それから季節はいくつか巡り。
蝶が舞い、花咲く季節。
■ 花咲ける
尸魂界を揺るがす、大きな事件が起こった。
旅禍による、瀞霊廷侵入。
何者かによる、藍染隊長の殺害。
それらすべては。
朽木ルキアさん。
朽木隊長の妹君である彼女の処刑を、いや、彼女自身を巡る事件。
ぼくは、その事件に巻き込まれた。
いや、自分から首を突っ込んだようなものだけど。
そのとき知り合ったのが。
「あ、一護さん!」
「おっす、花太郎」
明るいオレンジ色の髪の一護さんは、死覇装を着ているけれど、現世の人間。
ルキアさんを助けるために、仲間と共に尸魂界にやってきた旅禍。
事件は一旦の終結を見せ、一護さんたちは傷を癒すため、今は四番隊の救護詰所を仮の宿舎として滞在している。
「おはようございます。よく眠れました?」
「オウ、まーな」
「怪我の具合はどうですか?」
「ああ、井上に治してもらったときにほぼ完治してたからな。今はもうなんともねーよ」
「そうですか、よかった。これからどこに?」
「一角に誘われて、十一番隊の道場にな」
「朝錬ですか・・・あれ?でも、じゃあ、どうしてここに?」
首を傾げる花太郎。
ここは、一護さんたちが滞在しているのとは違う詰所だ。
「ん?イヤなんか、さっきから歌が聴こえんだけど。どっからか」
「うた?」
「誰に聞いても聴こえねえって言うしよ?探してるうちにココに来ちまって。ここら辺から聴こえたんだけど・・・」
きょろ、とあたりを見渡す一護。
「ッ!!」
歌。
もしかして。
いやきっと、それは。
身を翻し、走る。
「オイ、花太郎!?」
その声に、振り向くことなく。
何もないはずの壁に両手をつけ、探る。
「・・・あった!」
目に見えぬ扉に手をかける。
万華鏡によって幻術がかけられたそこは、紛れもなく彼女が眠る部屋。
「さん!!」
部屋に飛び込む。
話したいことが、ぼくもあるんです。
たくさん、たくさん。
尸魂界を揺るがす、大きな事件が起こった。
それは尸魂界だけでなく、現世をも巻き込む大きな戦いの始まり。
たとえ、そうだとしても。
今は、ただ。
「・・・・ただいま、花太郎」
「おかえりなさい・・・・・・・さん」
目を覚ました貴方との約束を守る。
【終】
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(06/03/08)
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