ケーキ屋から飛び出し、全力疾走で家の前まで辿り着いた。 (最近ランニングサボってたからなまってるなぁ・・・ちょっと鍛え直そう) 両手の買い物袋の重みによろけながら門扉を開く。 ニ三歩進むと、弾力のある何かを踏んだ。 「ぐう!?」 しかも鳴いた。 「せ、殺生やわ、姐さん・・・・・」 それは、家の中で留守番をしていたはずのデュランダだった。 リプレイ
26
三和土には乱暴に脱ぎ捨てられた革靴が一足。 「やれやれ・・・」 リビングに目をやれば、テレビがついている。 「お、やっと帰ってきたな。なんかツマミとかねーの?」 は買い物袋からぐったりしたデュランダを取り出し、突き出した。 「これ、先生の仕業?」 「んだよ?んなモン食えねーよ」 「ツマミじゃねー!」 「いくらチャイム鳴らしても出てこねェしよー、中に入れやがらねェからちょっとな」 「先生学校は?」 「今日は午前中だけだろ」 「そりゃ授業はそうだけど・・・、まあいいや。ツマミより、夕飯食べていきなよ。つーか泊まるの?ナンパ失敗した?」 「最後は余計だよ。ったく」 デュランダはすぐに目を覚ます。 「うわあああん!姐さーん!」 デュランダはのに飛びつき、髪をかき分け潜り込むようにして気配を消した。 くすぐったそうに首をすくめるを見て、シャマルは言った。 「前から聞きたかったんだがな?」 「んー?」 「アイツは一体なんだ?」 「なんだ、って?」 「デュランダだよ」 「や、それはわかってるけど」 「アンジェラちゃんの攻撃が効くって事は、アレは生き物なんだろ?」 「そりゃあ、まあ」 「アレはお前の力の一部なのかと思ってたんだがな、オレは」 「ああ・・・」 肉体という枷を持つでも、何倍もうまく立ち回れる。 迂闊にも程がある上に、あの関西弁。 「お前・・・もうちょっと真剣に生きろ。こう、目の前の事だけじゃなくて」 「もしかしてそれ言いにきたの?家庭訪問?その言葉ソックリそのまま返すけどね」 「せめて往診と言え!あと今こっそり冷蔵庫に入れたハム、それハムだろ?」 「ハムハムうるさいなー、そんなんだからイイ歳して国際手配なんかされんだよ」 「関係ねーよ!」 「ん〜、いらない」 「じゃあこれ、ちゃんちにもっていってあげて?」 「えー、オレが?」 「じゃあ代わりに夕飯の片づけする?」 「・・・ちぇ、わかったよ」 奈々からむいた梨を入れた皿を受け取り、ツナはの家に向かった。 閉められた居間のカーテンからは、光が漏れている。 途端、鼻につく肉と煙の匂い。 家の中の視界は煙でほんのり白い。 「ね、姉ちゃん!いるのー!?」 ツナは大きな声を出す。 一瞬、話し声が止んで。 顔を出したのは、明らかに酔っ払った赤い顔のシャマル。 「な、なんで!?」 「あ〜、ツナじゃん、どーしたのー?」 「ね、姉ちゃん、なんでシャマルが・・・?」 「そーだ、ツナも食ってく?肉。ビールもあるよ」 「いらないよ、夕飯もう食ったし。これ、母さんから!」 「おー、そかそか。じゃあ上がっていきな」 「ええ!?い、いいよ!」 「肉あるよ、ビールも」 「だから、いらないって!」 「そう。じゃ、上がってく?」 「だから・・・!まさか姉ちゃん酔ってんの!?」 の顔色は通常通り。 「酔ってにゃいよ?」 「酔ってるよ!!」 「まあいいからいいから。肉とかビールとか梨とかあるよ」 「それは今オレが持って・・・ちょ、ちょっと、靴!」 皿を持ったままグイグイ引っ張られ、ツナは靴のまま三和土を上がらされた。 「ま、とりあえず駆けつけ一杯な」 「未成年に酒すすめるな!」 「じゃあ、肉?」 「いらないってば!!」 そう口を挟むのはデュランダだった。 「え・・・?」 しかし、声はすれども姿は見えず。 「デュランダなのか?・・・・・どこ?」 「だからいらないってば!!」 |
そして一夜明けて・・・
(06/12/07)