「黒曜センターまで」 「あそこは随分前に閉鎖したけど・・・・」 まだ真っ直ぐ前を見る。 妙な客を乗せてしまったと運転手は思ったが、仕方なくアクセルを踏んだ。 「あそこ、今は不良のたまり場みたいになってるから近づかないほうがいいよ。旧道だからあまり人も通らないし・・・・」 しかし、少女は無言のまま。 もう一度バックミラーでその顔を見れば、その瞳は瞬きもせずフロントガラスの向こうの風景のはるか先を見ていた。
リプレイ
41
ツナが六道から逃げ、雑木林を抜け出した時にはすでに次の刺客が仲間たちを襲っていた。 獄寺は胸を押さえて倒れている。 対峙するのは巨大な鋼球を繋がれた鎖で操る男。 デュランダは、その様子を雑木林に隠れて見ていた。 背には一対の羽と、炎のように揺らめく漆黒のたてがみ。 恐ろしい勢いで投げられた鋼球が、ビアンキに襲いかかる。 間に割って入るように飛び出したツナを見つめる瞳は、燃えるような黄金。
(つーかアンタは龍氣を練る事ぐらい覚えなさい!だからあんなにへっぽこなのよ!) (だって、あっちの方が楽やねん。それよりなんであのチビパンツ一丁やの?姐さん) (・・・知らないわよ) 見たことのない険しい表情に、額の炎。 華奢なその身体からは想像も出来ない動きに、は唖然とする。 (そういやさっきおしゃぶり小僧がなんか撃ったみたいやけど・・・) (なんかってなに?あたしには見えなかったけど) (拳銃でチビに向かって撃ってたで。ラスト一発ってゆうて) (・・・そうなの?) もデュランダも死ぬ気弾の存在を知らない。 (強くなったんだね、ツナ・・・) 戦いは肉弾戦に移った。 やがてツナの強烈な拳が、刺客の鳩尾にヒットした。 (アレは決まったな。・・・ていうか姐さん、こんなのんきに観戦しててエエの?ニィさんに薬・・・) (薬届けたって、どうせ戦える状態じゃないでしょ) (ニィさんプライド高そうやし、負けた相手にならボロボロでも向かっていくんとちゃう・・・?) (だったらなおさら薬なんか渡さない方がいいんじゃないの。・・・それにしても随分アイツのこと買ってんのね) (姐さんが甘く見すぎやねん) (うっさい。また結ぶわよ) (い、イヤや!!) その刺客の口から、ツナたちは彼が六道の影武者であり、その経緯と六道骸の非道な過去を知った。 (口封じか!) (姐さん、アイツや!さっきおったメガネ!) 前もって六道に命じられていたのだろう。 (追って、デュランダ!これだけ広い敷地なら、逃げ込んだ建物がアジトに違いないわ) (りょーかい!きっとそこにニィさんもおるはずや!) デュランダは羽を広げ大きく伸ばし、一撃離脱した柿本千種の後を追った。 はそこで意識を切り離した。
「・・・・、さてと」 はタクシーを降りた。 運転手が何か言っていたようだが、聞こえたのは料金だけだった。 |
(06/12/21)