が目を覚ますと、シャマルが顔を覗かせた。

「よう、調子はどうだ?」

「・・・あれ?なんであたし・・・」
身を起こす

「お前、ビアンキのポイズンクッキング食らったんだよ」

「・・・ああ」
思い出し、頭痛を覚えて額に手をやる
隣のベッドを見れば、もぬけの殻。

さらに周りを見渡せば、保健室にはシャマルしかいなかった。

「オレは出て行くけど、お前どうする?」
シャマルはに背を向け、白衣を着込んだ。

「え、何、ナンパ?」

「違ェよ。可愛い子猫ちゃんに会いにさ。調子悪いならそのまま寝てろ」

「やっぱナンパじゃん。それにもうへいき」
シーツを払い、ベッドから足を下ろす

「そうか、じゃあついて来い」

「やだよ、なんでナンパに付き合わなきゃいけないのよ・・・あたし、行くとこが・・・」

言いかけたに不快な羽音が迫る。
三又の蚊、トライデント・モスキートが目の前にいた。

「そこで寝てるかオレについてくるか、どっちにする?」

「・・・・なんで?」

「なんで、じゃねーよ。お前はどこに行くつもりだよ。さっきまで『先生一緒に帰ってェん』とか言ってたくせに」

「そんな言い方してない。リボーンはどこ?」

「お前はオレと一緒に来るんだ」
シャマルは身を屈め、置いていたの上履きを履きやすいようにそろえてやった。

「どこに」

「いいからついて来い。行きがてら話してやっから、スネんな」

「スネてない!」

「ハイハイ、お手をどうぞお姫様?」
シャマルはおどけた風に手を差し出す。

「やめてよそういうの・・・キショい」
顔を歪める

「ニッコリ笑って誘えば落ちる男もいるだろーに・・・」
その手を白衣のポケットにつっこむシャマル。

「そういうのはパス。ガラじゃないよ」
上履きを履いて立ち、つま先でとんとんと床を打つ

「宝の持ち腐れだなァ、お前」

「ほっといてよ。ほら、行くんでしょ」

はシャマルの腕を取って保健室を後にした。


























  リプレイ 35

























「脱獄犯!?」
「告白されたァ!?」

学校を出て並盛町を行く二人は、ほぼ同時に声を上げた。

「看守も他の囚人も皆殺しって、なんでそんな極悪な連中がツナを狙ってるのよ!?しかも人質まで取って!なにそのへヴィーな展開!重いよ!胃にもたれるよ!!」
シャマルから話を聞いたは驚いた。

「お前こそなんでそんな、よりにもよって主犯に目ェつけられてんだ。マニアックにも程があるだろ、そんなところでオンリーワンかよ」
から話を聞いたシャマルもまた、驚く。

「どこぞのグループの歌と比べないでよ。大体そんな連中、ツナたちに捕まえられると思ってんの!?」
「お前なんか変な事されなかったか?いやむしろ、おかしな事しなかったか?」

そしてまた同時に尋ねる二人。

「どういう意味!?連中がツナを狙うのはあたしのせいだとでも言うのか!?なんもしてないよ全速力で逃げただけだよ!」
先に反応したのはだった。

「・・・まあとにかく、あっちの事はリボーンに任せとけ。風紀委員のボーズも行ってるみてェだしな」

「・・・・・・・」
賛成しかねるかのように黙る

「なんだよ、不服か?」

「別に」

「・・・本当になにもされてないんだな?恥ずかしがらずに言えよ?」

「なに想像してんだエロオヤジ!!それより、リボーンって何者なの?」

シャマルがそこまで信用を置く事が、にはどうしてもわからない。

「・・・アルコバレーノっつってな。虹という意味だが、アイツを含めて七つの色それぞれのおしゃぶりを持つ赤ん坊のことを差す」

「あ、あんなのが他に六人いるってこと?・・・非常識だ」

の脳裏に、7人のリボーンが浮かぶ。

「お前が言うな、ドラゴン娘」

「ていうか、さっきから町中グルグル歩いてるけど何してるの?」

「あー?保険だよ、保険。オレは可愛い子猫ちゃんを守るナイトなわけよ」

「わけわかんない。保険サギ?」

「うっせえ。いいから歩け。病院の帰りだから、そろそろここらを通るはずなんだがな・・・」
シャマルはけだるけに視線を巡らせる。

並中生への襲撃の噂が流れても、平日の昼間の町には、人が行き交う。
なかでも噂好きな主婦たちの好奇な視線がに突き刺さる。

「そもそもさ、先生と二人で歩いてるとなんか援交するオヤジと女子高生みたいで凄く嫌なんだ、」


「姐さん!!」
突然デュランダが実体化し、喋るの顔面にべたりと張り付く。

「うわ!ちょ、なに!?」

「大変や姐さん、大変や!」

「あたしも大変だよ!前が見えやしない!」
デュランダを引き離す

「姐さんよりニィさんのほうが大変なんやって!」
捕まえられたうなぎのようにくねくねと身を捩じらせて主張するデュランダ。

「・・・・はあ?ちょっと落ち着いて説明しなさいよ」

が手を離すと、デュランダは一度ぶるっと身を震わしてから言った。

「ニィさんやられてしもたあああ!」




















・・・続。











 

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(06/12/18)