きっかけなんて、そう。




本当に些細なこと。



































■ それは些細な
































今年も風邪が流行る季節です。
皆さん、うがい・手洗いは徹底しましょう。

〜四番隊広報誌より抜粋















「こんだけ周りが風邪引いてるのに、山田は引かないの?」

真っ先に流行りの風邪を引いたは、周りに伝染るからという理由でさっさと四番隊の救護詰所に隔離された。
それを聞いた花太郎は見舞いのりんごを持ってやって来た。

「あ、ハイ、ここ何年かは引いたことないです」
「ふーん、すごいな」
「そうですか?えへへ、ありがとうございます。あ、りんごむけましたよ」
「お、いつもすまないね〜」
つまようじに刺されたリンゴを受け取り、は横になったままシャリシャリと食べ始めた。
「いいえ〜、まだいっぱいありますから」




「ごちそーさま。・・・でもさ、あれだ」
食べ終わったは布団から腕を出し、正座する花太郎のヒザの上に軽く握った手の甲をトン、と置く。




「もしもさ、山田が倒れたときは私が看病するよ」





「・・・・」
の言葉に、花太郎はきょとんとした。

「ナニその当てにならないって顔は?」
「い、いや!そうじゃなくて・・・!引かないですよ!僕が風邪引いたら、さんの治療ができませんし!」

「・・・そう?でも・・・」

は、花太郎のひざに乗せていた手を上げ。




「くま」

その指を、花太郎の目の下に、添わせた。

「出来てる。・・私の、せいじゃないの?ソレ」

「いえ・・・!これは、いつも、こんなんで・・・!」
ばっと身を離す花太郎。

「・・・そう?」

「そうです!あの、水!入れ直してきます、ね!」




洗面器を持って、花太郎はそそくさとその場を後にした。







きっかけなんて。

本当に、些細なことなんです。





僕は。

その言葉が、嬉しかったんです。






いつからなんて、わからないけれど。




そのときはもう。










僕は、さんが好きだったんです。









彼女のことをなに一つ知らないくせに。

















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(05/12/08)