やはり気分が盛り上がっていると、筆の進みが良い。僕はスケッチブックに鉛筆を走らせながら、今の状況を心の底から楽しんでいた。 「な、なあ……露伴」 苦しそうな声で名前を呼ばれて顔を上げた先では、仗助が目に涙を浮かべて僕を見つめていた。上半身はいつもの制服を着たままだが、下半身はズボンも下着も穿いていない。 両手を後ろで縛られ、足を大きく開いた格好で床に座っている仗助の股間では、もう限界とばかりに勃起した性器がびくびくと震えながらだらしなく先走りを垂れ流していた。 先ほど僕が、射精するかしないかというきわどいところまで、手で扱いたり吸って舐めてやったのだ。1秒でも早くイキたくておかしくなっているのだろう。 でもまだ、それは許さない。肝心のスケッチが終わるまでは。 「お前はうちに来るたびに好き放題しやがって。たまには僕の役に立ってもいいだろう」 「だからって、これはねえだろ……もうそろそろイカせてくれよ」 すがりつくような表情と、欲望丸出しの下半身のギャップが面白い。ますますじらしたくなる。 たとえ仗助が手の拘束を解いて逃げたとしても、僕の許し無しでは達することができないようにスタンドの力で書きこんである。 「どうせ、口では何と言っても頭の中では仕返しとばかりに、僕をめちゃくちゃに犯しまくる妄想でもしてるんじゃないのか」 「ち、違っ!」 「どうした、顔が赤いぜ」 そう言って僕が薄く笑みを浮かべると、仗助は涙目のまま僕を睨んでくる。ああ、やっぱり図星か。分かりやすい奴だ。 実は僕だって、仗助の勃起している性器を見て何も感じていないわけじゃない。仗助とこれまで何度もセックスをしてきて、その太さも硬さも受け入れるたびに僕は乱れた。 しかし、いくら欲しくても僕から求めるような恥ずかしい真似はしたくない。それは仗助の役目だ。僕に突っ込みたくて気持ち良くなりたくて、みっともなく泣きながら 縋ってくればいい。 「さて、スケッチも終わったし。これからどうしようかな」 仗助は僕の言葉に反応して、すぐに顔を上げる。スケッチブックと鉛筆をテーブルに置くと、みじめな姿を晒している仗助に歩み寄った。そして性器に触れ、少し力を入れて握る。 「っ、うあ……!」 「まだこんなに硬いな、それに熱い」 仗助の耳元に唇を寄せて、甘い声で囁く。先走りをあふれさせる亀頭の小さな穴を、指先でぐりぐりと抉って強く刺激を与えると、仗助は耐えられなかったようで声を上げて背を反らす。 「僕の中で、イキたいのか?」 「くぅ……っ」 「もしそうなら、ちゃんとお願いしてみろよ」 「っ……ろはんの、中でイキたいっ……」 獣のような熱い息や、欲に濡れた視線に僕は歪んだ悦びを感じた。普段は生意気な仗助が、こんな様子を見せることはめったにないからだ。 「素直に言えた、ご褒美をやるよ」 僕は立ち上がり、下半身を覆っているものを全て脱ぎ捨てた。このままでは僕が痛い目に遭うので、床に横たわると仗助と同じように足を開いて、指を唾液で充分に濡らしていく。 そんな僕の様子を、仗助は食い入るように見ている。これからやろうとしていることを、分かっているようだ。 仗助に見せつけながら、僕は濡らした指を少しずつ後ろの穴に沈めていった。気持ち良くなれる部分を探っているうちに、僕も仗助が欲しくて我慢できなくなってきた。仗助を じらして楽しんでいたはずなのに、これではまるで僕がじらされている気分になる。 「そんなとこ見せつけておいて、まだおあずけかよ……」 「う、るさい……黙って見てろ」 痛いくらいの視線を感じながら僕は、指の動きを更に激しくする。1本だけでは足りなくなってきて、挿入している指を更にもう1本増やした。中はすっかり解れて、今なら 仗助のものを受け入れても大丈夫だろう。指なんかよりも熱く、ずっと求めていた太くて硬い性器を。 理性が飛ばないうちに身を起こし、仗助の股間に腰を落としていく。僕の後ろの穴と仗助の亀頭が触れた途端、僕は身体を震わせながら仗助の両肩に指先を強く食い込ませた。 「露伴もすげえ、どろどろになってる。自分でいじって、こんなになっちまったのか」 「お前がいやらしい目で、僕を見るからだ……その分、楽しませてもらうからな」 自然に、引かれ合うようにかわしたくちづけと共に、僕は仗助の性器を根元まで飲み込んだ。そして仗助にかけたスタンドの力を解除する。 無意識のうちに仗助の広い背中にしがみついてしまったのが悔しかったので、もう射精できるようになった事実はしばらく黙っておくことにした。 |