「おやおや・・・・彼らバーズの鳥を追ってこちらに向かってきているようですね」

ヘルシーランドに戻った六道は、通路の割れた窓からやって来るツナたちを見下ろす。
その姿は生い茂る草木に隠れてツナたちには見えないようだ。

「骸様、連中が」
雑木林を抜け、柿本が六道の元に戻ってきた。

「知ってます。・・・彼らを下の階で分散してください」

「・・・、わかりました」
柿本はすぐさまきびすを返した。











「これは少々、予定と異なってきましたね・・・」

どこか楽しそうに六道は呟き、窓から離れた。











  リプレイ 42











柿本を追って、ツナたちより一足早くヘルシーランドに潜入したデュランダ。
しかし、途中で後を追うのを止めた。

以前の姿ならともかく、建物内でこの大きさのまま後を追うのには少々無理がある。

「・・・んーと」

周囲を見渡すデュランダ。
羽をたたみ、しかし空中を滑るように進む。

「ニィさーん、どこー?」
何の警戒もせずに手近なドアを次々開けていく。
長い尾も使って、あちこちを引っ掻き回しながら奥へと入り込む。

「・・・・ん?」
人の気配に、デュランダは動きを止めた。




「ここも壊されてる」

「骸は多分上の階だ。どこかにひとつだけ生きてる階段があるはずだぞ」

ビアンキの声に続くのはリボーン。

「え、どういうこと?」
ツナが尋ねる。

「こちらの移動ルートを絞った方が守りやすいだろ。逆に言えば自分の退路を絶ったんだ。勝つ気マンマンってことだな」

(おしゃぶり小僧・・・結構頭イイやんけ)
抜けた天井に上がり、様子を伺うデュランダ。

奥に進んで行くツナたちはやがて二階に通じる非常梯子を見つけた。

その時、ヨーヨーを繰る乾いた音が室内に響く。

「・・・・・・・・・」

彼らの背後に柿本がいた。

「10代目、先に行って下さい!」
獄寺がツナの前に立ってダイナマイトを投げた。
ダイナマイトは爆発せず、勢いよく煙幕を噴き出す。

「ここはオレに任せて」

「でも、獄寺君・・・・」
すでに気絶した山本をその場に残してきたツナには、素直に頷けない。

「ハヤト、あなたは前にやられた時、シャマルのトライデント・モスキートで助かったの」

「な!?」
突然のビアンキの告白に、獄寺は驚く。

「副作用で、激痛を伴う発作がいつ襲ってきてもおかしくないわ。それでも残る?」

「あたりめーだ。そのためにオレはいる」

「・・・・・行きましょ、ツナ」
弟の強い決意を察したビアンキは、ツナに言った。

「でも・・・」

決心がつかないのか、返事の出来ないツナに獄寺は言った。

「行って下さい、10代目!終わったらまたみんなで遊びに行きましょう」


「ッ!・・・うん。わかった、いくね!」
笑う獄寺に背を押されるように、ツナは非常梯子を上っていく。








「おとなしく行かせてくれたじゃねーか」
充満する煙幕の中、両手にダイナマイトを構えて柿本を見る。

「・・・・骸様の命令だ」
人差し指で眼鏡を押し上げ、柿本は静かに言った。

「そーかよ」

獄寺がダイナマイトの導火線を咥えていた煙草に近づけたその時。






「げほげほげほげほ!!ちょ、これ、ノドに痛ッげふぉげふぉげふぉ!オエエッ!!?」

煙幕にむせたデュランダが、天井から落っこちてきた。




二人の動きが止まる。

「なんだ・・・?た、タヌキか?」

「誰がタヌキじゃこのバクダン野郎!デュランダ様じゃボケー!!」
鬣を逆立てて怒鳴るデュランダ。

「デュランダって・・・お前、ゆみこさんのペットの?大きさも形も違うじゃねーかよ」

「誰がペットじゃい!!」
デュランダは柿本よりも先に獄寺に襲い掛かる。

「うわ!?」
前脚でシャツを掴んで身体に尾を絡ませ、大きく口を開けて獄寺の頭にかぶりつく。

「・・・・さっさと済ますよ。めんどい」
構うことなくヨーヨーを繰り出す柿本。

デュランダを巻きつけたまま、獄寺は横に跳び、部屋の中へと転がり込む。

「テメ、離れろ!!」

「臭ッ!そして苦!!なんやお前の髪ばっちい!イヤッ!」
デュランダは顔を歪めて獄寺の頭から口を離した。

「整髪料だ!!」
青筋を立てて言い返している内に、毒針が発射される。

デュランダの羽が大きく広がり、羽ばたいて毒針をはじき返した。

「なんなんだよお前、一体何しにきたんだ!?」

「ええと、ニィさんどこにおるか知らん?」

「お前の兄貴なんざ知るかッ!」

「ちゃうて、ワシ兄貴なんかおらんて。お前アホちゃう?」

「果てろ!!」
ブチ切れた獄寺はデュランダの口の中にダイナマイトを突っ込んだ。

「ンぐ!?」
そのまま飲み込むデュランダ。

腹の中でボフ!と篭もった音がして、デュランダは硬直する。
白目をむいたかと思えば、口から真っ黒な煙を吐き出して地面に落ちた。

「ったく、そこでくたばってろ!」
デュランダを蹴り飛ばし、隅に追いやる獄寺。

乱暴だが、こうすればゴミにしか見えない。
敵に捕まえられることもないだろう。

追いかけてくる柿本の足音に、獄寺は部屋を出た。

「こっちだぜ、ヨーヨー使い!」
その場から柿本を遠ざけるように背を向け駆け出す獄寺。














「・・・・・・・・・・」

ゴミとほこりにまみれたデュランダは、聞き覚えのある音楽で目を覚ました。





・・・・・緑たなびく並盛の〜・・・




並盛中の校歌。





それは、雲雀の携帯の着信音だった。


















・・・続。











 

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(06/12/23)