男の浪漫 やるからには中途半端なことはしたくないんで、と言った露伴がソファの上で自らスカートを捲ると、勃ち上がりかけている性器がやけに布地の面積が少ない下着で覆われていた。 しかも露伴のイメージとは真逆の、透けたレース混じりの白。 「見えない部分にも気を遣わないと、意味がないですからね」 「いつまで続ける気だ」 「さあ? 多分ぼくが飽きるまで」 今日、承太郎の部屋を訪れた露伴は久し振りに女装をしていた。自分の漫画に出てくる女性キャラの気持ちを理解するためという理由であり、趣味ではないらしい。 しかし心底楽しそうに女の格好をしている姿を見ていると、次第に趣味になってきているのではと思う。デパートの化粧品売り場にも躊躇なく立ち寄り、嬉々として商品を眺めている。 承太郎に比べるとかなり細いとはいえ、女にしては広い肩幅やごつい手、そして濃い化粧。一瞬視界に入るだけならまだしも、接近して眺めていると異様な雰囲気を嫌でも感じる。 それはこの状態の露伴と何度も会っているうちに慣れてしまい、今では新しい刺激のひとつとして抵抗なく欲情するようになってきた。 キスや愛撫を何度も繰り返したせいか、先走りが染み込んだ白い下着は股間部分が膨れ上がり、脱がされるのを待っているようにも見えた。 せっかく本人がこだわって穿いた女物の下着だ。簡単には解放せず、苦しそうな性器を布地越しに触れて上下に扱く。露伴が首を振ると人工の長い黒髪も激しく揺れ、眉を寄せて喘いだ。 露伴は焦らされているのが辛いのか、紐のように細い下着の両端を掴んで脱ごうとする。それを強引に遮ると、潤んだ目で睨まれた。 「早く脱ぎたい……苦しいんですよ、もう」 「だめだ、我慢しろ」 何で、と問いかけられてもそれを無視して、露伴の身体をソファにうつ伏せにする。そして引き締まった尻を高く上げさせ、布地部分を横にずらした。尻の谷間で濃く色づく窄まりが目前に現れ、中の熱い締め付けを思い出して密かに息を飲んだ。 学生の頃、適当に流し読みしていた漫画雑誌の中で、女の下着を脱がさずに挿入するというシチュエーションの話があった。当時は何が良いのか疑問だったが、今は女装した露伴を行為中も味わえる利点に気付く。それに、強引に犯している気分にもなり興奮する。 露伴が持参してきたローションの容器を開け、まだ閉じているそこに塗り込むと、髪を乱したままの露伴が背後の承太郎に不安そうな顔を向けてくる。 「少しでも脱いだらそこで終わりにするぜ、大人しくしてろ」 「……っ、う」 承太郎が中を指で探るたびに腰を揺らし、やがて下着の中に手を入れようとした露伴に言葉で釘を刺す。普段は挿入されながら自らの性器を扱くほど、快感に貪欲な露伴にはかなりきつい状況だと、こちらも充分に分かっている。 ズボンの前を開き、少し緩くなった窄まりに亀頭を沈めながら身体を前に倒した。思うままに腰を打ちつけ、大きく喘いで背を反らす露伴の胸元をまさぐると、両方に詰め物をしているらしく不自然な感覚があった。 「そこ、触っても感じないですよ……ね、え」 「どこがいい?」 「ずっと、下のほうを」 再び脱がさずに露伴の股間に触れると、小さな布地やレースはほとんどが汗か先走りか分からないもので湿り、限界まで勃起した性器の先端部分が下着から顔を出していた。 「服くらい脱ぎたかっ……あつ、い」 「女の格好のままやるつもりで来たんじゃねえのか」 「もう……げん、かい、激しいからっ……」 露伴よりも、腰を動かし続けているこちらのほうが何倍も汗をかいているのだが、今更脱ぐ気にはなれない。動きを止めて、露伴を休ませるのは面白くないからだ。それに自分から下着を見せて誘ってきたくせに、あれこれ文句を言われる筋合いはない。 尿道へ続く割れ目を指先で引っかいて刺激を与えた直後、更に強くなった締め付けに導かれるままに承太郎は露伴の中で精を吐き出した。 「ああ、じょうたろさんのこれ、すき……」 尻を突き出したままぐったりとした露伴の身体の下では、いつの間にか達したらしい彼の精液が散っていた。 女装しても中身は全く変わらない、そんな露伴を狂わせるのが楽しくてたまらなかった。 |