 「承太郎さんと露伴のエッチ見たら、またガチガチになると思うんで」 「好きにしろよ」 抜かれた指に代わり、待ち望んでいた太いものが埋め込まれた。解されたとはいえ、承太郎の性器は相変わらず逞しいので拡げられるとやはり苦痛を感じる。裂けてしまっても、仗助に治してもらえばいいと気楽に考えながら、身体を倒してきた承太郎の背中にしがみつく。腰に両足を絡ませ、奥へと貪欲に誘い込む。 「変わってねえな、先生は」 「淫乱って意味ですか?」 「まあな」 「別に、間違ってはいませんけど、ね……っ、あ!」 一旦腰を引いた承太郎が、勢いをつけて再び奥へと打ちこんできて露伴はびくっと喉を反らして喘いだ。 「うわ、やっぱり承太郎さんすげえ……」 そばで見ている仗助が、息を荒げながら再び自慰をしている。使い込まれた承太郎のも良いが、若さに溢れた仗助の性器も好きだ。23歳の彼のものはまだ初々しさが残っている。 先ほどの味を思い出し、露伴は仗助の下半身を眺めながら渇いた唇を舐めた。 「何だ、早く仗助とやりたいのか」 「今はまだ、承太郎さんのものですよ?」 「引っかかる言い方だな」 「ほら早く、動きが止まってますよ」 急かす露伴に舌打ちして、承太郎はじっくりと攻める動きを激しくした。絶え間なく襲ってくる衝撃に休まる暇もなく、露伴は揺さぶられながら女のように嬌声を上げた。 「なかに、だして」 「ああ」 承太郎の腰が震え、熱い塊が流れ込んでくる。中出しされる感覚が気持ち良くて、露伴も自身の腹に精を放った。 「露伴、ケツこっちに向けて」 準備ができたらしい仗助が、承太郎と入れ替わりでベッドに上がってきた。言われた通りに体勢を変えると、中に溜まっていた承太郎の精液が内腿を伝って流れ落ちていく。 まだ拡がったままの穴に仗助の性器が挿入され、露伴はぞくぞくと肩を震わせた。 「すんなり入っちまった……ぬるぬるしてる」 「承太郎さんのが、お前よりでかいからだよ」 「何、ちんこの大きさ比べてんの?」 「お前が承太郎さん以上に、ぼくを気持ち良くさせればいい話さ」 「言いやがったな」 背中に覆い被さってきた仗助が、露伴の胸の尖りを摘まみながら腰を強く打ちつけてきた。思わぬ刺激が重なって、身体を支えられない露伴はシーツに頬を埋める。承太郎と比べると動きはぎこちなく、緩急の付け方も考えていない。彼女ができたとしても、これでは満足させられるかどうか。 「仗助、お前が下になれ」 「えっ」 「ぼくが上に乗ってやる」 起き上がる露伴に従い、今度は仗助が仰向けになる。勃起したままの性器を掴んで、露伴は再びそれを自身に埋め込んだ。両膝をついて腰を上下させていると、仗助が情けない声で喘ぎ出す。征服欲も満たされ、更に快感が増す。 横に視線を動かすと、身支度を整えた承太郎が椅子に腰掛けてこちらの様子を平然と眺めている。少し前まで、露伴の上で腰を振って射精していた男が。今ではそんな出来事は無かったかのように。 「なあ露伴、もしかしてちょっと肉ついたんじゃねえ?」 そう指摘してきた仗助が露伴の腰まわりを撫でながら、そう呟いた。 「ついてな、い」 「いやいや、初めて会った頃と比べれば……あ、歳のせいか」 「うるさい! さっさといけよ!」 「う、ちょっ、そんなに締めたらオレ、もう」 容赦なく仗助の性器を腸壁で搾り取ると、あっけなく精が噴き上がってきた。まだ若いせいか、1度だけでは終わらずに何度も精液が押し出されて止まらない。 「やば、まだ出るっ……!」 「いつまで出してるんだ!」 がっちりと腰を掴まれているせいで逃げられず、露伴は信じられないほどの量の精液を奥で受け止めるしかなかった。 あれから数日が経ち、承太郎はアメリカに帰り、仗助とはたまに町で会ってもあまり深くは関わっていない。3人でするセックスは刺激が強すぎて、未だに余韻が冷めない。次はいつあの快感を味わえるか分からないのだ。 3人揃った時に限るというルールは、良いのか悪いのか。しかしそれを破ってどちらかとふたりきりでセックスしてしまうと、長年保たれてきたバランスが崩れて戻らなくなる。そう考えているのは、自分だけだろうか。 |