ジリジリと焦げるような陽射しの下にあっても、秀麗な顔に汗ひとつ掻いていない。 「やあ、やはり君か。ちょうど良かった、頼みたいことが・・・」 京一の影になっていたは、如月からは見えなかったのだ。 目が合ったは、ぺこ、と頭を下げる。 如月はそれに目礼で返し、京一を見た。 「・・ん?ああ、まーな。そーだよ、どっからどー見てもデート中だろ。気遣えよ」 「ちょうど君で死角になって見えなかったんだよ。悪かったね」 「ま、いーけどよ。それよりなんかあったか?」 「少々厄介なものを預かってね・・・」 「いや、いいさ。どっちにしろ一度帰って調べ直さないとならないし・・・」 「ふーん?龍麻あたりに電話すりゃ来るんじゃねェか。俺と違ってデートする彼女もいねェしな」 そうするよ、と肩をすくめる如月。 返事の無いに、もう一度声を掛ける京一。 我に返り、途端に挙動不審になる。 「どーしたよ?ちゃん」 「えッ?あ、うん」 「うんじゃくて・・・大丈夫か?」 「う、うん。なんでも、ない!」 「・・・・」 「オイ如月、あんまじろじろ見るなよ。ちゃんはな、小動物のような女の子なんだよ。ノミの心臓を持つ女子高生なんだよ。シッケイだぞ」 「君の発言のほうが失敬だろ・・・。まったく、こんな彼氏じゃあ苦労するだろう?君も」 如月の言葉に、は俯いたままブンブンと首を振る。 「・・・・。それじゃ、僕はこれで」 じゃーな、と返す京一。 如月の後姿が小さくなって、ようやくは顔を上げた。 「え?う、ううん、へいき・・あの、蓬莱寺君?」 「ん?」 「いまのひとって、その・・・」 「んだよ、ちゃんもアイツみたいなタイプにメロっときちゃうのか!?」 「めろっと・・・?いや、あの、どういうひとなのかなって・・・」 「あ〜、和服だったからわかんなかったか?アイツ王蘭の如月だよ。女子の間じゃ結構有名だろ?」 「そ、そうなの?わたし、知らない・・・」 「そっか。ま、そこら辺疎いのはちゃんの魅力だ。気にするな。アイツさ、北区で骨董品店やってんだよ」 「うん?」 「あ、な、なんでもない」 どうして骨董品屋さんと知り合いなの?と思わず口に出しかけただったが、龍麻の名が出たということはおそらく、そういうつながりなのだろう。 「雨の匂いがした、あの人・・・」 如月が去っていった方を見ながら、ポツリと呟く。 着信相手を確かめもせず電話に出る京一。 予想だにしない相手に、京一は大いに動揺した。 「エ、ど、ど、どこっつーかなんつーか・・・!」 『んだァ?言えねェようなとこにいんのか』 「いやいやいや、そーじゃねえけど。なんだよ?なんか用か?」 『・・・ちょっとな。で、お前はどこにいんだ?』 ちらり、とを見る京一。 『オイ、京一?』 「ど、どこだっていーだろ!用はなんだよ!?」 『ナニ焦ってんだよテメーは・・・』 「あ、焦ってねェよ!」 そして、電話は切れた。 ディスプレイを見つめたまま汗をぬぐう京一。 そう言って首を傾げるを、京一はまたちらりと見る。 「あー、いや!かまわねェ!そもそもなにも言わねェ龍麻が悪い!」 「あの、蓬莱寺君・・・なにか用事があるんなら、わたし」 「いいっていいって!じゃ、ゲーセンでも行くか!な?」 「え、あ、う」 ゲーセンにGO! |