ゲームセンターから地下駐車場に通じる通路は、人気が少ない。 「!」 バシャ!! 「うわ!?」 はその崩れた所から抜け出し、ゲームセンターに向かって走った。 だが。 ドン!と全身になにかがぶつかってきて、衝撃に一瞬眩暈がした。 「おっと!危ねェな!」 「!?」 黒のレザーのジャケットとパンツで身を包んでいる。 担いだギターで音楽をやっている人間だということは分かるが、を見下ろす目はサングラス越しでも分かるほど鋭い。 強面は龍麻で随分慣れたはずが、はぎくりと身体を強張らせた。 なぜなら青年はギターとともに長い棒のようなものを携えていたからだ。 「ンだ、テメエ!?」 青年は平然と周りを見渡し、声を上げた。 「やれやれ・・・」 「・・・俺様としたことがバンドの待ち合わせの時間を間違えるなんてダセェことしちまって、時間潰しにゲーセンに来てみりゃァ・・・・これだ」 その名に驚くを見て、青年は笑った。 青年の顔を見た不良たちは、とはまったく違う表情で驚く。 「チッ、お、おい。いくぞ!」 数の差があっても敵わないと判断したのだろう。 「なあに、たいしたことじゃねェよ。アンタもなかなか勇ましかったぜ?」 「アイツと一緒だとこんなんばっかだぜ?悪いことは言わねェから、つきあうのはや、」 「なにやってんだこの茶コシ頭があああ!!」 それはむき出しの木刀を構えた京一だった。 「っぶねえな!何しやがるテメエ!」 「木刀でよかったと思え!ひーちゃんならばこの場合、間違いなく踵落としだ!あれは痛い!!」 「龍麻サンの足技を痛いで済ます事は尊敬に値するがな・・・。そもそもレディを一人にさせんじゃねーよ!」 「なにがレディーだよ、フェミニスト気取りが!」 「フェミニストなの、俺様は」 「テメ、どさくさにまぎれてなにやってんだ!?離れろ!!」 「っぶねえな!」 「ひーちゃんの命の下、テメエを抹殺する!」 「なんで龍麻サンが俺の抹殺を命じるんだよ。男のヤキモチはみっともねェぜ、蓬莱寺センパイよ〜?」 「うっせえ!いいか?俺はなァ、不埒な輩からちゃんを護るように龍麻に言われたんだよ!今さっき!」 「なんだよそりゃ。・・・アンタ、龍麻サンのナニ?」 ナニと聞かれてもそう答えるしかないだった。
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