部屋の窓が開けっ放しなのは、当然僕のためだろ?

































07 「なんだ、もう起きちゃったの?」









































窓から誰かが侵入した時点で、は目が覚めた。




落ちてくる視線で雲雀だと気づく。






何しに来たのかと驚いたけれど、眠気が勝って。




目も開けむまま再び夢の世界へと落ちようとしたところで、キス。





















唇に。






頬に。





額に。













キスの嵐。











寝たふりを気づかれたのは、多分、まぶたへのキスで。






「・・・・・・・」

しばし間を置いてからやってきた雲雀の口付けは、唇を割って舌が、




「ちょ、こらあ!」

は慌ててその身体を引き離し、身体を起こす。




「やっと起きた」
雲雀は月光を背に笑った。

「ひ、ヒトが寝てるのをいいことになんちゅうイタズラするんだ!」

「僕が来たのが分かってるくせに、挨拶も無いんだ?」

「・・なにしにきたワケ?」
起き上がり、タオルケットをかき抱く
胡散臭いものを見る目をしている。




「月見。この窓からの景色はちょうどいい」
雲雀はぎし、とスプリングを鳴らしてベッドに腰掛ける。

「じゃあなんで起こすの?」

「起こしてない。キスしただけ」

「なんでキスするの」

「べつに」

「・・・あそ。じゃあ勝手にすればいいよ。いくらでも月を眺めるといいよ寝るよあたしは」
はもう一度横になって、雲雀に背を向けた。

「駄目」

「駄目じゃないから。眠いから。寝るから」

「駄目だって言ってるだろ」

「無理、寝る。寝るったら寝る」




「僕が起きてるのに寝るなんて許さない」




その言葉で、はブチ切れた。

「許すも許さないもヒトは!夜!寝るもんなんだよ!!今何時?二時だよ!夜中だよ寝ろよ!!」
は枕から顔を上げ、目覚まし時計を見て、すぐさま枕に頭を押し付ける。

「嫌だ」
あっさりと断る雲雀。

「じゃあ帰れ!帰って一人二十四時間テレビでもしてろ!!ハイばいばい!」
もぞもぞ動いて丸まり、完全に寝入る体勢に入る

「・・・・うるさいよ」
雲雀はふあ、とひとつあくびをして。




「じゃあ、寝るからそこどいてよ」




「・・・・コレ私のベッドなんですけど。ジャストナウで寝てんですけどコレこの通り・・・・」
なにいってんのコイツ?と愕然としながらは顔だけ振り返る。




「そんな事は知らないよ」
あっさりと突き放す雲雀。

「知れよ!分かれよ!!もおおおお!!」
とうとう叫ぶ

「邪魔」
しかし雲雀は完全無視の問答無用での身体をベッドから落とす。




痛いわき腹打った!もおお、なんだよどこのわがままプリンスだよ!プリンスじゃないよ不法侵入者だよ変質者だよおまわりさんタッケテ!




落とされた格好のままぶつぶつ言う




「うるさいな。静かにしないと咬み殺すよ」




両手を頭の後ろにしてベッドに横になり、足を組んで月を眺める雲雀。

















「・・・・・・・」








「・・・・」




沈黙が続いて。

ふと、雲雀は床へと視線をやる。









は・・・・・・・、床に寝転がったまま寝ていた。










「なんなの、君」

呆れる雲雀の声にが答えるはずもなく。



























翌朝。




「・・・・・なんなの?コレ」

寝苦しさに目覚めたは、自分がベッドの上にいることに気付いた。

そして、隣に雲雀が寝ていることに。

さらに、まるで抱き枕のように腕を回されていることに。




「今、何時・・・?」

差し込む朝日のまぶしさに嫌な予感がしつつ顔を動かすと、目覚まし時計は止まっていた。

というか、めちゃくちゃに壊されていた。





コイツはああああああ!

静かな寝息を立てる雲雀を睨みつける

気を取り直して壁掛けの時計を見上げると、とうに授業が始まってる時間だった。

うそお、と呆然と呟く




「なんだ、もう起きちゃったの?」
その声に、雲雀が目を覚ました。

「いや、起きるっての。息苦しいから。暑いから。なんのために窓開けて寝たかわかんないから。そりゃ無駄に肉ついてるからそれはそれは気持ちいいかもしれないけれど。そもそもなんでまだいるの?不法侵入の上に器物破損て。目覚ましは壊さなくても止まるから。壊されたらもう目覚められないから。てか学校・・・・」
ため息混じりの、のマシンガントーク。





「・・・うるさいな。静かにしないと、」

咬み殺すよ、の代わりにキス。












しかし、返ってきたのは。




寝息。
















「・・・だから、なんなの君」























眠っていると、起こしたくなる。

起きていると、黙らせたくなる。















そんな君に、すぐさま目覚まし代わりのキスを。





























君が眠るのも起きるのも、僕次第だから。




















【 終 】

















初雲雀です。
身勝手が服着て歩いてるようなもの。
(06/09/03)