セントウってのは、噂には聞いてる。
壁に富士山が描いてる風呂のことだろ?
「・・・・・・」
なんだよツナその微妙な顔は?
07
見え透いた嘘
ディーノさんのカメ、エンツィオが家の風呂を壊しちゃって、仕方ないからディーノさんとリボーン、さらにはチビたちも連れて銭湯に行く事になった。
やれやれ・・・・。
「アレ?どーしたのみんなそろってぞろぞろと」
声に視線をやると、隣家の門扉の前に女の子。
手には郵便物。
ポストに入っていたのを取りに来たところだろう。
「あ、姉ちゃん」
といってもオレの本当の姉ちゃんじゃなくて。
隣に住む、幼馴染みたいなもの。
名前は、
「銭湯だ。も行くか?」
ディーノさんの肩に乗ったりボーンが誘った。
「銭湯かあ・・・。うん、行く!たまには広い風呂に入りたいし〜」
ちょっと待っててと言って、姉ちゃんは家の中に入っていった。
「よかったな、ディーノ」
「な、何言ってるんだよ、リボーン!」
「?」
なんで姉ちゃんが一緒に銭湯に行くと「よかったな」なんだろ・・・。
それになんかディーノさん顔が赤いけど。
「ち、違うぞ、ツナ!オレは別に、そういうんじゃないからな!?」
ディーノさんスゲー慌ててる。
・・・そういうのってなんだろ?
「ディーノはな、お前が帰ってくる前、庭にいたを見て一目惚れしたんだ」
怪訝な顔をするオレに、さも面白そうにリボーンが言った。
「ええええええええええええええええ!?」
だから、違うって!と言うディーノさんの声は、オレの叫び声にかき消された。
「ナニ?ヒトんちの前ででかい声出して」
俺はびっくりしてしまって、家から出てきた姉ちゃんを呆然と見た。
ディ、ディーノさんが、姉ちゃんを・・・!?
「なによ?変な顔して」
首を傾げる姉ちゃん。
「な、なんでも!!」
「むご!?」
ディーノさんが慌ててオレの口を塞ぐ。
リボーンはというと、器用にディーノさんの肩から姉ちゃんの肩へ移った。
「ツナの友達関係ってグローバルね?」
姉ちゃんが肩に乗ったリボーンに話しかける。
「コイツはツナの兄弟子だ」
「ふーん・・・あ、あたし。ツナの幼馴染で・・まー、姉貴分みたいなもん。よろしく」
へら、といつもの笑い方をする姉ちゃん。
「・・・・・・・・」
しかし、ディーノさんは姉ちゃんを見て固まったまま。
そしてオレは・・・い、息ができない・・・!
ディーノさん、鼻も塞いでる!
「・・・このヒト日本語駄目なヒト?」
いつまでも反応の無いディーノさんを、姉ちゃんは指差す。
「いーや」
と、リボーン。
ていうか、助け・・・!
「あそ。じゃいこっか。こらランボ、イーピン!先に行っちゃダメだよ」
チビたちを追いかける姉ちゃん。
死ぬ!俺死ぬかも!
リボーン!
ね、ねえちゃああああん!?
「carino…」
薄れる意識でオレは、ディーノさんの呟きを聞いた。
「って、どういう意味なんですか?」
どうにかこうにか銭湯にたどりついて。
脱衣所で服を脱ぎながら俺はディーノさんに尋ねた。
「え、な、なにがだ?」
あからさまにギクリとするディーノさん。
「さっき、姉ちゃん見てなんか言ったでしょ?あれってイタリア語ですか?」
「な、何も言ってないぞ!」
ディーノさんはなぜか脱ぎかけたTシャツをまた着た。
「ディーノさん、服は脱がないと・・・」
「え?あ・・・!ははは!」
ディーノさんパニくってる・・・。
やっぱりリボーンの言ったとおり、姉ちゃんのこと。
「姉ちゃんって付き合ってる人とかはいないみたいですけど・・・?」
「そ、そうか!!」
うわ、嬉しそう。
「あ、イヤ。違うから。そういうんじゃないからな、ツナ!」
ディーノさんは、誤魔化すようにゴホンと咳払いをした。
「ディーノさん・・・顔真っ赤ですよ?」
「へ?あ、のぼせたんだ、うん、のぼせただけだ!」
まだ風呂入ってないんですけど・・・。
うーん。
ディーノさん、あの姉ちゃんのドコを気に入ったんだろう?
オレが首を傾げたその時。
「ツナ〜〜〜!」
噂をすれば、姉ちゃんの声。
女湯の脱衣所から響いてくる。
デカい声で人の名前呼んで!
は、恥ずかしいなあ〜〜!
「あとでせっけん貸して〜〜?」
その声にかぶさって、ディーノさんが派手に転んだ。
「ナニやってんの?ツナー!大丈夫〜〜?」
オレじゃないよ、姉ちゃん・・・・。
そうそう、家に帰ってからリボーンに聞いたら(ていうか、調べさせられた)
carinoって、「かわいらしい」って意味なんだって。
【 終 】
ツナの兄貴分→姉貴分(笑)
銭湯は、タトゥーのあるヒトは入れないとかそういうのは横に置いといてください。
イタリア語もなにぶんド素人なんで、間違っていたらごめんなさい。
(06/09/06)
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