救急車が来る前に、は笹川から自宅の番号を聞き出した。

、すまんが京子には・・・妹には銭湯の煙突から落ちてネンザしたと言ってくれ!」
電話を掛けるに懇願する笹川。

「そんなん信じる妹がどこにいる!?」

「アイツはすぐ心配するんだ!そして泣くんだ!」

「知ったことか、この兄バカ!」

「違う、オレはボクシング馬鹿だ!」

「馬鹿認めた!?もう、わかったから黙ってじっとしてて!」




やってきた救急車が向かうのは、並盛中央病院。




























  リプレイ 32



























笹川の怪我は、命に別状は無いがかなりの重症だった。
救急車に乗って病院まで付き添っただが、やってきた笹川の家族に事情を説明して病室を後にした。

ロビーに下りると、数人の並中生がいた。
笹川の友人か、部活の後輩だろうかとも思って近づいたがストレッチャーが一台、ロビーを横切った。

その音に、ロビーの視線が集中する。
も足を止めた。

乗っていたのは風紀委員の腕章をつけたガクランの男子。

「ふ、風紀委員・・・!」
「またかよ!?」
ざわつく生徒達。

また、という言葉には頭を傾げた。

その後すぐやってきたのは、同じ格好をした数人の風紀委員。

「あ」
見覚えのある顔に、は声を上げた。

「・・・・ん?」
の声に、足を止める風紀委員。

「ええっと・・・フランスパン?」
頭を指差す

「草壁だ!!」

「ああ、そうそれ。そっちも付き添い?ケンカ?血の気多いねお宅らそこらへんのチンピラと一緒じゃん献血でもすれば?」

「お前こそなんだ、そのよく喋る口でも縫ってもらいにきたか?」
怒りを抑えつつ返す草壁。

「献血を否定しないって、委員会ぐるみでトシ誤魔化してんの?」

「お前はオレに喧嘩を売っているのか!」
なら買うぞ、と言わんばかりに睨みつける草壁。

「それはそっちの専売特許でしょ。あんな狂犬野放しにするんじゃないわよ。保健所に通報するぞ」
睨み返す

「貴様、オレだけでなく委員長まで愚弄するか!?」
その声に、周りにいた者がビクリと震える。

「アンタらみたいなのがいるから善良な一般生徒が他校生に襲われたりするんじゃないの?」
しかし当のは平然としている。

「何・・・?そういえばお前さっき付き添いだとかなんとか・・・」

「クラスメートが黒曜生に襲われたみたいなの。さっき手当てが済んで、あたしは帰るとこ」

「襲われたのは誰だ?」

「笹川」
ぶっきらぼうには答える。

「笹川・・・ボクシング部の笹川了平か?」

「そう。骨折6本、ヒビ7ヶ所だって」

「・・・・そうか」

「もしかしてそっちも黒曜生?」

「・・・・・・・」
草壁はそれに答えず、携帯を取り出しどこかに掛けた。

はフン、と鼻を鳴らしてロビーの壁に掛けられた時計を見上げた。

今ならまだ遅刻せずに学校に行けそうだ。

「じゃ、あたし帰るわ」

電話を続ける草壁を残し、は病院を後にした。

















「姐さん、あんまり遅いから心配したで〜。どっかに落っこちてるんやないかと・・・今探しにいくところやったんやで」
家に戻り、制服に着替えるを見て、デュランダは言った。

「テレビにかじりついてたヤツがなに言ってんのよ。ホラ学校いくわよ」

「ん〜」
リモコンでテレビの電源を切り、ふわりと飛び上がるデュランダ。

「あ、腕章忘れないでね」

「え、姐さん委員会に入るん?」

「返すのよ!」

「ん〜」
腕章をくわえ、デュランダはの肩に乗る。
髪の毛を掻き分けて潜り、姿を消した。



















・・・続。











 

 +  + 

黒曜編ベースですが、漫画で描写されたシーンはほとんど無い予定です。
(06/12/14)