(デュランダ)

の声は、頭の中に響くようだった。

(あ、姐さん?今な、ニィさん見つけて・・・)
嬉々として反応するデュランダ。

(デュランダ、今すぐに来て)

「え、でも」
唐突な呼び出しに、思わず口に出す。

(早く)
静かだが、の声は強制力があった。

(ちょ、ちょお待ってッ)
慌てるデュランダ。

目の前では、倒れた獄寺を跨ぎ階段を上る雲雀の姿がある。
やっとみつけたのに、お使いぐらい満足に出来ないなんて自分で自分が情けない。

(今、すぐに)
そんなデュランダの思いなどお構いなしの

肉体というオブラートが無いために、その声は龍氣としてデュランダの体内に響いて抗うことなど出来ない。
その感覚はとデュランダを繋ぐ、他にたとえようの無いもの。

(大体来いってどこに?姐さん今どこにおるん)
戸惑うデュランダ。


(いいからさっさと来る!!)

の声は、全身に電流が流れるような強烈なものだった。


(は、はははッ、はいいいいいいい!)


それは抵抗も出来ない、種としての系譜。

絶対的な上下関係がそこに存在している。









  リプレイ 44










雲雀のトンファーが強烈な一撃を繰り出す。
向かってきた城島は吹っ飛び、ガラスを突き破って外に落ちた。

「犬!」
柿本が名を呼ぶが、城島は地面に転がったままぴくりとも動かない。

「・・・次は君を咬み殺す」
雲雀は柿本に向かって言った。

間合いを取るかのように後退する柿本は、雲雀が階段を上りきると同時にヨーヨーを繰り出す。
雲雀はあっさりとヨーヨーを弾き飛ばすが勢いあまってバランスを崩す。

その隙を、もちろん柿本は逃さない。

もう一つのヨーヨーを回避できない軸足に向けて投げる。

が、

「つまらないな」

その軌跡を予測していたかのように、トンファーが閃く。
六道に倒され、満身創痍の身体とは思えない敏捷さで雲雀は駆け、柿本も窓の外へと叩き飛ばす。




「おおい、生きとるか〜」
雲雀の頭上を飛び越えて、デュランダは横たわる獄寺に近づく。

「しっかりしいや」
デュランダは獄寺の上着を掴んで飛び上がり、身を起こさせる。

「・・・・テメ、まだウロウロし、て・・・ッ」
胸の痛みに顔を歪める獄寺。

「二ィさんお楽しみみたいやし、お前に預けるわ」

「は・・?」

「ワシ、姐さんに呼ばれてん。早よ行かな」
そう言ってデュランダは自分の身体中をごそごそ探る。

腕章のような物を出しかけて、あ違う、と言って仕舞う。
次に出したのは、小さな紙袋。

一体身体のどこから取り出してるのかと訝しげに眺める獄寺。

「コレやコレ、なんとか病の薬。シャマルから預かってん。二ィさんに渡しといて」

「・・・・なんとか病ってなんだよ」
そして一体二ィさんって誰なんだと思う獄寺。

「エエと・・さく、サクラ・・・?」
首を傾げるデュランダ。

「もしかして・・・サクラクラ病か?」
そこでようやく獄寺はデュランダの言う二ィさんが雲雀だと知った。

「それそれ。後ケイタイも返しといたって。ほなワシ行くわ」

デュランダは獄寺の膝の上にそれらを置いて、畳んでいた羽をぱっと広げる。

身を翻して通路に出ると、雲雀の視界に入るように一度旋回する。

「ニィさんまたなー!」

「兄さんじゃない」
きっちりと否定して返す雲雀。

デュランダには、その身体に残ったかすかな龍氣が怒りと闘気で膨れ上がっているように見えた。

龍氣が人間の身体能力に影響するのはわかるが。

(・・・怒りで龍氣が増加する?感情で増えたり減ったりするもん?そんな単純な)

龍体であるデュランダですら、龍氣を繰り練り上げることは至難の業だというのに。

(それとも人の身体やから・・・?)
人体の不可解さに面食らうデュランダ。


ならば、今まで感じたことの無いようなの強い龍氣も。

の龍氣に引っ張られるように、デュランダは割れた窓から飛び出す。


















(姐さん・・・怒っとるん・・・・・?)
















・・・続。











 

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(06/12/24)