イラストの前後を勝手に想像した話 書いた人/ハシノ ↓ ↓ ↓ 誰も見ていない場所で密かにくちづけられ、まるで恋人のように抱き締められる。 仕事中は冷静を装っていたが、深夜に呼ばれて入った部屋でふたりきりになると何もかもがだめになった。 必死で理性を保ちながら、性的な奉仕は契約の中に入っていないと訴えた。しかし距離を詰めてくる主人の胸を押し返そうとする手には力が入らず、説得力に欠けたこちらの 訴えは聞き入れられなかった。 主人は少し拒まれたくらいで引く性格ではないので、このままでは確実に一線を越えてしまう。この仕事をしている限り、それだけは避けたかった。 「いいのか、このまま抱いても」 「どうせ逃がす気なんかないくせに……」 「ああ」 最悪だ、完全に開き直っている。この館には妻や娘も暮らしているのに、歳の離れた使用人に手を出しておいて罪悪感のかけらも見せない。薄暗い部屋で雰囲気に浸かっているうちに、逃げたい のか抱かれたいのか曖昧になってくる。 「あの香水、今日はつけてねえのか」 「さっきまで仕事してたんですよ」 主人が言った香水とは、休日に私用で町に出掛けた時につけて行ったもののことだ。仕事中には着ない、腹や肩を出した私服で館に戻った時、廊下ですれ違った主人は香水の匂いに気付いたらしい。 いつものお前と違う、と首筋に顔を埋められて動揺した。こうして少しずつ、露伴は主人に身も心も蝕まれていった。 堅苦しい黒い上着やシャツが乱されれば、使用人の自分もただの男になる。一生仕えていくと決めた主人の魅力に抗えず、必要以上に触れ合わないという決意もあっけなく崩れた。 ベッドに腰掛けた主人に背を向け、勃起した性器に腰を落としていく。すでに指で拡げられている窄まりが太い亀頭を飲みこんだ瞬間、今まで味わったことのない痛みに声を 上げてしまった。同性とのセックスはこれが初めてで、排泄器官でしかない穴で性器を受け入れた経験はなかったのだ。 最初は辛かったが、太い部分が過ぎてしまえば少し楽になった。背後では露伴の尻が性器を深く飲み込んでいるところを、主人が見ている。彼の妻子に対する罪悪感と、襲って くる快楽で気が狂いそうだ。 やがて根元まで受け入れると、露伴は主人の逞しい胸にもたれかかった。 「っ、あ、重くないですか?」 「いや、それより……きついな」 背後から聞こえる荒い息遣いに、こちらも興奮してしまう。この体位では顔が見えないのが残念だが、もっと乱れさせたくて露伴は自分から腰を動かした。普段は寡黙な主人 が、男の腸壁に性器を締め付けられて感じている。それだけでもう、たまらない。 「おい、無理するな」 「ん……は、あっ、きもちいい……」 「露伴……」 主人は熱っぽい声で名前を呼んだ後、露伴の左足を高く上げさせる。長い指が内腿に食い込み、それまでは受け身だった主人が急に積極的になったことに戸惑う反面、更に気分が高まってきた。 「おれも、応えてやらねえとな」 もう片方の手が露伴の性器を握り、強く扱き始める。敏感な部分を同時に攻められて、露伴は大きく喘ぎながら背を反らした。 「こんな、に、されたら……あっ!」 不安定な体勢で突き上げられながらも、主人の手の動きは止まらない。ベッドに片手をついて自らの身体を支え、背後の主人にかかる負担を少なくしようとする。 結合部に視線を落とすと、避妊具を使わずに直で繋がってしまっていることを今更実感した。中で射精されても孕む心配は全くないが、雇い主であり既婚者でもある男を相手に、 本当にこれで良かったのかという思いが胸を刺す。しかし、もう遅い。腸壁は主人の硬く太い性器に吸い付き、離そうとしない。 主人の動きが激しくなると、ベッドがきしむ音も大きくなる。部屋のドアに鍵はかかっているだろうか。この姿を主人の妻子に見られたら、解雇どころでは済まない。 「旦那様ぁ……」 とろけそうな意識の中でそう呟くと、露伴の中で主人の性器が脈打った。熱い塊が噴き上がり、粘膜に染み込んでいくかのような感覚に震える。 そして露伴も亀頭の割れ目を刺激され、性器を握られたまま射精した。額にうっすらと汗を浮かべた主人と顔を寄せ合いながら、罪深い行為の余韻に溺れた。 戻る |