・・・どうして? 『ぜったい、がっこうに、いっちゃだめ!』 しょうがないじゃない、あたしは今日から中学生なんだから。 リプレイ
01
ため息をつきつつ家に帰ると、台所から声がした。 ただいまと応えるのも面倒だったので、台所の前を通り過ぎて階段の手すりに手を置いた・・・けれど。 女の子の声だ。 ハル・・・も違うよな。 「だ、だれ!?」 並盛中の制服を着た女の子がいた。 「誰って・・・ひどいなあ、わからない?」 ・・・あれ? くるりと回ってスカートを翻す姿が脳裏によみがえる。 目の前の女の子は記憶よりも大人っぽいけど、でもまちがいなく。 「久しぶりー、ツナ」 彼女の名前はたしかそう・・・。 びっくりしたっていうか・・・。 「あーんなにちっちゃかったツナがこーんなに・・・ていうほどでもないけど大きくなるなんて。ランドセルが重くてしりもちばっかついて立てなかったツナも、もう中学生なのね〜。姉ちゃん感激」 うわ!なんか見覚えのあるものがあると思ったら!! 「ちょっと!なんで勝手にヒトのアルバム見せてんの!?」 「いいじゃないの〜〜」 「よくないよ!まったくもう!」 「それより、もうすぐ獄寺君と山本が来るからチビたち上に来させないようにしてよ、母さん!」 「友達?友達できたの?ツナ」 尋ねる姉ちゃんの声にインターホンのチャイム音が被った。 「そうだよ。あ、きた!」 明日出さなきゃいけない宿題がどうしても片付かなくて、今日うちでやろうって二人と約束したんだ。 「10代目お手伝いに来ました!」 「いらっしゃい、二人とも。さ、あがってよ?」 母さんがおやつを持ってきてくれたのかな? 「どーもお!いつもツナがお世話になってま〜す」 「ね、姉ちゃん!?」 なんで姉ちゃんが来るの!? 「え、10代目のお姉様ですか!?」 「昔隣の家に住んでてね。ツナは弟分みたいなもんで、昔はよく面倒見てやったのよ〜」 トレイからテーブルの上におやつとジュースを移しながら言う姉ちゃん。 「で、また隣に越してきたんだ」 そっか、また隣に住むんだ・・・。 「並中の制服着てるって事は・・・うちに編入?」 「うん、三年にね。みんなよりいっこ上になるね。です、よろしく〜」 「自分、10代目の右腕をさせてもらってます獄寺隼人っす!!」 「・・・じゅうだいめ?」 「わあああ!なんでもないよ!!用が済んだんなら出てってよ姉ちゃん!」 10代目とかマフィアとか、そんなの姉ちゃんに知られたくない! 「なによお、せっかくツナに友達ができたんだから紹介してくれたっていいじゃない?」 「オレ、山本武っす」 「獄寺くんと山本くんね・・・うん、覚えた。泣き虫だったツナにこんな頼りになりそうな友達ができるなんて、姉ちゃん感激」 涙をぬぐう仕草をする姉ちゃん。 そんな姉ちゃんの姿に山本は笑ってるし、きょ、恐縮っス!とか言って獄寺君はなんか喜んでるっぽいし・・・。 「もういいだろ、早く出てけよ〜〜!」 「え〜〜」 オレはもう気が気じゃない。 「いいから!宿題してるんだからオレたちは!」 「ハイハイ。それじゃみんな、勉強頑張ってね〜」 姉ちゃんはようやく腰を上げ、部屋を出て行った。 宿題が終わって、獄寺君と山本が帰って。 しかも母さんと一緒にキッチンに立ってる。 「うふふ、なんだか娘ができた気分だわ〜」 「今日はカレーだよ、ツナ」 「・・・あそう」 なんだかなあ、もう・・・。 「はい、味見してみてよツナ」 おそるおそる小皿に口をつけて、ルーを味わう。 「・・・・うわ、おいしい。けどいつもと味が違う・・・ような?」 「今日のカレーの味付けはね、ちゃんなのよ」 「え、姉ちゃん料理できんの!?」 「女の子にその台詞は減点!」 「いたっ!」 ・・・そういや、昔はよくこんな風に小突かれたり叩かれたりしたっけ。 姉ちゃんはオレを泣き虫って言うけど、姉ちゃんのせいっていうのもあるんだよね。 でも、母さんと並んで料理する姉ちゃんは、あの頃からは想像もできないくらい大人っぽかった。 「うん、おやすみ」 って、あれ? オレの記憶にある姉ちゃんは並盛中の制服を着ていて。 あの日は確か回覧板を持って来た名目で、初めて袖を通した制服を自慢しにきたんだ。 オレが六歳。 今オレは十三歳。 だから姉ちゃんは、十九歳・・・のはず。 思わず口にした。 「うわ、リボーン!?」 「面白いヤツって、姉ちゃんのこと?」 「ファミリー候補だな」 「な、なに言ってんだよ!もう!」 お腹がいっぱいなのと勉強で疲れたせいか、すぐに眠ってしまって。 (06/09/13) |