代償の続き リビングのソファから露伴を抱き上げて、承太郎が向かったのは浴室だった。乾いた固い床にうつ伏せにされた露伴の下半身から、汚れた下着とズボンが脱がされる。 聞かれたくなかった排泄音、見られたくなかった哀れで情けない姿。これらは全て、軽い気持ちで実行した悪戯への報いだ。ソファで蹲りながら必死で耐えたが限界が訪れ、下剤のせいで激しく、えげつない音を放ちながら排泄してしまった露伴を眺める承太郎は表情ひとつ変えなかったが、何故か股間は膨れ上がっていた。あの屈辱でしかない瞬間に興奮を覚えたのだろうか。とんでもなく歪んだ性癖だ。 空っぽの浴槽に脱がされた下着とズボンが放り込まれる。現実から逃れたくても、ごまかしようのない臭いがそれを阻んだ。 「ずいぶん勢い良く出していたな、溜まっていたのか」 「いやだ、聞きたくない」 「穴の中がきれいになって良かったじゃねえか」 そう言うと承太郎はシャワーの蛇口をひねり、きっとかなり汚れているはずの露伴の下半身を洗い流していく。気持ち悪さは薄らいだが、シャワーを手に取った承太郎の「臭えな」という短い呟きを耳にした時はこの場で死にたくなった。いっそ殺してくれと本気で思った。 かなり大雑把な動きでシャワーの水をかけられたせいで、服を着たままの上半身や髪まで濡れた。 「おれを陥れるつもりだったんだろう?」 「少し、困らせたかっただけです。軽い悪戯のつもりで」 「今、おれに言わなきゃならねえ台詞はそれじゃねえよな」 「……申し訳、ありません」 肩を掴まれた露伴が背後を向くと、視界に入ってきたのは承太郎が前を開いて出した陰茎だった。浮き出た血管が、生々しさを更に強いものにしている。太くて大きいそれに貫かれたらどうなるか想像してしまう。 お約束通り、これをしゃぶって出された精液を飲めば許されると思い込み実行しようとした直後、精液とは違う生温かい液体が髪や顔に注がれた。一瞬何が起きたのかと困惑したが、承太郎に放尿されたのだと理解した。しかし先ほどの出来事で心のどこかが壊れたらしい自分に、怒りの感情は生まれなかった。 「勃ってやがるな」 長い放尿を終えた承太郎の指摘で、露伴はいつの間にかこの状況に快感を覚えていることを知った。 決して美しいとはいえない経緯の中、自分の性癖まで歪んで戻らなくなっていた。 |