『僕・・・・骸さんについていく・・・』 (なんであんなこと言うんだよ、フゥ太・・・!) ツナは仲間から離れ、一人フゥ太を追って雑木林を走る。 「フゥ太、どこー!?」
リプレイ
39
フゥ太を追っていたのは、ツナだけではなかった。 「・・・おや?」 雑木林の中の、少し拓けたその場所でツナは黒曜生の一人と対峙した。 「ひいっ、こ、黒曜生・・・!」
(うん、わかってる) ツナの前に現れたのは今回の襲撃の主犯・六道骸本人だ。 (姐さん、どないすんの!?あのチビが敵うはずないで!) しかし、六道は。 「助けに来てくれたんですね!」 「いやー、助かった。こんなところに連れてこられてしまって・・・一生ここから出れないかと思いましたよー」 やや芝居がかった六道の様子にツナはしばらく呆けていたが、申し訳なさそうに言った。 「す、すいません一人で先走ってしまって・・・でも助けに来てくれたと言う行為に純粋に感激してるんですよ。ありがとう」 「いや、そんな〜」 (な、なんなんや・・・?アイツ) ツナは六道骸を知らない。 (・・・・・・) (・・・ね、姐さん〜) (・・・・少し様子を見よう) ツナを狙っているなら今ここでわざわざ囚われの黒曜生を演じる必要はないはずだ。 「やはり選りすぐりの強い仲間と一緒に来られたんですか?」 「いやあの・・・女の人と赤ん坊もいたりするんですけどね」 (バカツナ!) 「赤ん坊?赤ん坊が戦うんですか?」 「ま、まさかー。でも実際戦ってくれたらどんなにいいかとは思うんですけどね・・・」 「というと間接的に何かするんですか?」 「いや、まあ・・・・くわしくは言えないんですが・・・あ、それより、ここにヒバリさんっていう並中生知りませんか?」 「ここのどこかの建物に幽閉されてますよ」 「どこの建物ですか?」 「・・・・・質問しているのは僕ですよ」 六道の声のトーンが変わった。 「え・・・・」 「その赤ん坊は、間接的になにをするんですか?」 六道の前身から滲み出す異様な気配。 その瞳を見たツナは息を飲んだ。 「・・・そーだ!はぐれちゃったんでみんなのところに戻らなきゃ!」 (・・・・・・・) 六道が後を追いかける様子はない。 「・・・クフフ」 「うれしそうですね」 「あっけに取られてるんですよ」 そう言う六道は、やはりどこか嬉しそうだった。 「神の采配と謳われ、人を見抜く力に優れているボンゴレ9代目が後継者に選んだのは、僕の予想をはるかに超えて弱く小さな男だった」 ツナが去った後を見つめる六道。 「骸様、あの赤ん坊はアルコバレーノでは」 「そのようですね。戦列には加わらないようですが・・・手の内はすぐにみれるでしょう。さあ、帰りましょう」 六道が歩き出せば、その後をフゥ太がついていく。 (・・・・・洗脳されてるみたいやな、あのガキ) デュランダと同じことを思ったが、はなにも返さない。 ツナは逃げた。 (一体なにが目的なの・・・) 「彼らの手には負えないでしょうからね・・・・・あちらの<六道骸>は」 そう呟く六道はゆっくりと振り返り、枝に止まった黒い物体を見上げた。 「覗き見は、行儀が悪いですよ。・・・・そこの君」 パンッ!!と何かが弾ける音で、の視界が白濁した。 額を小突かれたような衝撃に、一瞬眩暈する。 「・・・・デュランダ!?」 意識を引き離された。 否。 「デュランダ!聞こえないの!?デュランダ!!」 デュランダは応えない。 おそらく身体の形を保てぬほどの攻撃を受けただろう。
あの少年は狡猾だ。 内なる狂気を楽しんでいるかのよう。
対抗する術も策すらないまま、己の不甲斐なさに動くことも出来ずにはその場に立ち尽くす。 |
(06/12/20)