並中のブレザー姿で、咥え煙草。 ・・・まったくこの不良は。 01 煙草のにおい
「あァ?」 一服やってたオレが声に振り返ると、Tシャツにジーンズ姿の女がいた。 「よっ」 誰だ?コイツ・・・・、あ!! 「じゅ、十代目のお姉様!?」 制服姿しか見たことなかったから一瞬わからなかった。 「お、おはようございます!さん!」 「んー、もう昼だけどね〜」 「あ、そ、そースね」 「サボリかい、不良よ?」 「え?ええまあ・・・」 「そか。じゃあ付き合ってよ、買い物」 「買い物・・・スか?」 「うん」 しかし・・・私服のさんは、なんつーか妙に大人っぽい。 (コレで一学年しか離れてないなんて・・・) か、買い物か・・・一緒にってなんかデートみたいだな・・・。 「よ、喜んでお供させていただきます!」 「そか、んじゃいくべ〜」 カートを押しながら一人ごちるオレ。 ・・・断じてない。ない!
無いったらねェんだよ!なんだテメージロジロ見んな!!指差すな!! うぐ、手刀が!? 「い、いいんスか・・・?」 「うん、一人増えるのも二人増えるのもおなじだし」 「じゃあお言葉に甘えて・・・・」 さんちで昼飯・・・・! 「は、はい!」 あ、しまった。 家はすぐそこ。 しょーがねえ、吐き捨てて足でもみ消そう・・・と思った次の瞬間。 そしてそれを自分の口へ・・・て。 ええ!? いや、ていうかオレの吸ってたのなんか吸ったら・・・か、間接キスじゃ!? 「ゲホッ、キツいの吸ってんのね〜?」 オレはあっけにとられて、煙草を吸うさんを眺めることしかできなかった。 あ、リップとか塗ってんのかな・・・ほんのりと唇が紅い。 「・・・隣で吸われると吸いたくなるんだよね〜」 「・・・・・・・・・」 さっき、煙草取られる瞬間、さんの指がオレの唇をかすった。 触れたソコが痺れて、煙草を吸うさんの姿に見とれて、俺はなにも喋れない。 なんか、しゃがむ動作とか色っぽいんスけど・・・。 オレ、これからさんちに行くんだよな。 さんが、一人で暮らす家に・・・って余計なことまで思い出した! オレは十代目の右腕になる男ですから! そんな、不埒なことなんて、これっぽっちも!
声に顔を上げると、家は目の前。 「これっぽっちも考えてませんから!」 「え、なにが・・・?」 ヤベッ! 「い、いえ!こっちのハナシで!」 「なァに?へんなの」 「ほら、荷物かして」 「いえ!中までオレが運びます!」 「そ?じゃあ先に上がるから、ついてきて」 「はい、お邪魔します!」 先を行くさんの後をついていく。 (せ、制服と違って身体のラインが丸わかりじゃねーかよ・・・!) 十代目・・・オレ、駄目かもしれません。 台所へと誘われて、持っていた荷物をテーブルに置いた。 「え〜と、アレはどこに入れたかな・・・」 アレ、ってなんだろうと思いながらも俺はその姿を正視することができない。 だって冷蔵庫にモノ入れる時屈むから背中とか見えるんだぜ・・・・? 「はい!?」 呼ばれて慌てて顔を上げると。 と言ってさんはオレの口にガムを押し込む。 笑うさんからは、オレの煙草のにおいがした。 十代目のお姉様に手ェ出すようなことはしません。
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