「もしかして警戒してますか?僕を」










向かい合った少年は、笑う。












「僕はただ、君に興味があるんです」













そして、柔和な表情のまま。

















「君はいったい何者ですか?」




















問い掛ける。
































  リプレイ 24





































「買い物に行くて、姐さん。ガガンボどないすんの?」
デュランダが問う。
洗濯バサミの痕を気にしつつも、針金のような前脚で取り入れた洗濯物を器用にたたんでいる。

「ガガンボじゃなくて、トライデント・モスキート。それは今から何とかする」

そう言って、どこかに電話を掛ける

「・・・ああ、先生?あたし。買い物行きたいから、アンジェラ取ってよ。・・・・・・違う、食料よ。今日は半額デーなの!一緒に行くって約束しちゃったのよ。・・・・・・・・ああ、そうよ相手は女の人。ハイハイ今度紹介してあげる。じゃーね」

電話を切るの側から、一匹の蚊が離れていく。

それを目で追うデュランダ。
「あんなん、殺虫剤で一発とちゃうん?」

「それで殺し屋がつとまると思う?」

「えー、ほなら龍紋で」

「あんな小さいものに有効な術式はないわよ」

「はー、さすが姐さんやなー」
感心したように吐息を漏らすデュランダ。

「はー、じゃないでしょ。アンタこっちに来た影響で術式忘れちゃったの?」
呆れる

「忘れるも何もワシ術式よう知らんしー」

「知らんって・・・」

言いかけたの声に被って、チャイムが鳴った。

「ああ、奈々おばさん来ちゃった。とりあえず、誰か来ても電話鳴っても出ちゃダメだからね?」

「えー、電話もアカンの?」

「ダメ!」
は買い物かごを掴んで玄関へと駆けていく。




「じゃ、いってきます」




いってらっさーい、とのんきなデュランダの声が返ってきた。






























奈々と二人で向かったのは、商店街のスーパーマーケット。

カートを押して店内を巡り、レジ前で再会した。





「・・・あら?」
奈々の声に、前に並んでいたは振り向く。

「・・・どうしたの?奈々おばさん」

「お財布が・・・・家に忘れてきちゃったかしら・・・?入れたとばっかり思ってたのだけれど」
買い物かごの中を探す奈々。

「もしかして、店内で落としたとか?」

「そうなのかしら・・・」
困惑の表情を浮かべる奈々。

「とりあえず、清算はあたしが代わりにしておくから、サービスカウンターに・・・」






「もしかして、これは貴方のものですか?」

二人に声を掛けてきたのは、ガクランを着た少年だった。

目を引く、稲妻型の髪の分け目。
前髪で見え隠れする瞳は左右で虹彩が違う。

柔和な表情を浮かべた少年が差し出したのは、女物の財布。

「まあ!拾ってくれたのね。どうもありがとう!」
財布を受け取り喜ぶ奈々。

「どういたしまして」

穏やかに返す少年に、は目を見開く。

「こんにちは」
そんなを見て、少年は笑う。




「・・・、どうも」
は戸惑いがちに返事を返した。




「あら、ちゃんのお友達?」

「あー・・・、」
無邪気な奈々の様子に、言葉に詰まる

「残念ながら、まだそこまでは」

この近くの本屋で何度か会った事があるんですよ、と少年は続けた。

「そうなの?じゃあ良かったらお礼代わりにお茶でもどうかしら?近くにとってもおいしいケーキ屋さんがあるのよ〜」
屈託ない笑みで少年を誘う奈々。

「喜んで」
少年は躊躇なく誘いを受けた。

そして。















「貴方の名前がわかって、嬉しいです」







に向かって、そう言った。





















・・・続。











 

 +  + 

いくらでも爽やかを演じられると思ってます。
でもやっぱりどこか胡散臭いといい。
(06/12/05)