目を覚ませばそこは、見知らぬ世界。
鏡に映るのは見知らぬ少女。
真夜中に出会ったのは妙な殺し屋。
・・・・・・・・・・そして、戻ってきたことを思い出させてくれたのは。
『姉ちゃん!』
リプレイ
20
「あ、髪切った?」
「・・・・・・・・・・・・・なにそのタモさん気取り」
目を覚ませば、デュランダがいた。
あごに前脚を置いて、の顔を覗き込んでいる。
「しかもなんか冷たい!濡れてる!?」
ああんもう、と手で払いのける。
「シャマル〜、姐さん起きたで〜」
はデュランダが呼ぶその名に慌てて起き上がる。
状況を悟る暇もなく仕切りのカーテンが開けられた。
「・・・・・・・よォ、お目覚めかい?眠り姫ちゃん」
シャマルは軽口を叩くが、目は笑っていない。
「・・・あ、髪切った?」
「・・・・・」
引きつったような笑みを浮かべるに、シャマルは何も返さない。
「や、やだなー、先生ボケ殺しなんだから。そこはホラ、タモさんかよ!って突っ込んでくれなきゃ・・・」
「・・・・・・・・・・・」
シャマルはしばらくを無言で眺めたかと思えば、大きく息をつく。
「後頼むわ、リボーン」
そして、カーテンを閉めた。
「え、ちょ、先生・・・?」
ゆれるカーテンに困惑した表情を向ける。
「」
リボーンはベッドの端に腰掛けていた。
「・・・・なに?」
「シャマルはともかく、周りへのフォローもできねェならオレはお前を排除するぞ」
「・・・・・・」
「お前が、ツナに悪影響を及ぼすのなら」
「あたしが、ツナに?そんな事・・・!」
「お前をここに運んだのはツナだ」
の言葉を遮るように、リボーンは続ける。
「倒れたお前を見て、昔の事を思い出したみてーだ。随分取り乱してたな」
昔・・・、と呟く。
「お前、一体なんのためにここにいるんだ?」
銃口を突きつけられるかのような言葉に、は目を見開いてリボーンを見つめる。
しかし不意に逸らして、肩に乗るデュランダに話しかけた。
「あ〜あ、赤ん坊に説教されちゃったよ?デュー」
「・・・・、姐さん」
デュランダはなんともいえない表情でを見上げる。
「ていうかアンタなんで濡れてるの!」
まるで肩についたゴミのようにデュランダを払い落とす。
「ひどいわ姐さん!」
ぴい!と鼻を鳴らして抗議するデュランダ。
「」
「ハイハイ、わかってるわよ。フォローすればいいんでしょ、認めればいいでしょ?」
はベッドから足を下ろし、上履きを履く。
「甘く見てましたよ舐めてましたよ中学生を!なんだあの強さバカじゃねーの!久々の術式で反動に身体がついていきませんでしたよ!ごめんなさい先生見捨てないで下さい!」
立ち上がり、まくし立てる。
ジャ!と音を立てて勢いよくカーテンを開けば。
「なんだ、元気じゃない」
その向こうには、腕を組んで壁に背を預けてこちらを見る雲雀の姿が。
「だからと言ってお前に負けたわけじゃないからな!つーかゲラウェイ!」
雲雀を指差し、そしてあさっての方向を指す。
「騒ぐならお前もゲラウェイな、」
椅子に座ったシャマルは、机に肘をついて頭を抱えた。
「なんでコイツいるの先生〜〜〜〜〜〜!?」
「心配あらへん!姐さんのスリーサイズだけは守秘したで!」
「だけはって何!?なにしゃべったの!?つーか、アンタが連れてきたの!?」
「し、しかたなかったんやあああ!デッドオアアライブやったんやああああ!!」
に両手でぎゅうぎゅうと締められ、デュランダはイヤイヤと首を振って悶えた。
「・・・・どうでもいいけど」
雲雀はの姿を上から下へと眺め、眉をひそめ、そして顔を背け。
「スカート、穿いたら?」
のスカートは、体の負担を減らすためにファスナーが開かれていたので、立ち上がった時にはもう床に落ちていた。
「・・・・・・・・・・」
はゆっくりと俯く。
己の姿を見れば、胸元のブラウスのボタンも外れ、胸の谷間どころかブラが露出していた。
「あ」
「姐さん、セクスィ〜」
デュランダの余計なツッコミが入る。
「シャマル!姉ちゃんは!?」
そこにツナがやってきて、ノックもせずに引き戸を開く。
ツナの目の前に広がる光景は、壁にもたれた雲雀。
その奥には、開けられたカーテン。
隣に。
・・・の、下着がチラ見える姿。
「ぶは!?」
顔を真っ赤にしてのけぞるツナ。
「どーしたんですか?10代・・・痛!?」
そこに獄寺がやってきて、ツナの後頭部に額をぶつけた。
「オイオイ、どーした?」
さらに後ろには山本。
「ちょ、だ、ダメッ!!二人とも!入っちゃ!」
ツナは入ってこようとする二人を押し返す。
「な、なんですか?10代目、一体何が!?」
ツナの様子に首を傾げる獄寺。
「つか今、姉さんの声がしたよな?」
背伸びして中を覗く山本。
「だめだってば〜〜〜ッ!!」
必死で腕を伸ばし、視界を遮るツナ。
保健室の中の一同は、そんな一人テンパるツナの様子を眺めている。
「もおおお、なんでそんな格好してんだよ〜〜!?」
叫ぶツナ。
「あー、大丈夫大丈夫。見られたって別に減るわけじゃないし」
と、。
「減る減らないじゃなくて!!」
リボーンはこっそり笑う。
ついさっきまでツナがまで抱えていた心配や焦燥や不安は、の格好と言動に一瞬で吹き飛んだようだ。
リボーンはベッドから降り、シャマルに言った。
「拾ったモンの面倒はちゃんと最後まで見ろよ」
「オイオイ、そりゃねーだろ。をファミリーにするだろ?もってけよ!ついでにコイツも教育してやってくれ」
「に教える事なんて何もねェ。オレはツナの家庭教師だ」
「そう言うなって。役に立つって」
「帰るぞ、オレは」
くるりときびすを返すリボーン。
「・・・・・・・なんかさ、押し付け合ってない?あたしを」
窓から出て行くリボーンを眺めながら言う。
「オメーは服を着ろ」
「なによ、脱がしといて・・・・」
「んな!?テメエ、シャマル!さんに何しやがった!?」
の言葉に反応する獄寺。
「お、落ち着いて獄寺君!」
「なー、入らねーのか?」
「・・・・馬鹿馬鹿しい」
雲雀は吐き捨てた。
あわよくば再戦をと思ってやってきたものの、目を覚ましたの格好とツナたちの様子に完全に興ざめしたようだ。
押し合いへしあいするツナたちとは反対側の戸を開いた。
「痛!」
「むぎ!?」
そんな事をすれば、ツナや獄寺は引き戸に挟まる。
もちろんそれを気にする雲雀ではない。
雲雀は、無言で保健室を去っていった。
「まったく下着くらいでそんな怒らなくても・・・」
慌てることなくスカートを上げる。
「フツーは怒るがな」
「え、怒られるの!?」
「もーいい。お前らさっさと出てけ」
うんざりと呟くシャマル。
しかし、ようやく中に入ってきたツナたちに、しばらく保健室は賑わった。
・・・続。
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