最近、家の近くをウロウロしている野良犬がいる。


























近付けば、身を引く。

エサをやれば食う。




でも触らせたりはしない。

大きな瞳を覗けば、そこに怯えや憎しみは無い。














虐げられたわけでも捨てられたのではなく、その犬はただ、人に飼われるのを望んでいないだけだ。

















そう気付いたのは。


























『姉ちゃん・・・・って言っても本当の姉ちゃんじゃなくて、幼馴染なんだけど』





















(・・・・あ、そっか)







「・・・・似てね?」

「誰が?」

山本の声に、間髪いれずに問い返す雲雀。







































 手加減できないよ、そんなの無理に決まってる









































山本は屋上で寝転がっていた。




視界いっぱいに青空。

授業は、サボった。





足音が、床から体全体に響いてくる。

やってきたのは雲雀恭弥だと、見下ろされてから気付いた。

目が合う。




「・・・・・・・・・・」




食べずに残しておいた焼きそばパンを差し出した。

見逃してもらうためとかではなくて、そう、なんとなく。




受け取った雲雀の真意は計れないが、トンファーが飛んでこなくて良かったと思う。




袋を開ける音。

焼きそばパンを食べだした雲雀の様子は耳でしか感じられない。




山本の目には、青空だけが映っている。



















独り言のように野良犬の話をして、今に至る。
















「小学生とかには触らせるんだけどなー」

「だから?」

「告白したのはやっぱまずかったかなー」

「犬に?」

「いや、さんに」

「・・・・・・」

そこまでおとなしく聞いていた雲雀は、無言でトンファーを振り下ろす。

トンファーは鈍い音を立て、コンクリートの床をえぐった。





「なんで逃げるの?」




「いや逃げるって、普通・・・」
とっさに身をかわしていた山本。

「わけのわからないことばかり言ってないで、さっさと教室に戻ったら?」

それとも、とトンファーを見せつける雲雀。





「はは、それは勘弁」

山本は立ち上がり、屋上を後にした。

















一人残った雲雀は。







「懐かないんじゃなくて、群れないだけだろ」







誰にともなく、一人呟いた。




































* * *









見上げた空にはもう、一番星。






「おおい、武ー!コンビニ寄ってかねー!?」
部室を出る直前、声を掛けられた。

「悪ィ、パス!先帰るわ!」














想いは伝えたい。

すべて。

秘めるとか、加減とかはわからない。




だから、昨日の帰り。

の家の前で言った。





『オレ、さんの事が好きなんだ』









その時の表情は、野良犬と同じ。

雲雀に話して、気がついた。














そして、昨日と同じように家の前。







「や、山本くん・・・」

声に目をやれば、少し息を切らしたがそこにいた。












そういえばずっと、後ろから足音が聞こえていたような気がする。






さん」

その顔を見れば、自然と笑みがこぼれて。










やっぱり似ていると思った。










「最近、家の近くをウロウロしている野良犬がいるんスよ」



















とりあえず、その話からはじめてみよう。










































愛 し て

あ 遊びなんて言葉知らないから
い 一度だけでいいから抱きしめさせて
し 思考回路はいつだって優先されている
て 手加減できないよ、そんなの無理に決まってる







 

ブラウザバックプリーズ
たけしはストレートに伝えるんじゃねーかと。
大げさに言ったり、飾ったりせずに。
真っ直ぐすぎて時々よくわかんない発言になったりするとなお良い(笑)
(06/11/27)