それは巨人の手に握りつぶされるような感覚だった。 ミシミシと悲鳴を上げる骨。 視界は闇。 見た事も無い漆黒の模様が幾重にも重なり、形を留めることなく変化し続ける。 それは網膜に焼きつくような強烈な映像で、次第に身体中の力が抜けていく。 「姉ちゃん!?」 いや、が倒れなければ間違いなく。 彼の身体中には、勝敗をつきつけるように赤黒い痣が浮き上がっていた。 リプレイ
29
怪訝そうなデュランダの言葉に、は雲雀の元に駆け寄る。 「ちょっと見せて」 内出血に似た、だがしかしあまりにも不自然な痣が雲雀の身体を這うようについていた。 「これは・・・・龍紋?まさかこの間の術式の・・・」 「触るな」 「いや、そんなこと言ったって。ニ式ごときでデルタ化?それともこっちの理のせい?なんでこんなことに・・・」 「ごちゃごちゃうるさいな。関係ない」 「ニィさん、契約してないドラゴンの龍氣は毒やで?ココ来たんもそのためとちゃうん?」 雲雀は額に脂汗をかき、徐々に息が荒くなっていた。 「早くそれを言えばいいのに・・・って言ってもどうしたモンかな。龍紋が対象の体内に残るなんて初めて見た」 「・・・・・ッ」 デュランダが乗る肩が、熱くてしょうがない。 「そうだ。デュー、龍氣に同調して潜れる?」 「そもそも構成途中の龍紋を身体に宿す事自体並の人間じゃ有り得ないから。ホント化け物だわコイツ。とりあえず体力ある内にやっちゃって」 「りょーかい」 言うや否や、デュランダは俯く雲雀のうなじにそって襟からシャツの中へ。 「!!」 意識を手放したからだ。
唐突に、目の前に広がる見た事の無い光景。
果ての無い大地は荒涼としている。 地平線は空と混ざり、境界がわからない。 空は見慣れた澄んだ青ではなく、どこか黄みがかって。 雲はない。 ただ、流星のごとく駆ける一群があった。 虫かごに閉じ込めたような陳腐なドラゴンでなく、それは圧倒的な大きさの。 |
(06/12/09)