転校初日の昼休み、雲雀恭弥とのいざこざで教室にいたたまれなくなったは保健室に来ていた。

の主治医であるシャマルは、ここの保健医でもあるのだ。




「あんなトンファー小僧、ワシが本気出せばイチコロやて!」

関西特有のその口調は、なぜかのうなじあたりから聞こえた。

同時に、風もないのに揺れるの髪。

「な、姐さん!」
髪を掻き分けるように姿を現したのは、黒くて小さな生き物だった。

トカゲのような細長いその生き物は、よく見れば頭に二本角を持ち、背中にもゴツゴツと突起がある。




サイズこそ小さいものの、それはまさしく架空の生物ドラゴンの姿。




「起きたの、デュランダ」
そしてその言葉は間違いなく、針金のような前脚をの肩に乗せた小さなドラゴンから発せられていた。

「おはよーさんやで、姐さん〜」
の頬に擦り寄るドラゴンことデュランダ。



































  リプレイ 12
































「なんだよオイ、あのガキともうひと悶着起こしたのか?お前」
椅子を反転させるシャマル。

「向こうが勝手に絡んできたのよう〜」
首をすくめる

「ワシが起きとったら、あんなガキひとひねりやったのにな〜」
針金のような前脚を組むデュランダ。
ぐん、と身体を直立させる。

その身体に後脚は無く、尾はの髪に隠れて見えない。

「何がひとひねりだ!もう、余計なこと言って!」
その横っ面を小突く

「痛!?・・・そやかて姐さ〜ん」

「オメー、の半身なんて言っといて寝てんじゃねーよ、この黒トカゲ」
に続いてデュランダを小突くシャマル。

「イタイ!なんすんねや、このヤブ医者!ワシは黒トカゲやのうて最古にして最強の龍、黒龍のデュランダ様や!!あと姐さんは半身やのうて相方や!!」
口からススのような物を吐き出しながら怒るデュランダ。

「漫才師か!アンタテレビ見すぎ!」
また小突く

「痛いて堪忍!」
ぴいっ、と鼻を鳴らして髪の毛の中に逃げ込むデュランダ。

「コラ!ちょ、くすぐったい!でてこい!でてきなさい、デュー!」
それを捕まえるべく腕を上げる

「折れる!ツノ折れる!!つままんといて〜〜!」
しかしはデュランダの角をつまんだまま髪の中から引きずり出す。

「うるせェなあ、お前らは・・・もう帰れよ。昼休みも終わるぞ」
うんざりと二人の様子を見るシャマル。

「ひるやすみ・・・・あ」
はポツリと呟く。

「どないしたん?姐さん」

「あー、忘れてた。忘れたままの方がよかったけど・・・」
はハア、とため息をついて項垂れる。

「なんだよ?

「ん〜、いやなんでも」
シャマルから目を逸らす

「あ、そういやあのトンファー小僧から、昼休みに屋上来いてゆわれ・・・」

「デュー!」
デュランダの言葉を遮る

「なんだよ、屋上に呼び出しかよコクハクかよ。青春だねェ」

「そんなんじゃない!」

「・・・・・そんなんじゃなかったら逆に悪いんだよ」
途端、ニヤニヤとした表情を一変させるシャマル。

「・・・ッ」
ぐ、と口を閉じる

「治す気が無いなら二度と診ねェと言ったよな?オレは」
シャマルは低い声で告げる。

「なにゆうか、このヤブ!姐さんとワシにかかれば、あないなトンファー小僧の一人や二人・・・!」

「お前は黙ってろ」
シャマルはピンセットでデュランダをつまんだ。

「やめてやめて!ピンセットはイヤや!なんか脱脂綿の気分!」

ジタバタしながらぴー!と鼻を鳴らすデュランダ。

助けるでもなくソレを眺める

「・・・だからここに来たの。あんな危なそうな奴とコトを構える気は無いし。隠れるならココが一番でしょ?セクハラ保健医のトコにわざわざ来る女子生徒はいないもんね〜」

「お前ね、だったら最初からそう言えよ」




「じゃあ、あの赤ん坊にあたしのことを言った理由は?」












「・・・・・・・、なにスネてんの?お前」

「スネてねええええ!!」
くわ!と怒る
そして、すっくと立ち上がる。

「もーいい!昼休みも終わるし!帰る!!」

「おー、かえれかえれ」
シャマルはピンセットを放し、ダルそうに机に頬杖をついた。

「うわ〜ん、姐さあああん〜〜」
へろへろと飛んでにしがみつくデュランダ。





は保健室を後にした。
























「やれやれ・・・」

一人残ったシャマルはガシガシと頭を掻く。






「情けねーな、シャマル」

その声は、開けられた窓から。

「リボーンか」
顔も向けず、苦々しく呟くシャマル。

窓の桟に座ったリボーンはニヤリと笑う。





「・・・・とあのガキを会わせたのはお前だな?リボーン」

「ああ」

「オレがお前にのことを話したのは、ボンゴレファミリーにするためじゃねェぞ」

「じゃあなんで話した?」

「・・・・・・・・・」
気まずそうに押し黙るシャマル。

「オレはツナの家庭教師だぞ。能力のある奴はファミリーに入れる」

「オレはの主治医だ。無茶をさせるわけにはいかねェ」
シャマルは再びビールを手に取り飲んだ。

「過保護だな。だからは怒ったんだぞ」

言われたシャマルは眉間にシワを寄せる。
飲んだビールが温かったせいだけでは、無い。





しばしの沈黙の後、わかってるよと返す。

「まったく、とんだじゃじゃ馬拾っちまったぜ。・・・・いや、馬じゃねェな、ありゃドラゴンだ。食物連鎖から外れたドラゴン娘だ」

椅子の背もたれをギシリと鳴らして天井を仰ぐシャマル。

「だからヒバリもに興味を持ったんだ。・・・とりあえず、ヒバリはこっちでなんとかする」

「あの坊主にやらせる気か?まだ敵わんだろ」
シャマルはフンと鼻を鳴らす。

「オレはお前と違って過保護じゃねーからな」
それに皮肉で返すリボーン。



「そういうの、スパルタっていうんだぜ?」

「知ってる」

「こえー家庭教師だな。同情するぜ、坊主に」














そして、昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴った。






























当然オレは、リボーンとDr.シャマルがそんな話をしてることなんて知らなくて。



































「姐さん、帰るってホンマに帰るんやな・・・」

「だって、教室戻ったってアイツがいるかもしんないじゃん!」


























自主的に早退する姉ちゃんのその姿を、ヒバリさんは屋上から眺めていた。






















・・・・・・・・・・・・・・・そして翌日、事件は昼休みに起こった。



























・・・続。











オリキャラ・関西弁ドラゴン登場〜。
不穏な空気を漂わせたまま、続きます。

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(06/10/18)