京一がを誘ったのは、馴染みのラーメン屋<王華>だった。 ラーメンを半分たいらげたところで、京一はに色々と質問をしていた。 休みの日はなにをしてるかとか、秋にある修学旅行の話とか、その流れで家族の話になり、今に至る。 質問に答えて話しているせいもあるが、本当の理由は別にある。 「ううん・・・もともと、いないの。一緒に住んでたおじいちゃんも、中学のときに死んじゃったから・・・」 「そっか。大変だな」 「そ、そうでもないよ。もう慣れたし・・・」 「なんかあったら、遠慮なく言えよ?最近物騒だしな。俺、いつでも泊まりにいくからさ!」 その言葉に、は目を丸くする。 「・・・・・・わたしがお弁当持ってきてるの、知ってるんだね蓬莱寺君。すごい」 クラスで、は目立たない地味な存在だ。 逆に京一は明るい性格が幸いして、そばに人が絶えない。 なのに良く見てるなあ、と感心する。 「え、わ、わたし?」 「なんたってあの狂犬龍麻を懐かせちまうんだから」 「きょ、きょうけん・・・」 「それより、どした?全然食ってねェけど?」 「あ、ウン。食べる、よ」 だが思ったより麺が熱くて、口に入れた途端あひゃ!と声を上げた。 の様子に京一はけらけら笑った。 呆れる亜里沙の言葉に、首を傾げる舞子。 「駄目ね。ドン引きだわ。終わったわね京一」 呆れたようなその声は、龍麻だった。 「あら、やっと来たのね龍麻」 いらっしゃいじゃねェよ・・・と呟きながら席に着く龍麻。 タイミングよく店員がやってきて、ご注文は?とたずねる。 「・・・あー、クリームソーダ」 かしこまりました、と言って去っていく店員。 「クリームソーダって・・・アンタ」 「んだよその目は。いいだろ別に。男はクリームソーダ頼んじゃいけねェのかよ?」 「あは、おそろいだね〜、ひーちゃん」 おう、と答える龍麻。 ちなみに亜里沙はアイスコーヒー。 亜里沙はそれを一口飲んでから言った。 「どういう意味だテメエコラ!?」 「強面だけどでも甘いモノが大好きなんですボク〜とか可愛い子ぶっても無理だから。焼け石に水だから」 「俺は飲みたいモンを飲むんだよ!いいだろ暑いんだから!」 「こっちの方が暑っ苦しいのよ!全身黒って夏の配色じゃないでしょ!髪の肌も黒いんだからせめて服ぐらいは白にしなさいよ!」 龍麻は相変わらず、シャツもジーンズも黒一色の服装だった。 「うっせえ!んだよ、来た途端飲み物から服まで駄目出ししやがって。ピーコかお前は!」 じい、と龍麻を見ていた舞子は品質表示のタグをつまんで見せた。 龍麻はソレを見て一旦動きを止め、そしておもむろに脱いで、着直す。 「・・・えと」 特に当てもなく街をぶらついていたので、とっさに行きたいところが出ない。 若旦那登場です。 |