10
「へ〜、アンタが京一の・・・」
やってきた亜里沙は、を上から下まで無遠慮に眺める。
「・・・あ、あの?」
突如現れた美少女二人に、は戸惑うことしかできない。
「ね〜、どっちが告白したの〜〜?」
そんなに興味深々で尋ねる舞子。
「は、はいい!?」
は目を白黒させた。
「つーか、ちったあ状況を慮れ!!」
振り返り怒鳴る雨紋。
雷撃の連打で、息が上がってきている。
「なんでアンタまでいるのよ?雨紋」
ようやく雨紋の姿を目に留める亜里沙。
「成り行きでな!アンタらこそ、わかってることがあるなら説明してほしいもんだぜ!!」
「この子、京一のカノジョ」
を指差す亜里沙。
「ち、ちがいます!!」
あわてて否定する。
雨紋が聞いたのはそういうことではないんじゃ?とは思ったがとりあえず否定が先に出た。
「そういえば、京一君は〜?」
のんびりたずねる舞子。
「アレに飲まれちまったよ!」
雷撃に痺れたのか、徐々に渦巻くスピードを緩めていくソレを指す雨紋。
「ええ!?うそでしょあの馬鹿!龍麻が聞いたら呆れてジャーマンかまされるわよ!!」
「龍麻サンも来てんのか!?」
京一にジャーマン、というところをスルーして反応する雨紋。
「今屋上で如月と闘ってるの、よ!」
びゅん、と鞭を鳴らす亜里沙。
襲い掛かってきた不良が、亜里沙の鞭に打たれて吹き飛んだ。
亜里沙の言葉に、は出会ったばかりの如月の姿を思い出した。
(あの人と、緋勇君が・・・?)
「如月サンと闘ってるって・・・なんだよそりゃ!?」
雨紋も驚く。
「如月君、悪い子に身体乗っ取られちゃったの〜」
と、舞子が説明した。
「もしかして、あの風呂敷包みの!?」
如月が持っていた気味の悪い風呂敷包みを、は思い出した。
ぱっと顔を上げて舞子を見る。
舞子はきょとんとしたが、すぐに微笑んで。
「そっかあ、あなたも≪視える≫子なんだね〜。だからひーちゃん、あんなに心配してたんだ〜」
「し、心配・・・?」
されたことあったっけ?と面食らう。
怒られたり睨まれたり小突かれた記憶はあるものの、心配なんてまったく身に覚えが無い。
「よおし、じゃあ舞子も頑張っちゃう〜!」
そう言って両手にビンを持つ舞子。
「「ニトロはダメ!!」」
突如声をハモらせる亜里沙と雨紋。
「ここをドコだと思ってんだよ、地下道だぞ地下道!」
「だってえ〜、旧校舎でも使ってるし〜」
「いいからしまいなさい舞子!メ!」
「え〜〜」
二人から責められ、不満げにぷうと頬を膨らませる舞子。
だが渋々、ポケットにビンを戻す。
「・・・・・」
ニトロという物騒な言葉に、そのビンから目が離せなくなった。
「とにかく、アンタはその子を護ってて!アタシたちはそのために来たんだから!」
はあ〜い、といつもの調子で返事をする舞子。
「・・・え?」
わたしを、護る?
亜里沙の言葉に戸惑うは、同時に京一の言葉を思い出す。
『いいか?俺はなァ、不埒な輩からちゃんを護るように龍麻に言われたの!』
次々襲い掛かる不良。
対峙する亜里沙。
自分の前に、庇うように立つ舞子。
深紅の渦と一人闘う雨紋。
そして、それに飲み込まれた京一。
(いったい、何が起こってるの?・・・緋勇君)
そしてその頃、彼らがいるビルの屋上では。
「無駄なことだ。貴様の攻撃で傷つくのは、この、如月の裔の肉体だけ」
緋水は歪んだ笑みを浮かべた。
膝をついた龍麻に向かって。
「・・・んなもん、やってみなけりゃわかるかッ」
龍麻は荒い息のまま睨み返す。
瞳の黄金は、翳っていた。
【続】
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(06/09/28)
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