たとえば、二人並んで座っていて。
他愛無い会話が、途切れて。
不意に目が合って。
そうすれば、言葉の代わりに交わされるのは。
【 鳥のように魚のように呼吸するように 】
こんなに自然に触れられる。
まるで、息をするように。
鼻をぶつけぬように角度をつけて。
ゆっくりと目を瞑って。
くちづけを交わす。
それでも。
唇を離して目が合ったその瞬間はまだ、少し照れくさくて。
それを隠すようにもう一度触れて。
離して。
「・・・・、なんで笑ってるの?花太郎」
「だって、不思議じゃないですか」
わずかでも離れがたくて。
また触れて。
「・・・ふしぎって・・・ん、ふ」
唇だけでは足りなくなって。
「ん・・・はァ・・」
舌をからませて。
腕を回して。
抱き合って。
不思議でしょう?だってぼくたちは。
鳥が飛ぶように。
魚が泳ぐように。
呼吸するようにキスをする。
生まれたときから、それを知っている。
「ちょ、花・・・んッ、たんま、息できな・・・!」
「さんにキスしないと死んじゃいます」
「ナニその奇病?」
「恋の病」
「・・・・・・ウマイこと言ったつもり?」
「ハイ、一応」
「全然ウマくない」
「・・・そうですか?じゃあ、もっと練習してウマくなりますね」
「練習って・・・・んっ」
鳥が飛ぶように。
魚が泳ぐように。
呼吸するように。
ぼくは貴方にキスをする。
【 終 】
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