デュランダは空を飛んで黒曜センターに潜入したが、はその足で歩くしかない。

左右に荒廃した建物が立ち並ぶ緩やかな坂を一歩一歩登っていく

「あそこか・・・」

立ち止まり、一番奥の建物を見上げる。
デュランダが残した龍氣の残滓を頼りに、再び歩き出す

意識の同調も体力を削るのだ。
以前のことも考え、消耗は出来るだけ避ける。

周りに注意を払って進むと、途中雲雀に潰されたらしき黒曜生の姿があちこちに見える。

ツナたちが通った道でもあるのだろう。
デュランダの目を通して見た刺客も倒れている。

(あ、そうだ・・・!)
思い出して視線を巡らせば、大きな木の根元に横たわる山本の姿があった。
そばに駆け寄る

「・・・・・・・・」
は、膝をついて山本の顔を覗き込む。

山本は消耗した表情で眠っていた。
服は汚れ、腕には包帯。

乱れることの無い穏やかな寝息が唯一の救いだろうか。


「・・・・・・・・・」

ふいに、怒りのようなものがこみ上げた。

傷だらけで戦うツナ。毒を受けていつ副作用の激痛が襲うともしれない獄寺と、その身体を心配してついてきたビアンキ。


リボーンは、どんな思いで彼らを導いているのだろう。

すべての元凶は六道骸。
だが、の苛立ちの矛先はどうしてもリボーンに向かう。

そんなの耳に、足音が届く。
・・・人が来る。

(黒曜生・・・!)
察したは山本の体を木の陰まで引きずり、自らも茂みに身を隠した。

少しふらつく足取りのその黒曜生は、六道骸を主犯とする脱獄犯三人組の一人、城島犬。

山本に倒されてその場で縛られ、さらにビアンキに大きな石を落とされ完全に気絶していたが、目を覚まして抜け出したようだ。

「うう、クッソあいつら・・・・」
頭を押さえつつ、ブツブツ呟きながら隠れるの前を通り過ぎる城島。

は茂みからそっと抜け出し、城島の後を追った。












  リプレイ 43













城島は妙に気配に敏感だった。
風向きの関係もあるのだろうか、しきりに背後を気にして振り返った。

は近くの廃屋に一時身を隠す。
向かうのは、どうせすぐ奥のヘルシーランドだ。

静かな敷地内には、木々のざわめく音しか聞こえない。

だが。
城島は足を止め、耳を澄ます。

「は、」
城島は短く笑うと、道を外れ、生え放題の雑草を掻き分けていく。

(どこにいくつもり・・・?)

ふいに、遠くで爆発音のようなものが聞こえた。
周りの建物で反響し、どこからのものかにはわからない。

城島を深追いするのは危険と判断し、はヘルシーランドの入り口に立つ。

扉は壊されて無い。





見上げれば、どの階の窓も割れている。
窓際は通路なのだろう、横切る人影が見えた。

それは。

(六道、骸・・・・!)





獄寺にダイナマイトを食らって気を失っていたデュランダは、落としていた雲雀の携帯の着信音で目を覚ましていた。
その携帯を拾い、デュランダは再び行動を開始する。

通路に出たところで、爆発音が聞こえた。

(コドモは火遊びが好きで困るわほんま〜)

デュランダは通路の角から顔を出し様子を窺う。

「っひゃー!どこうってんの!?」

角を曲がると、地下に下りる階段があった。
先は機械室か何かだったのだろうか、階段の途中に立つのは柿本と、もう一人の黒曜生。
階段下のスペースには、獄寺が胸元を真っ赤に染めて仰向けに倒れている。

(なんや、増えとるやん。やられとるし)

さっきの爆発で突き当たりの壁一面が崩れたようで、もうもうと煙が上がっている。

「・・・元気そうじゃねーか」
枯れた声の獄寺。

煙の向こうに人影が見えた。


「自分で出れたけど・・・まあいいや」

さらりと言うその声は。


「そこの2匹は僕にくれるの?」

煙の向こうからやってきたのは、雲雀恭弥だった。


足取りはどこか頼りなく、流した血は乾いて制服と顔にこびりついていたが、その目の精彩は物騒なほどに富んでいた。























・・・続。











 

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(06/12/23)